内容紹介
オゾンホール、観測船しらせ、昭和基地等々、南極についてのキーワードは誰もが知るところであるにもかかわらず、その詳細についてはほとんど知られていない――本事典は、極地研の研究者、さらには外部研究者が、南極・北極の知られざる姿を、基礎から先端項目まで、50音配列の中項目主義(157項目収録)で、平易な文章でビジュアルに構成するこの分野の事典。珍しい写真・図版多数収録。巻末付録にはたいへん役立つ「南極探険歴史年表」「北極探険歴史年表」を掲載。
目次
見出し語の分類
I.超高層
オーロラの物理/オーロラの観測手法/地磁気変動/地磁気脈動/ELF/VLF自然電波/オーロラ電波/沿磁力線電流/極冠帯/プラズマ圏/磁気圏/磁気嵐/太陽風/電離圏/中層大気/熱圏/重力波と大気大循環/大気潮汐波/非干渉性散乱レーダー/宇宙線/赤外・サブミリ波・ミリ波天文/惑星のオーロラ
II.大気科学
極値の寒さ―地球の冷源/極域と低緯度をつなぐ大気循環/極域の大気循環/中層大気/接地逆転層とカタバ風/温室効果気体/エアロゾル/オゾンホール/雲と降水,雪結晶/極域のアルベド/極域の水循環/大気光学現象/ブリザード/雪氷圏の化学/衛星リモートセンシング/地球温暖化と極域/北極振動/皆既日食
III.雪氷
氷床掘削/雪氷圏/氷床/極値氷河/氷床内部構造/白瀬氷河/サスツルギーとデューン/海水準変動/積雪/氷床下の湖/棚氷と氷山/クレバス
IV.極域海洋
海氷変動/深層循環/南大洋/ポリニア/海氷
V.地学
南極の氷下地形/極値の大陸棚/ドライバレー/南極隕石/南極宇宙塵/南極とゴンドワナ大陸/ナピア岩体と大陸の形成/南極プレート/南極の地震観測と地殻構造/昭和基地の地球物理観測/南極の鉱物資源/南極の火山
VI.海洋生物
海洋生態系/海洋炭素循環/生物地球化学/アイスアルジー/一次生産(=基礎生産)/植物プランクトン/動物プランクトン/オキアミ/底生生物/魚類/飛翔性海鳥類/ペンギン/アザラシ/鯨/海洋動物の行動/陸上生態系/コケ類/海氷生態系
VII.陸上生物
ツンドラ/湖沼生態系/種子植物/淡水藻類/地衣類/露岩域の動物相/トビムシ(Collembola)/ユスリカ(Chironomidae)/ダニ(Acari)/線虫類,ワムシ類,原生動物/菌類/細菌類/植物の繁殖/生理生態/クマムシ類
VIII.設営
雪上車/航空機/犬そり/極値の装備/食糧/内陸旅行の航法/通信手段/極値の病気と傷害/ポーラーテント/内陸旅行観測/建築/燃料とエネルギー/砕氷船と輸送/環境保全/宗谷/ふじ/しらせ
IX.観測基地
昭和基地/ドームふじ基地/極点基地/マクマード基地/ニーオルソン北極観測基地/氷島観測
X.環境
氷床コアによる気候環境の復元/ハインリッヒイベント/氷河・氷床変動
XI.北極
永久凍土/北極海/北極海へ注ぐ大河川/民族/北極の陸上動物
XII.極地の歴史
南極大陸探検史/北極の探検史/IGY/日本南極観測史/南極内陸調査史/南極点往復旅行/南極条約/スバルバール条約/北西・北東航路の探検史/フラム号探検/南極研究科学委員会/国際北極科学委員会(IASC)/南極の地名
XIII.人名
スコット/アムンセン/シャクルトン/バード/白瀬矗/永田武/西堀榮三郎/ナンセン/フランクリン/ノルデンショルド/中谷宇吉郎
総論
南極とは/北極とは
付録
付録A 南極探検歴史年表
付録B 北極探検歴史年表