内容紹介
本書は、学生が「大学で何をどう学ぶか」の理念だけでなく、具体的なノウハウがたくさん盛り込まれている。例えばどうしたら「向学心」を常に高めた状態で勉学に励むことができるのか、あるいはウェブを使ってレポートをどう書いたらいいかとか…など、まさに痒いところに手が届く「勉強ノウハウ」が具体的に記述。 さらに時間の管理方法や宿題をどうさばいたらいいのか、卒論・修論・博論を書くために、何をどの程度準備しておいたらいいのか、といったことまで具体的にきめ細かく記述。特に、データの取り方ならびにデータの見方について詳しく論じられ、研究の仕方についての実践法はとてもためになる。巷にある「大学で何を学ぶか」といった本とは一線を画しており、「勉学と研究」の理念と現実のバランスが十二分にとれた内容。
目次
1 勉強がうまくいくためにはどうしたらいいだろうか
学位にまつわる神秘性と神話、そして悩みの種
あなたに期待されているのは何か?
いい勉強方法
本書をうまく利用するには
2 通信教育ではどう勉強したらいいのか
資格の多様性と選択、そして疑問点
勉強のスタイル
大事なのはコミュニケーション
勉強するのに飽きてしまったら
3 どうやったらうまく勉強ができるのか:簡単な方法とそのまとめ
勉強を細切れにする
時間の管理
締め切りが重ならないように
みんなはどのくらい勉強しているのだろうか
時間のロス
勉強の管理術
自分の勉強は自分で管理する
どう質問したらいいのだろうか:質問の仕方を向上させるには
質問の仕方のイロハ
質問すること、それが頭を使っていない証拠になったりする
4 よりレベルの高い質問の仕方と問題提起の仕方
レベルの高い質問はどう役に立つのか?
比較する
提案が正しいものであるかどうか考える
議論の妥当性をチェックする
事実の一般化と仮説を突き止める
5 学術的な読み方とインターネットを使った調べ方
斜め読みは習慣にすべきものではない
どう読んだらいいかについて知る
学術的なものを読むと読むスピードが落ちる
既に実証済みの実用的な読みのテクニック
ヴァーチャルな環境、そしてウェブを使った情報収集
6 レポートの書き方
ノート(メモ)をとり、そしてアウトラインをつくる
ポイントとなるところを見つける
レポートの構成
引用と剽窃
参考文献の紹介か,それとも引用か?
レポート作成に必要な四つの書き方
レポートのスタイル
結論をどう書くか
自分で書いた論文を編集する
7 ゼミを活用する
ゼミを開催し,そしてゼミを引っ張っていく
礼儀をわきまえた反論
ゼミの流れを変える
ゼミをどう活用するか
8 学位論文とリサーチ
学位論文のタイトルの付け方:研究上の疑問をきっかけにして
研究方法の選択
対照的な四つの研究方法
まず何をやるべきか
データ収集と二次情報
9 データの解析と学位論文の執筆
論文を執筆するとはどういうことか
データの解析
学位論文と報告書
昔からある学位論文の構成
伝統的な論文の構成について見てみよう
一貫性のある先行研究のレビュー
話の一貫性と分かりやすさ,そして内容の正しさ
議論の構築
書いたものを編集する
10 信頼性と妥当性、そして意味
コンテクストと証拠の位置づけの重要性
証拠にまつわるよくある誤解
信頼性と妥当性
疑いと厳密さ
意味づけ、そして、他人と自分