内容紹介
優れた医学教育によって全米に名を馳せるJefferson Medical Collegeの名誉教授Paul Cutler博士による、豊富な臨床経験と臨床疫学・医療決断学の深い知識を背景に、いかに患者の訴える複雑な、あるいは医師の考えを誤った方向に導きやすい症候から正しい診断への手がかりを見分け、問題解決に導けるのかを見事に具現した書の初翻訳版。 本書は２部構成で、 「第１部 問題解決のプロセス」では診断・問題解決の思考プロセスを総論的説明。 「第２部 実例での問題解決」では86の症例を挙げて、思考のプロセスを各論的に説明。 病院実習、研修医が一番知りたい「（症例）問題への取り組む方」を丁寧に、わかりやすく記述。 各症例ごとに「問題」と「解答」が付されており、医学生、研修医はもちろん、すべての臨床医に一度は読んで欲しい名著の翻訳である。
目次
第１部 問題解決のプロセス
第１章 症状の分析
第２章 データ収集，データ処理，問題の列挙
第３章 問題解決法
第４章 手がかり：ブロックの構成
第５章 データ分析スキル
第６章 臨床ツール
第７章 数字と医師
第８章 検査の利用法
第９章 新技術による影響
第10章 問題解決者の心理
第11章 患者から診療録へ
第２部 実例での問題解決
序文
第12章 血液
症例１ 脱力感と関節痛
症例２ 症状のない軽度の貧血
症例３ 歯肉出血と紫斑
症例４ 虚脱感と昏迷
症例５ 家族の問題
症例６ 咳，発熱，そして倦怠感
症例７ 頸部の腫瘤
症例８ ヘマトクリット上昇
症例９ 背痛，脱力感，鼻血
症例10 黄疸，脱力感，蒼白
症例11 下肢痛
第13章 内分泌
症例12 甲状腺結節
症例13 糖尿
症例14 倦怠感，不安，多汗
症例15 肥満と多毛
症例16 神経過敏と体重減少
症例17 多尿と口渇
症例18 高カルシウム血症
症例19 複雑な錯乱
症例20 無月経と乳汁漏出
症例21 筋力低下と体調不良
症例22 脂肪の問題
第14章 心血管系
症例23 異常心電図
症例24 強い胸骨下の締めつけ
症例25 収縮期雑音
症例26 高血圧
症例27 労作性呼吸困難
症例28 昏睡とＴ波反転
症例29 鋭い胸痛
症例30 腫脹した両下肢
症例31 動悸
症例32 傾眠と腫脹した両下肢
第15章 呼吸器系
症例33 胸部Ｘ線写真上の異常
症例34 喘鳴と呼吸困難
症例35 咳嗽と喀血
症例36 咳嗽，発熱，悪寒戦慄
症例37 発作性呼吸困難
症例38 胸痛と呼吸困難
症例39 慢性咳嗽と喀痰
症例40 悪化する呼吸困難
症例41 喘鳴，咳，発熱，呼吸困難
第16章 消化器
症例42 嚥下の障害
症例43 消化不良
症例44 下痢と体重減少
症例45 急性発症の上腹部通
症例46 痛みのない黄疸
症例47 黄疸と痛み
症例48 下腹部痛
症例49 腹部膨満
症例50 黒色便
症例51 吐血と呼吸困難
症例52 疝痛と悪心
症例53 発熱，意識障害，アルコール
症例54 下痢と発熱
第17章 腎・電解質
Ａ.腎臓
症例55 血尿
症例56 頻回で痛みを伴う排尿
症例57 鋭い側腹部痛
症例58 顔と下肢の浮腫
症例59 昏睡と乏尿
症例60 嘔気，衰弱，意識混濁
Ｂ．電解質
症例61 倦怠感と心電図異常
症例62 衰弱と見当識障害
第18章 婦人科
症例63 月経の遅れ
症例64 急性腹症
症例65 不正性器出血
症例66 乳房腫瘍
第19章 筋骨格系
症例67 痛く膨れた関節
症例68 肩の痛み
症例69 痛くて硬直した関節
症例70 腰痛
第20章 神経学
症例71 頭痛
症例72 めまい
症例73 痙攣
症例74 麻痺
第21章 高齢者
症例75 尿失禁
症例76 夜間多尿と頻尿
症例77 認知症，抑うつ
症例78 勃起障害
症例79 転倒
第22章 多系統にまたがる医学的問題
症例80 衰弱，体重減少，食欲不振
症例81 百面相
症例82 失神発作
症例83 異常行動
症例84 全身倦怠感
症例85 突然の昏睡
症例86 遷延する発熱
付録：最終診断
