1,4-ジオキサン

1,4-ジオキサン

著者名 NEDO技術開発機構
産総研化学物質リスク管理研究センター
中西 準子 監修
牧野 良次
川崎 一
発行元 丸善出版
発行年月日 2005年02月
判型 B5 257×182
ページ数 208ページ
ISBN 978-4-621-07518-0
Cコード 3343
ジャンル 化学・化学工学

内容紹介

ヒトや生態系に対するリスクが顕在化、または予測される化学物質について、科学的データに基づきそのリスクを評価した結果をまとめたシリーズ。行政、企業、市民などが化学物質管理の方策を考える際に必要な科学的基礎情報を豊富に呈示。第2巻目となる本書は、抽出・精製・反応用溶剤として広く用いられている1,4-ジオキサンを取り上げる。

目次

要約
 1.はじめに
 2.排出量
 3.環境動態
  3.1 分解
  3.2 生物濃縮
  3.3 分配
 4.環境媒体中濃度モニタリング結果
 5.暴露評価
 6.有害性評価
  6.1 非発がん影響について
  6.2 発がん影響について
  6.3 定量的有害性評価の考え方
 7.リスク評価
第I章 序論
 1.はじめに
 2.物性
 3.生産方法,生産量,輸出/輸入
  3.1 生産方法
  3.2 生産量
  3.3 輸出/輸入
 4.主たる用途
 5.既往リスク評価のレビュー
  5.1 既往リスク評価のまとめ
  5.2 各リスク評価のレビュー
   5.2.1 ECB
   5.2.2.NICNAS
   5.2.3 化学物質評価研究機構
   5.2.4 環境省
 6.関連法規など
第II章 排出量
 1.はじめに
 2.PRTR集計結果による排出
  2.1 対象業種届出事業所からの排出量
   2.2.1 業種別排出量・移動量
   2.2.2 地域別排出量・移動量
  2.2 対象業種届出外事業所からの排出量
 3.界面活性剤排出に付随する1,4-ジオキサンの排出
  3.1 界面活性剤生産における1,4-ジオキサンの副生成機構  
  3.2 既存文献における副生成の評価
  3.3 1,4-ジオキサン副生成量の試算
 4.廃棄物埋立処分場からの排出
 5.本章の要約
第III章 環境動態
 1.はじめに
 2.水中での分解
  2.1 加水分解
  2.2 微生物分解
  2.3 オゾンによる分解
 3.大気中での分解
  3.1 光分解
  3.2 光酸化
 4.生物濃縮性
 5.環境中での分配
  5.1 ヘンリー定数
  5.2 オクタノール/水分配係数
  5.3 土壌吸着係数
  5.4 フガシティモデルによる定常状態での環境中布の予測
 6.本章の要約
第IV章 環境媒体中濃度モニタリング結果
 1.はじめに
 2.大気環境中濃度
 3.水環境中濃度
  3.1 河川
  3.2 地下水
  3.3 事業所排水
  3.4 下水処理場および事業所における水処理施設
   3.4.1 下水処理場
   3.4.2 事業所における水処理施設
  3.5 水道原水と浄水
  3.6 海外の飲料水中濃度
  3.7 廃棄物最終処分場からの浸出水
 4.食品中濃度
 5.消費者製品中濃度
  5.1 国内既存測定データ
  5.2 海外既存測定データ
  5.3 現在わが国で市販されている洗剤製品中1,4-ジオキサン濃度の測定結果
 6.暴露評価への含意
 7.本章の要約
第V章 暴露評価
 1.はじめに
 2.大気中濃度の推定
  2.1 AIST―ADMERによる濃度予測
  2.2.METI―LISによる濃度予測
 3 .一般の集団に対する暴露量の推定
 4 .本章の要約
第VI章 有害性評価
 1.はじめに
 2.有害性プロファイル(概要)
  2.1 非発がん影響
   2.1.1 急性毒性
   2.1.2 刺激性および感作性
   2.1.3 反復投与毒性
  2.2 発がん性
   2.2.1 ヒトデータ
   2.2.2 動物試験データ
  2.3 発がん性メカニズム
   2.3.1 遺伝毒性
   2.3.2 イニシエーション活性/プロモーション活性
   2.3.3 細胞障害性/細胞増殖性
  2.4 体内動態および代謝
 3.有害性評価の状況
   3.1 WHO飲料水中基準値(案)(WHO,2003)
   3.1.1 非発がん影響評価
   3.1.2 発がん性評価
   3.1.3 発がん性に関する定量的評価
  3.2 環境省
   3.2.1 非発がん影響評価(環境省,2003b)
   3.2.2 発がん性評価(中央環境審議会水環境部会環境基準康項目専門委員会,2004)
  3.3 厚生科学審議会生活環境水道部会水質管理専門委員会(2003)
   3.3.1 非発がん影響評価
   3.3.2 発がん性評価
  3.4 欧州連合(ECB,2002)
   3.4.1 非発がん影響評価
   3.4.2 発がん性評価
   3.4.3 発がんメカニズムに関する見解
  3.5 オーストラリア(NICNAS,1998)
   3.5.1 非発がん影響評価
   3.5.2 発がん性評価
   3.5.3 発がんメカニズムに関する見解
  3.6 アメリカ(ATSDR,1996)
   3.6.1 非発がん影響評価
   3.6.2 発がん性評価
   3.6.3 発がんメカニズムに関する見解
   3.6.4 発がん性に関する定量的評価
  3.7 ドイツ化学会(BUA,1991)
   3.7.1 非発がん影響評価
   3.7.2 発がん性評価
   3.7.3 発がんメカニズムに関する見解
  3.8 その他の機関による発がん性評価
   3.8.1 アメリカNIH/NIEHS/EHP(NIH/NIEHS/EHP,2002)
   3.8.2 アメリカEPA(IRIS,1997)
   3.8.3 ドイツ連邦労働衛生研究所(BAA,2001)
   3.8.4 WHO/IARC(1999)
  3.9 定量的発がん性評価に関する公表論文
   3.9.1 Stickney,et al.(2003)による評価
   3.9.2 Leung & Paustenbach(1990)による評価
   3.9.3 Reitz,et al.(1990)による評価
 4.発がん性評価における論点
  4.1 発がん性
  4.2 代謝
  4.3 遺伝毒性
  4.4 発がんメカニズム
  4.5 定量的発がん性評価の比較
 5.CRMの見解
  5.1 非発がん性影響について
  5.2 発がん影響について
  5.3 定量的発がん性評価の考え方
第VII章 リスク評価
 1.はじめに
 2.一般の集団
 3.高暴露群
  3.1 事業所A近傍
  3.2 事業所B近傍
第VIII章 レビューアーの意見書と筆者らの対応
 森澤眞輔レビューアーの意見書と筆者らの対応(対象:全文)
 浅見真理レビューアーの意見書と筆者らの対応(対象:全文)
 松尾昌秊 レビューアーの意見書と筆者らの対応(対象:有害性評価)
 三森国敏レビューアーの意見書と筆者らの対応(対象:有害性評価)
 今井田克巳レビューアーの意見書と筆者らの対応(対象:有害性評価) 
付録A 1,4-ジオキサンの有害性プロファイル
 1.体内動態および代謝
 2.非発がん影響
  2.1 ヒトデータ
  2.2 動物試験データ
   2.2.1 急性毒性
   2.2.2 刺激性,感作性
   2.2.3 反復投与毒性/長期毒性
   2.2.4 生殖発生毒性
   2.2.5 免疫毒性
   2.2.6 神経毒性
 3.発がん性
  3.1 ヒトデータ
  3.2 動物試験データ
  3.3 遺伝毒性
 4.発がんメカニズム
  4.1 イニシエーション活性/プロモーション活性
  4.2 細胞障害性/細胞増殖性
  4.3 その他
付録B 1,4-ジオキサンの下水処理場における除去率について
 1.はじめに
 2.調査内容
  2.1 調査対象処理場の概要
  2.2 サンプリング
  2.3 分析方法
   2.3.1 水試料
   2.3.2 大気試料
   2.3.3 汚泥試料
  2.4 物質収支および除去率の推定
 3.結果
  3.1 測定結果
  3.2 物質収支の評価
   3.2.1 流入量(図B-1のI)
   3.2.2 大気への揮散量(V1,V2)
   3.2.3 放流量(Ef)
   3.2.4 汚泥の引抜に伴う移動量(Ex1,R3)および脱水ケーキに伴う系外への移動量(Dc1)
   3.2.5 濃縮槽・脱水機からエアレーション沈砂池への還流水に伴う負荷量(R1)および返送
         汚泥に伴う負荷量(R2)
  3.3 物質収支および除去率
 4.考察
  4.1 物質収支および除去率について
  4.2 流入下水中濃度の変化と除去率
参考文献
あとがき

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