内容紹介
純国産ロケットHIIの開発責任者であり、宇宙開発の歴史と現場を知り尽くした著者が、月と火星探査を中心にこれまでの宇宙開発の経緯と裏話、導かれるべき教訓を書き、今後の宇宙開発と民間宇宙ビジネス、宇宙旅行の時代への戦略・展望を述べる。21世紀になり、宇宙旅行がまさに始まろうとしているいま、その実現性を念頭に置きながら、地球に最も近い天体である月と火星へのこれまでの「探検」の歴史と今後の探査計画を、ロケット開発の側面から解説。 月へのアプローチがどのように行われ、火星探査がいかに困難であったか、その背後にどのような技術者たちの営みがあったのか、現場にいる人しかわからない具体的な内容を、技術者や飛行士への愛情あふれる語り口で解説。
目次
1 誰でも宇宙へ行ける
スペースシップ・ワン、初の民間宇宙飛行
出迎えた三人
すべてはX賞から始まった
賞金レースで新技術は発展する
民間航空賞金レースの勝者、リンドバーグ
NASAロケット機と軽宇宙旅行機
スペースシップ・ワンの競争者
ライブドアの宇宙旅行
月をめざす宇宙観光
2 月へ行こうか
月へわたしを飛ばして
スペースカウボーイと月の石
ジュール・ヴェルヌから月ゴールドラッシュへ
フォン・ブラウンのV―2号
ソビエトの囚人設計主任
3 三五年前には月へ行けた
米ソの月チキンレース
アポロ宇宙船は月へ
ソビエトの月宇宙船は
ソビエト月ロケットの素顔
四連敗の巨大月ロケット
米ソ月宇宙船はどう違う
ソビエト無人月探査、アメリカをリード
なぜソビエトはアポロに負けた
4 月へ行く日本のセレーネ
米ソにつづく日本の月探査
ゆっくり月飛行のヨーロッパ
日本の月探査機セレーネは準備完了
セレーネで月はどこまでわかる
お茶の間で体験できる月旅行
5 火星探査、宇宙大国の明暗
米ソの火星レース始まる
火星のベールをはいだバイキング
二〇〇四年火星探査オリンピック、日本も
観測は大成功のヨーロッパ
エアバッグで火星へ降りる
火星探査は失敗の歴史だった
大型火星探査機の陰
NASAの改革路線始まる
安すぎた、早すぎた、よくなかった
6 ふたたび月と火星へ
火星探査の復活
アメリカの新ロケットと宇宙船
月に人は住めるのか
火星へ行って生命探し
南極で拾った火星隕石がブームの始まり
宇宙政策のお国事情、日本は
ヨーロッパは火星ローバーで生命を探す
青森のミニ地球と月の関係
宇宙服、それは新しいマイクロ地球