液クロを上手につかうコツ

液クロを上手につかうコツ

誰も教えてくれないノウハウ
著者名 中村 洋 監修
発行元 丸善出版
発行年月日 2004年09月
判型 B5 257×182
ページ数 224ページ
ISBN 978-4-621-07453-4
Cコード 3043
NDCコード 433
ジャンル 化学・化学工学 >  分析化学 >  機器分析

内容紹介

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析をツールとする利用者向けの、コツ・ノウハウをまとめた実用書。日常のHPLC分析で、日々遭遇するさまざまなトラブルの解決にどれたけ苦労し、またどれだけの時間が割かれていることであろうか。そんな局面に、効率的に立ち向かうための実験上のポイントをわかりやすく解説。コツの習得には知識と経験が不可欠。本書をもとに自らの工夫を凝らし、自分流のコツを熟成し、実際に役立つコツを身につけられる。

目次

第I部 液クロ準備編
 1章 概論
  コツの本質
  コツの習得
  試料前処理のコツ
  装置選定のコツ
  カラム分離のコツ
  検出法のコツ
 2章 試料前処理のコツ
  前処理の基礎知識
   前処理の必要性/理想的な試料前処理法/代表的前処理法について
  固相抽出法実施にあたってのコツ
   試料前処理を検討する前に/固相の種類/固相の選択方法/逆相固相抽出法におけるトラブルの原因/逆相固相抽出法にけるトラブルの改善方法
 3章 試薬・溶媒選定のコツ
  試薬・溶媒のグレード
  移動相に用いる有機溶媒のグレードの違いと選択
  試薬・溶媒の用途
  使用目的別試薬・溶媒選択
   移動相用有機溶媒/試料溶媒/緩衝液用試薬/イオン対試薬/誘導体化試薬
 4章 溶離液調製のコツ
   使用する試薬・溶媒について
    紫外吸収/安定剤/その他
   混合・調製方法について
    有機溶媒―水系の場合/有機溶媒―緩衝液の場合/緩衝液の調製方法
   保管容器について
  溶離液の寿命
  溶離液の表示
 5章 装置選定のコツ
  導入時の留意点―汎用HPLCの高い完成度のもとで
   主力HPLCモデル名と主要なコンセプト・価格・費用/まだまだ流行の“ワークステーション”/バカにならない修理費対策
  最新のセミミクロLC,キャピラリーLC,LC/MS
  HPLCを初めて導入する場合
  HPLCメーカー,代理店の新人営業マン諸君に
  私が忌避するメーカー
 6章 カラム選定のコツ
  分離モードについて
   順相クロマトグラフィー/逆相(分配)クロマトグラフィー/親水性相互作用クロマトグラフィー/イオン交換クロマトグラフィー/サイズ排除クロマトグラフィー
  逆相カラムの基礎知識
   逆相カラム充填剤担体と使用条件/ピークテーリングの原因について/ピークテーリングの対策について  
 7章 液クロにおけるバリデーションのコツ
  バリデーション概略
  HPLCシステム(モジュール別)のバリデーション概略
  バリデーションのための参考資料の入手およびSOPの作成のコツ
  各モジュールのバリデーション項目の詳細
   ポンプ/オートサンプラー/カラムオープン/検出器(UV検出器)/データ処理装置
  HPLCシステムのシステム適合性試験  
第II部 液クロ分離編
 8章 逆相分離のコツ
  逆相(分配)クロマトグラフィーの特徴
  逆相クロマトグラフィーの選択性に影響を与えるファクター
   固定相/測定対象成分/移動相
  逆相イオン対クロマトグラフィーにおける注意点
 9章 順相分離のコツ
  順相とは
  順相分離に用いられる固定相と移動相
   固定相/移動相
  順相分離のコツ――メソッド開発・操作上の注意点
   順相分離はどのような場合に適用すればよいか/順相分離特有のトラブルにはどのようなものがあるか/測定条件切り替え時に注意することは何か/有機溶媒の取り扱い時の注意点は何か
  光学異性体の分離
 10章 イオン変換分離のコツ
  イオン交換クロマトグラフィーの基礎
  応用例
   pHグラジエントを用いたアミノ酸の測定例/溶離液への有機溶媒の増加/イオン交換基の違い/緩衝液の分離/生体高分子の分離 
 11章 サイズ排除分離のコツ
  サイズ排除クロマトグラフィーの分離原理
  標準試料と分子量計算
  カラムの選択方法
  溶媒の選択方法
   有機系SEC/水系SEC
  ちょっとしたコツ
   ピークでないピーク(較正曲線のひずみ)/オリゴマー領域の較正曲線(較正曲線)/ゴーストピーク(溶媒の安定性)/雨の日のSEC測定(溶離液溶存水分)/脱気してはいけない話(溶存ガスと屈折率)/台風とRI検出器(気圧と屈折率)/流速の変化(送液ポンプ)/高分子は切れやすい(試料調整法)/濃度効果による分子量の低下(試料濃度)/カラムの使用耐圧(カラムの取扱い)
第III部 液クロ検出・解析編
 12章 吸光度検出器を使うコツ
  吸光度検出器の光学系の構造
  検出波長の決め方
  有機化合物の構造と吸収波長との関係
  測定可能な吸光度の上限
  吸光度検出器の機種・機体間における感度差
  移動相溶液の流量と吸光度検出器の感度との関係
  移動相中の溶存空気が吸光度検出器のベースラインに与える影響
  試料溶液中の溶存空気がクロマトグラムに与える影響
  溶液の屈折率の影響
  室温の変化が吸光度検出の測定結果に与える影響
  グラジエント溶離におけるゴーストピーク
  フォトダイオードアレイ検出器の特徴
  トラブルシューティング
   SN比が悪くなる原因/ベースラインのドラフト/光源ランプの交換時期/フローセルの汚れ
 13章 蛍光検出器を使うコツ
  蛍光検出とは
  発蛍光性と化合物の構造との関係
  蛍光検出器の光学系
  励起波長と蛍光波長の関係
  励起波長と蛍光波長の決め方
  蛍光検出の一般的な感度
  蛍光検出器の感度を左右する要因と感度の評価方法
  蛍光検出の感度に及ぼす移動相の溶存空気量の影響
  蛍光検出の感度に及ぼす室温変化の影響
  ポストカラム誘導体化を伴う蛍光検出
  高温(100℃以上)でのポストカラム誘導体化の注意点
  トラブルシューティング
   SN比の低下/免責地のばらつきが大きく,再現性がない/クロマトグラム上に針状またはのこぎり状のノイズが発生
 14章 電気化学検出器を使うコツ
  検出原理
   印加電圧
  検出器の構造
   作用電極/作用電極のサイズ/参照電極/セルブロックのスペーサー/補助電極
  検出モード
   直流モード/パルスモード/パルス条件の最適化/スキャンモード
  システムの構成
   HPLC送液ポンプ/移動相の脱気/恒温槽/室温/アース/電源/検出器ノイズのフィルター/適切な時定数
  システムの準備,測定
   HPLCシステムの洗浄/カラムの洗浄/逆相系の場合の例/分析開始後のポイント/検出器の停止
  メンテナンス
   作用電極/グラッシーカーボン/金属作用電極/参照電極/補助電極/カラムの交換/トラブルシューティング
 15章 LC/MSのコツ
   試料前処理のコツ
    LCカラムを使用しない測定/LCカラムを使用する測定
   溶離液選択のコツ
    有機溶媒/緩衝液/順相LC用溶媒
   チューニング最適化のコツ
    電圧系のチューニング/温度やガス量の調整/ハードウェア系の調節
   スペクトル解析(分子量決定)のコツ
    付加イオンの利用/分子量関連イオンを観測するコツ
   構造解析のコツ
   定量分析のコツ
    内部標準物質の必要性/内部標準物質の種類/付加イオンの利用/マスクロマトグラムの利用
   配管接続のコツ
    1/16インチユニオンとフェーズドシリカとの接続/フェーズドシリカどうしの接続/マイクロシリンジと1/16インチユニオンとの接続
   メンテナンスのコツ
    イオン源の分解・洗浄/排気系メンテナンス
 16章 データ整理・解析のコツ
   データ処理装置の概要
   データ取り込みのコツ
   ピーク検出のコツ
   ベースライン処理のコツ
    ベースラインN法/ピークの分割方法/マニュアルベースライン補正/スムージング
   不分離ピークの算術的分離法(ピークデコンボリューション)
   定量計算のコツ
   デーータ整理を上手に行うために

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