台湾映画のすべて

台湾映画のすべて

著者名 戸張 東夫
廖 金鳳
陳 儒修
発行元 丸善出版
発行年月日 2006年01月
判型 四六 188×128
ページ数 192ページ
ISBN 978-4-621-06106-0
Cコード 0374
ジャンル 人文科学

内容紹介

国民党政権は台湾映画にどれだけ大きな影響を及ぼしたか。国民党が経営する台湾最大の映画製作配給会社中央電影の役割とは。台湾映画を国際舞台に押し上げた台湾ニューシネマとは。外省人と本省人の関係は台湾映画にどう反映されているか。――台湾映画の深層を理解する上で興味尽きない話題を、具体的に映画を取り上げながら解説し、映画研究における新たな視角を提起する意欲作。台湾映画を通して、60年に及ぶ台湾戦後史を振り返り、台湾における戦後の特異な経験、台湾映画に大きな影響を与えた国民党政権の独特な政治制度や映画を取り巻く状況について、具体的に語り尽くす「もう一つの台湾史」。巻末にはたいへん有益な「台湾映画の主要な潮流と代表作」を収録。台湾史研究に新たな一石を投じる貴重な書。

目次

 序章 健康写実映画からニューシネマへ 
 台湾映画の基礎を築いた台湾語映画《一九五〇年代》
「健康写実映画」で中影の指導的地位確立《一九六〇年代》
 抗日愛国映画で台湾社会の挫折感癒す《一九七〇年代》
 ニューシネマは改革指向?《一九八〇年代〜戒厳令解除まで》
第一章 中央電影と台湾映画の盛衰
 戦後中国映画としてスタートした台湾映画《一九四九〜一九六二年》
 黄金時代に地位を固めた中影《一九六三〜一九七二年》
 「国族主義(中華民国のナショナリズム)」再構築《一九七二〜一九八三年》
 遅きに失したニューシネマ《一九八二〜一九八九年》
 ポスト・ニューシネマ期の台湾映画の変容《一九九〇〜一九九六年》
 歴史に見捨てられ、地球から姿を消す台湾映画《一九九六〜二〇〇五年》
第二章 ニューシネマと台湾の政治改革
 改革の潮流から生まれたニューシネマ
 低予算、新人監督、素人を起用
 改革に関心示さぬニューシネマ
 反対勢力の圧力で自己規制
第三章 台湾映画の中のエスニックグループ像
 ブームの発端となった『坊やの人形』
 外省人第二世代の成長過程を記録した『少年』
 『童年往事』は第三世代の台湾経験
 『牯嶺街少年殺人事件』と眷村意識
 『悲情城市』に見るエスニックグループ衝突の歴史
 華族による原住民差別突いた『超級公民』
 エスニックグループ融合の未来を暗示する『きらめきの季節』

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定価:2,640円
(本体2,400円+税10%)
在庫:品切れ・重版未定