内容紹介
コンビナトリアルとは"組合せ"という意味で、一度にきわめて多くの化合物を極微量合成して、そのなかから目的のものを選ぶという画期的な手法である。コンビナトリアルテクノロジーは、薬物などの有機合成をルーツに、各種の物質・材料さらには固体素子などの機能製品にいたる、あらゆる「ものづくり」のスタイルを革新する技術である。未来の物質・材料研究を支配するパワーを秘めており、レーザー、ゲノム、MEMS(micro electro mechanics system)、ナノ、走査ブローブなどの最新実験技術と、計算機の高度利用とを総合的に組み合わせる21世紀のキーテクノロジーとして注目を集めている。本書は、触媒やポリマーを含む固体物質・材料分野に焦点を絞ったコンビナトリアルテクノロジーの入門書であり、技術の基本的な考え方・方法を紹介し、最新の研究事例を多数収録。
目次
1 もの作りの技術革新:コンビナトリアルテクノロジー
1.1 はじめに
1.2 もの作りの基本的スキーム
1.3 集積化によるもの作り技術革新
1.4 固体材料のコンビナトリアルテクノロジー
1.5 コンビナトリアル材料科学技術の研究状況
1.6 今後の展望
参考資料
2 マイクロケミカルテクノロジー
2.1 マイクロチップケミストリー
2.2 無機と有機のナノハイブリット技術
3 コンビナトリアルテクノロジー概論
3.1 コンビナトリアル合成
3.2 ハイスループット評価
3.3 コンビナトリアル計算科学
4 コンビナトリアル装置開発
4.1 合成装置
4.2 評価装置
5 ソフトウェア開発
5.1 LabVIEWコントロール
5.2 コンビナトリアルマスキング技術
6 物質・材料コンビナトリアル開発の実際
6.1 新合成手法
6.2 評価新手法
6.3 光機能材料
6.4 電子機能材料
6.5 磁気機能
6.6 化学機能
7 マテリアルインフォマティクス
7.1 マテリアルインフォマティクスの考え方
7.2 仮想試料ライブラリーによる多次元データ管理
7.3 仮想試料ライブラリーとリレーショナルデータベースの活用
8 世界のコンビナトリアル材料研究の現状と今後
8.1 米国におけるコンビナトリアル材料研究
8.2 EUヨーロッパ連合におけるコンビナトリアル材料研究
8.3 日本
8.4 その他の国々
8.5 コンビナトリアルテクノロジーに関する国際共同研究
8.6 コンビナトリアルテクノロジーの市場
8.7 おわりに