情報科学のための理論言語学入門
著者名 | 畠山 雄二 著 |
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発行元 | 丸善出版 |
発行年月日 | 2004年12月 |
判型 | A5 210×148 |
ページ数 | 166ページ |
ISBN | 978-4-621-07512-8 |
Cコード | 1055 |
ジャンル | 電気・電子・情報工学 > 情報・コンピュータ |
内容紹介
好評既刊『情報科学のための自然言語学入門』では脳内にある12個の文法ソフトウェアのうちの一つ、X’理論に焦点をあてながら言語獲得の問題について考えた。続編である本書では残りの11個の文法ソフトウェアを紹介しながら、実際に自然言語の様々な話題の謎解きをしていく。具体的に言語現象を一つの理論的枠組みの中で説明していく中で、自然言語の科学的分析とはいかなるものかについて考察。前著と本書で、脳内文法のメカニズムの全貌が明らかとなる。
目次
1 『情報科学のための自然言語学入門:ことばで探る脳のしくみ』を振り返る
1 はじめに
2 1章:「なんでだろう?脳が勝手に判断してしまう!」
3 2章:「科学とは?理論とは?理論言語学とは?」
4 3章:「自然言語の統語構造」
5 4章:「句構造規則」
6 5章:「X'理論」
7 6章:「X'理論の妥当性を検証する」
8 7章:「ことばの獲得」
9 8章:「言語獲得のなぞを解く」
10 9章:「外国語の取得と言語の系統発生」
11 10章:「理論言語学から複雑系へ、そして人工知能へ」
12 まとめ
2 移動操作とコピー理論
1 はじめに
2 何かが動くと何かが残る
3 want to:「ウォントゥ」と「ワナ」
4 まとめ
3 移動操作に課せられる制約
1 はじめに
2 主語は島を形成する
3 目的語は島を形成しない
4 島の効果をX'理論で説明する
5 まとめ
4 文の構造:X'理論のパワーを再確認する
1 はじめに
2 X'式型のバージョンアップ
2.1 X'式型にwh疑問分を取り込む
2.2 モノがあるということは、場所があるということ
2.3 倒置したdoはどこにある?
2.4 Xの可能性を絞り込め!
2.5 埋め込まれた文からXを特定する
2.6 Xは補文標識Cだ!
2.7 日本語と英語の構造の違い
2.8 Cは文のタイプを決定している
3 まとめ
5 言語獲得と言語障害:脳から見ることばの仕組み
1 はじめに
2 文の基本構造:自然言語の構造に見られるフラクタル性
3 文構造の構築と崩壊
4 脳生理学から見た理論言語学
6 日本「語」の構造
1 はじめに
2 語の内部構造
3 語の大黒柱は右端にある
4 語の中に統語論を見る
5 語の中に意味論を見る
6 語の中に句を見る
7 まとめ
7 動詞のシステム:自動詞から自然言語のメカニズムを探る
1 はじめに
2 自動詞のクラス分け:真性自動詞と疑似自動詞
3 結果構文:疑似自動詞の主語=他動詞の目的語
4 名詞の中の真性自動詞と疑似自動詞
5 まとめ
8 日本語活用変化から言語システムのメカニズムを探る
1 はじめに
2 科学とは何をどうすることか?
3 日本語活用変化の科学的分析
4 *CC:日本語の音体系
5 活用変化の中に潜む科学性
5.1 「終止形・連体形・仮定形」のブロック
5.2 「連用形・未然形」のブロック
5.3 「命令形」のブロック
5.4 定説から新説へ:日本語活用変化のもう一つの顔
6 「ら抜き言葉」は言葉を乱しているのか?
7 開いた系としての言語システム
8 音便:*CCに問題はないのか?
9 科学理論の仮説には書き方がある
10 まとめ