内容紹介
本シリーズは、実際に就いてみないとどのようなことをやるかが想像しにくい「仕事」というものを、「仕事の内容」「背景となる知識」「日常的に接する人や物」「なるまでとなった後」「取り巻く問題」という５つの切り口から、15歳でもわかるようにわかりやすく解説。 本書ではドラマでのイメージが強い“弁護士”という職業をクローズアップして、「弁護士の仕事」「弁護士に必要な知識や心構え」「弁護士の現場とスタッフ」「弁護士の生き方」「弁護士が抱える問題」を平易に解説。将来弁護士を目指す中高生から、一般の方、弁護士に関連する業務従事者にとっても貴重な情報が満載の一冊。
目次
1章 弁護士の仕事
1.1 弁護士は、国を相手に被疑者の権利を守る
・刑事事件
刑事事件の現場では、多くの人間ドラマに遭遇する
被疑者の代理人には、泥臭い仕事も必要となる
・刑事裁判
供述調書の矛盾点を巡って、検察とやりあう
弁護士の仕事には、つねに批判と責任が付きまとう
1.2 弁護士は、依頼主の利益の代弁者となる
・家事事件
事件を依頼されたら、まず最悪の事態を説明する
公判になってから、新事実が明らかになることもある
・民事事件
民事裁判での戦いは、ほとんどが準備書面ベースになる
民事裁判における証拠集めは、判決を大きく左右する
2章 法律の考え方
2.1 弁護士は、犯罪に対する正しい処罰を理解する
・盗み
「盗む」という行為には、様々な罪状が適用される
１回の犯罪で、いくつもの罪に問われることもある
・いじめ
「いじめ」という行為の多くは、犯罪と捉えられる
「男女雇用均等法」は、訴え続けたことにより生まれた
2.2 弁護士は、揉め事を裁くルールを正しく理解する
・離婚
離婚での親権者は、子供の育つ環境から判断される
離婚する夫婦に挟まれた子供は、親に対して気を遣う
・自己破産
安易な自己破産の申請は、信用という貴重な財産をなくす
自己破産の債権者の代弁者として、法律の壁を感じる
3章 弁護士の仕事場
3.1 弁護士は、様々なタイプの依頼主を相手にする
・法律事務所
弁護費用についての説明では、慎重に段取りを踏む
弁護士は、独立した存在としての仕事が求められる
・パラリーガル・調査会社
弁護士が扱う事件では、様々な専門知識が求められる
弁護士事務所は、依頼先のスクリーニング機能を果たす
3.2 弁護士は、様々な人と交渉をする
・裁判所
裁判システムの変更には、十分な検討が必要である
養育費が絡む離婚では、家庭裁判所を通したほうがよい
・検察庁
検事の仕事には、入念な準備が求められる
小さい事件、簡単な事件などは１つもない
4章 弁護士の生き方
4.1 弁護士は、法律知識を正しく積み上げていく
・法科大学院
司法試験の勉強では、法律の核を見つけることが求められる
法律の勉強では、新しい考え方の発見がつねにある
・司法試験
真剣に取り組むからこそ、不安になることを知る
口述試験では、知識だけでなく人間性を見極められる
4.2 弁護士は、実は様々な生き方を選択できる
・司法修習
研修所時代には、信頼できる仲間や感銘を受ける教官を得る
実務研修では、学んできた知識の活用法を理解する
・進路選択
尊敬できる検察教官の言葉で、将来の道を決める
弁護士への転進では、培ってきた人脈のありがたさを知る
5章 法律の問題
5.1 弁護士は、法律解釈の変化に影響を受ける
・法律の改正
離婚後に生まれた子供に関する法律は、実態に即していない
再婚禁止機関に関する法律は、男女差別ではないか
・被害者参加制度
犯罪被害者支援の問題には、当初から積極的に参加する
国は、被害者の気持ちと生活に配慮するべきである
5.2 弁護士は、司法のあり方に影響を受ける
・司法制度改革
裁判官には、裁判員が自由に発言できる環境作りが求められる
裁判に、一般国民の視点を入れることは意味がある
・裁判員制度
新司法試験とロースクールは、弁護士不足の認識から生まれた
このままでは、在野の弁護士はどんどん減っていく
