ごみ有料化

ごみ有料化

著者名 山谷 修作
発行元 丸善出版
発行年月日 2007年04月
判型 A5 210×148
ページ数 244ページ
ISBN 978-4-621-07854-9
Cコード 3036
NDCコード 518
ジャンル 社会科学 >  社会科学一般

内容紹介

ごみの公共政策の分野における第一人である著者が、ここ数年間にわたるフィールドワーク、各種団体等への大規模アンケート調査に基づいて、とくに「ごみ有料化」というアプローチから、ごみ削減問題を多面的に深く考察する、待望された書。循環型社会を目指した地方自治体の公共政策手法は多様化してはきているが、未だ決定打がない一方、従来から行われてきたいわゆる「規制的手法」には限界が見え始めてきている。そこで筆者が中心となり文科省「ごみ減量のための公共政策提言」プロジェクト(2002年~)が立ち上げれ、「奨励的手法」や「経済的手法」がごみ減量にかなり効果のあることが、様々なフィールドワークから実証的に明らかにされつつある。本書では国内外の実際に「永続的・有効的効果」をあげているごみ減量の試みの中から、とくに「ごみ有料化」をクローズアップしながら、これからの「効果的ごみ行政のあり方」を提示していく。

目次

第1章 家庭ごみ有料化施策の展開
 1.家庭ごみ有料化の意義
 2.有料化をめぐる近年の政策動向
 3.都道府県による市町村の有料化への支援策
 4.有料化の制度設計上の課題
 5.有料化にあたっての取り組み課題
 6.有料化によってもたらされたもの―指定袋のダウンサイジングによるごみ減量―
 7.有料化施策を成功に導くプロセス
第2章 家庭ごみ有料化の実施状況
 1.これまでの有料化全国調査
 2.直近の全国都市有料化実施状況
 3.全国町村の有料化実施状況
 4.全国市町村の都道府県別有料化状況
 5.手数料制度の特徴―第2回調査から―
第3章 有料化の目的と制度運用―第2回全国都市家庭ごみ有料化アンケート調査から(1)―
 1.有料化の目的
 2.有料化時の制度変更
 3.有料化時の併用施策の導入
 4.手数料収入の使途と運用
 5.手数料の設定方法
第4章 有料化の効果と制度運用上の工夫―第2回全国都市家庭ごみ有料化アンケート調査から(2)―
 1.有料化によるごみ減量効果
 2.有料化で不法投棄は減ったか
 3.有料化都市における制度運用上の留意点と工夫
 4.非有料化都市による有料化の評価と予定
第5章 韓国ソウル市の家庭ごみ有料化
 1.韓国のごみ収集・処理事情
 2.全国一斉のごみ有料化
 3.ソウル市の家庭ごみ有料化
 4.有料制と併行して実施された施策
 5.わが国への参考点
第6章 高い手数料水準での有料化―北海道十勝地域での有料化の実践―
 1.北海道十勝地方の有料化実施状況
 2.中札内村の家庭ごみ有料化
 3.帯広市の家庭ごみ有料化
 4.まとめ
第7章 超過量方式の有料化―高山市と佐世保市の取り組み―
 1.高山市のシール制運用の取り組み
 2.佐世保市の二段階有料制の取り組み
第8章 多摩地域における有料化の伝播
 1.多摩有料化の特徴
 2.先駆した青梅市の戸別収集・有料化
 3.福生市・羽村市への波及
 4.大きな減量効果を上げた日野市有料化
 5.戸別収集によらない清瀬市のスキーム
 6.プラスチックを分別有料収集する昭島市
 7.手数料収入を基金で運用する東村山市
 8.有料化スキームの伝播
第9章 八王子市の有料化への取り組み
 1.「幻の有料化」
 2.態勢整え再度有料化に挑む
 3.異色の手数料設定方法
 4.ごみ減量とリサイクル推進の効果
 5.手数料収入の使途
 6.今後の取り組み課題
第10章 有料化の制度設計に取り組んだ町田市審議会
 1.有料化審議以前の経緯
 2.有料化を検討する審議会の始動
 3.第一関門となった委員アンケートのとりまとめ
 4.制度検討のための情報収集
 5.有料化の是非に関する委員意見の集約
 6.市民意見の反映
 7.審議会で設計された町田市の有料化制度
 8.リバウンド防止策の提言と取り組み状況
 9.有料化による減量効果
 10.今後の課題
第11章 ごみ減量化とヤードスティック競争―多摩地域でのごみ減量の推進力―
 1.はじめに
 2.ヤードスティック競争の仕組み
 3.ごみ減量のヤードスティック方式
 4.ごみ減量ヤードスティック競争と家庭ごみ有料化
 5.おわりに
第12章 戸別収集の効果とコスト
 1.戸別収集に対する市民のアクセプタンス
 2.各区モデル事業での戸別収集の効果
 3.福生市戸別収集の減量効果
 4.戸別収集による経費増
 5.戸別収集運用上の課題
第13章 不法投棄・不適正排出対策
 1.不法投棄に対する受け止め方
 2.不適正排出の類型と対策
 3.不法投棄・不適正排出防止への取り組み
 4.集合住宅の不適正ごみ対策
 5.おわりに
第14章 事業系ごみ対策と公企業の役割
 1.はじめに
 2.地方自治体による事業系ごみ対策
 3.公社による事業系ごみ対策の一元化:札幌市のケース
 4.まとめ
本書のベースとなった発表論文

定価:2,420円
(本体2,200円+税10%)
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