有機化学

有機化学

著者名 奥山 格 監修
発行元 丸善出版
発行年月日 2008年01月
判型 A5 210×148
ページ数 504ページ
ISBN 978-4-621-07939-3
Cコード 3043
ジャンル 化学・化学工学

内容紹介

全国の有機化学講義担当者のアンケート意見をもとに構成された、まさに日本の大学カリキュラムにあった学習しやすい現代の有機化学の教科書。有機化合物を作り上げる結合の基本原理と反応を支配する電子の流れを理解することによって、生命のしくみと物質の世界を支配する有機化学を興味をもって学ぶことができる。1〜2年間の有機化学コースに対応できるようにコンパクトにまとめながら、例題を使って理解を深めるように工夫し、多くの演習問題を収めた。また、独自のホームページを活用して反応例やより詳しい解説を加えて教科書を補完するとともに、演習問題や三次元分子モデルで学習できるように配慮。

目次

序章 有機化学の歴史とその領域 
コラム1 原子と元素,分子と化合物そして物質,分子種と化学種
1 化学結合と分子の成り立ち  
 1.1 原子の構造
  1.1.1 原子構造
  1.1.2 原子軌道     
  1.1.3 電子配置
  1.1.4 原子のルイス表記   
 1.2 化学結合       
  1.2.1 イオンの生成
  1.2.2 イオン結合と共有結合
  1.2.3 極性結合と双極子
 1.3 分子とイオンのルイス構造式
  1.3.1 ルイス構造式の書き方  
  1.3.2 共鳴構造
コラム2 形式電荷と酸化数 
2 分子のかたちと混成軌道
 2.1 分子のかたち   
 2.2 共有結合の軌道モデル     
  2.2.1 原子軌道のかたち
  2.2.2 原子軌道の重なりと分子軌道
 2.3 混成軌道    
  2.3.1 メタンの結合:sp3混成軌道
  2.3.2 エテンの結合:sp2混成軌道
  2.3.3 エチンの結合:sp混成軌道
  2.3.4 炭素の混成と結合距離
 2.4 分子の表し方  
コラム3 風船でVSEPRモデルを確かめよう
コラム4 ライナス・ポーリングの業績
コラム5 有機資源:石油とガソリン
3 有機化合物の種類
 3.1 官能基    
 3.2 アルカン,アルケンとアルキン 
 3.3 アルコールとエーテル  
 3.4 分子間相互作用と物理的性質
  3.4.1 分子間力
  3.4.2 沸点
  3.4.3 溶解度
 3.5 ハロアルカン
 3.6 アミン
 3.7 アルデヒドとケトン    
 3.8 カルボン酸とその誘導体  
 3.9 芳香族化合物   
 3.10 命名法の基本的考え方  
コラム6 工業原料としてのエテン        
4 立体配座と分子のひずみ
 4.1 アルカンの立体配座
 4.2 シクロアルカン
  4.2.1 シクロプロパン  
  4.2.2 シクロブタン
  4.2.3 シクロペンタン
  4.2.4 シクロヘキサン    
 4.3 シクロアルカンとアルケンのシス・トランス異性
コラム7 シクロアルカンの燃焼熱とひずみ
5 有機化学反応
 5.1 有機反応の種類
 5.2 反応のエネルギー
  5.2.1 反応のエネルギー変化   
  5.2.2 一段階反応と二段階反応   
  5.2.3 反応速度と平衡定数   
 5.3 有機反応はどのように起こるのか  
  5.3.1 結合の切断
  5.3.2 結合の生成    
 5.4 巻矢印による反応の表し方   
コラム8 Hammondの仮設
コラム9 福井謙一の業績
6 カルボニル基への求核付加反応
 6.1 カルボニル結合の極性   
 6.2 シアノヒドリンの生成   
 6.3 水の付加
  6.3.1 平衡定数
  6.3.2 反応機構
 6.4 アルコールの付加
 6.5 亜硫酸塩の付加   
コラム10 ホルムアルデヒド,アセトアルデヒドおよびアセトン
7 共役と電子の非局在化   
 7.1 エテンのπ結合
 7.2 ブタジエン     
 7.3 アリル系     
  7.3.1 アリル系の共鳴による表し方
  7.3.2 アリル系の分子軌道
 7.4 共鳴法     
  7.4.1 アリルアニオン類似系
  7.4.2 共鳴法における注意点
 7.5 ベンゼン
  7.5.1 ベンゼンの構造   
  7.5.2 ベンゼンの分子軌道  
  7.5.3 ベンゼンの非局在化エネルギー  
 7.6 芳香族性 
コラム11 光の吸収と色
コラム12 ベンゼンの構造とKekuleの夢
コラム13 芳香族性と非ベンゼン系芳香族化合物     
コラム14 スペクトルと分子構造
8 酸と塩基   
 8.1 ブレンステッド酸と塩基
  8.1.1 ブレンステッド酸と塩基の定義
  8.1.2 酸解離定数    
  8.1.3 酸塩基反応の平衡のかたより
  8.1.4 水溶液のpHと酸塩基のかたち
 8.2 酸性度をきめる因子
  8.2.1 原子の種類    
  8.2.2 アニオンの非局在化
  8.2.3 置換基効果  
 8.3 炭素酸とカルボアニオン   
  8.3.1 炭化水素
  8.3.2 電子求引基の効果   
 8.4 有機化合物の塩基性
  8.4.1 塩基性度の定義   
  8.4.2 窒素塩基
  8.4.3 弱塩基性有機化合物  
 8.5 ルイス酸と塩基   
コラム15 炭酸塩水溶液のpH
コラム16 塩基性度の別の定義
コラム17 覚えておくと便利なおよそのpka値  
9 カルボン酸誘導体の求核置換反応
 9.1 エステルの加水分解    
  9.1.1 カルボニル基の水和反応
  9.1.2 四面体中間体の分解
  9.1.3 アルカリ加水分解     
  9.1.4 酸触媒加水分解
  9.1.5 四面体中間体の証明   
  9.1.6 アルコキシド脱離の機構    
 9.2 エステルの反応
  9.2.1 エステル交換反応    
  9.2.2 エステルとアミンの反応
 9.3 求核付加―脱離反応
  9.3.1 反応機構
  9.3.2 カルボン酸誘導体の反応性
 9.4 カルボン酸誘導体の相互変換
  9.4.1 酸塩化物
  9.4.2 酸無水物
  9.4.3 アミド     
  9.4.4 カルボン酸
  9.4.5 相対的反応性
 9.5 縮合重合
コラム18 せっけんのはたらき
コラム19 エステル加水分解の反応機構:別の可能性
コラム20 ラクトンとラクタム
コラム21 カルボン酸の名称
10 カルボニル化合物のヒドリド還元とGrignard反応
 10.1 ヒドリド還元
  10.1.1 アルデヒドとケトンの還元    
  10.1.2 カルボン酸誘導体の還元
 10.2 炭素からのヒドリド移動 
 10.3 Grignard反応  
  10.3.1 有機金属化合物
  10.3.2 Grignard反応    
コラム22 生体内のヒドリド反応:NAD+とNADH
11 酸素の脱離を伴うカルボニル基の反応
 11.1 水和反応の可逆性
  11.1.1 水和物の脱水反応
  11.1.2 酸素同位体交換
 11.2 アセタールの生成
  11.2.1 アセタール化
  11.2.2 保護基としてのアセタール
 11.3 イミンの生成   
  11.3.1 第一級アミンの反応  
  11.3.2 第二級アミンの反応
  11.3.3 イミンの還元
 11.4 Wittig反応
12 立体化学:分子の左右性
 12.1 異性体の種類
 12.2 キラルな分子   
 12.3 キラル中心のR,S表示  
 12.4 キラル中心を2個もつ化合物   
  12.4.1 エナンチオマーとジアステレオマー
  12.4.2 メソ化合物
 12.5 立体異性体の性質
  12.5.1 アキラルな環境における性質
  12.5.2 旋光度    
  12.5.3 ラセミ体と光学分割   
 12.6 キラル炭素をもたないキラル分子  
13 ハロアルカンの求核置換と脱離反応
 13.1 ハロアルカンの反応性
 13.2 SN2反応 
  13.2.1 反応機構
  13.2.2 SN2反応の立体化学
  13.2.3 立体障害
  13.2.4 求核種と脱離基   
 13.3 溶媒効果 
 13.4 SN1反応
  13.4.1 反応機構
  13.4.2 SN2反応の立体化学
  13.4.3 カルボカチオンの安定性   
  13.4.4 SN1とSN2反応の競争  
 13.5 E1反応
 13.6 E2反応   
 13.7 E2反応の連続性とE1cB反応    
 13.8 脱離反応の位置選択性
  13.8.1 E1反応の位置選択性    
  13.8.2 E2反応の位置選択性
 13.9 脱離反応と置換反応の競争  
コラム29 生体内のSN2反応
コラム30 隣接基関与:分子内SN2反応
コラム31 ハロアルカンと環境問題
コラム32 アルコールの工業生産  
14 アルコール,エーテルおよびアミンの反応
 14.1 酸触媒反応
 14.2 ハロゲン化水素との反応
 14.3 アルコールの脱水反応  
 14.4 カルボカチオンの転位  
 14.5 アルコールの誘導体化  
 14.6 エポキシドの開環反応
  14.6.1 酸触媒反応
  14.6.2 塩基触媒反応
 14.7 アミンの求核性   
 14.8 アミンと亜硝酸の反応  
コラム33 クラウンエーテル
コラム34 アルコールの酸化と飲酒テスト
コラム35 硫黄化合物 
15 アルケンとアルキンへの付加反応
 15.1 求電子付加反応
 15.2 ハロゲン化水素の付加
  15.2.1 反応機構
  15.2.2 配向性
  15.2.3 アルキンへの付加
 15.3 水の付加
  15.3.1 酸触媒水和反応
  15.3.2 オキシ水銀化
  15.3.3 ヒドロホウ素化
  15.3.4 アルキンの水和反応
 15.4 ハロゲンの付加
 15.5 ブタジエンへの求電子付加
  15.5.1 1,2-付加と1,4-付加
  15.5.2 速度支配と熱力学支配   
 15.6 Diels-Alder反応
 15.7 カルボカチオンの付加とカチオン重合
 15.8 二重結合の酸化
  15.8.1 エポキシ化
  15.8.2 ジヒドロキシル化
  15.8.3 オゾン分解   
 15.9 水素の付加    
コラム36 酸化と還元
コラム37 アルケンの水素加熱と安定性
コラム38 エデン:植物ホルモン
16 芳香族求電子置換反応
 16.1 置換ベンゼンの構造
 16.2 求電子付加と付加―脱離による置換
 16.3 求電子置換反応の種類
  16.3.1 ハロゲン化
  16.3.2 ニトロ化
  16.3.3 スルホン化
  16.3.4 Friedel-Craftsアルキル化
  16.3.5 Friedel-Craftsアシル化
 16.4 置換ベンゼンの反応性と配向性
  16.4.1 2種類の置換ベンゼン
  16.4.2 ベンゼニウムイオンの安定性
  16.4.3 置換基の分類
  16.4.4 二置換ベンゼンの反応
 16.5 フェノールの反応性  
 16.6 置換ベンゼンの合成
  16.6.1 Friedel-Crafts反応の問題点
  16.6.2 置換基の反応
  16.6.3 反応性と配向性の制御
コラム39 天然のフェノール類
17 エノラートイオンとその反応
 17.1 アリルアニオンとエノラートイオン
 17.2 エノール化     
  17.2.1 反応機構
  17.2.2 エノール化によって起こる現象
  17.2.3 エノールまたはエノラートを経て起こる反応
 17.3 アルドール反応   
  17.3.1 アルドール付加
  17.3.2 アルドールの脱水反応
  17.3.3 交差アルドール反応
 17.4 Claisen縮合     
  17.4.1 エステルのClaisen縮合
  17.4.2 交差Claisen縮合
  17.4.3 分子内縮合
 17.5 エノラートイオンのアルキル化   
  17.5.1 1,3-ジカルボニル化合物のエノラートイオン
  17.5.2 1,3-ジカルボニル化合物のアルキル化
  17.5.3 リチウムエノラート
  17.5.4 エノラート等価体    
コラム40 ボロディン:作曲家で科学者
コラム41 生体内のClaisen縮合 
18 求電子性アルケンへの求核付加反応
 18.1 共役付加
  18.1.1 α,β不飽和カルボニル化合物への共役付加
  18.1.2 α,β不飽和カルボニル化合物の種類とその他の共役付加
  18.1.3 有機金属反応剤の付加とヒドリド還元  
  18.1.4 その他の求電子性アルケン
 18.2 エノラートの共役付加
  18.2.1 Michael反応
  18.2.2 Robinson環化反応
 18.3 アニオン重合
19 芳香族求核置換反応    
 19.1 共役付加―脱離機構
 19.2 芳香族求核付加―脱離機構
 19.3 脱離―付加(ベンザイン)機構
 19.4 ジアゾニウム塩の反応
コラム42 Meisenheimer錯体
20 縮合多環芳香族化合物と芳香族ヘテロ環化合物
 20.1 縮合多環芳香族化合物
  20.1.1 構造    
  20.1.2 求電子置換反応   
 20.2 芳香族ヘテロ環化合物の種類と構造   
 20.3 芳香族ヘテロ五員環化合物の反応
 20.4 ピリジンの反応   
  20.4.1 塩基性と求核性
  20.4.2 置換反応
  20.4.3 側鎖の反応
 20.5 芳香族ヘテロ環化合物の合成
コラム43 フラーレン:炭素の同素体
コラム44 縮合多環芳香族炭化水素と発がん性 
 21 転位反応
  21.1 炭素への1,2-転位     
   21.1.1 カルボカチオンの転位      
   21.1.2 カルボカチオン生成における転位   
   21.1.3 カルボニル化合物の転位    
 21.2 酸素への転位
 21.3 窒素への転位
 21.4 カルベンとニトレンの転位
  21.4.1 カルベンの転位
 21.4.2 ニトレンの転位
 21.5 シグマトロピー転位と電子環状反応   
22 ラジカル反応
 22.1 ホモリシス
 22.2 ラジカルの構造と安定性   
 22.3 アルカンのハロゲン化    
 22.4 ベンジル位とアリル位のハロゲン化  
 22.5 アルケンへのHBrのラジカル付加
 22.6 アルケンのラジカル重合
 22.7 電子移動によるラジカルの生成と反応  
  22.7.1 溶解金属還元
  22. 7.2 カルボニル化合物の一電子還元とラジカルカップリング
  22.7.3 求核置換反応のラジカル機構
  22.7.4 電極反応
コラム45 生体反応におけるラジカル
23 有機合成   
 23.1 有機合成に使う反応
 23.2 合成計画の考え方
 23.3 反応選択性と反応の使い分け
 23.4 保護基の利用
 23.5 有機合成の効率
 23.6 不斉合成     
 23.7 多段階合成の例
コラム46 天然のアミン:アルカロイド
24 生体物質の化学
 24.1 炭水化物と核酸
  24.1.1 炭水化物の分類
  24.1.2 単糖類
  24.1.3 グリコシド
  24.1.4 二糖類と多糖類
  24.1.5 ヌクレオシド,ヌクレオチドと核酸
 24.2 アミノ酸とタンパク質
  24.2.1 アミノ酸
  24.2.2 ペプチド
  24.2.3 タンパク質
 24.3 脂質
  24.3.1 油脂     
  24.3.2 リン脂質     
  24.3.3 テルペンとステロイド   
  24.3.4 エイコサノイド      
コラム47 スクアレンからステロイドの生合成
付録
 付録1 酸性度定数(pKa)
 付録2 官能基合成法
 付録3 官能基の反応   
 付録4 炭素―炭素結合形成反応 
 付録5 略号表

出版社からのメッセージ

本書は改訂版『有機化学 改訂2版』(2016年1月刊)を刊行しています。

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