内容紹介
1冊ですべてのラボワークに対応できる。組換えDNA実験をもっとも効果的に、失敗なく行うための座右のマニュアル。新版では新しい知見を取り入れ、現在使われている方法、信用できるキットを使った方法を、初心者が読んで実験できるようにまとめた。プロトコールどおりに行ってうまくいかない場合のチェックポイントについても述べている。第I部に技術の基本となる必須の操作法を、第II部に遺伝子操作の基本技術・応用技術を記している。
目次
1 序論
1 遺伝子工学の展開とバイオサイエンス
2 遺伝子工学の方法論
3 遺伝子操作実験の心構え
2 実験の安全と器具・試薬
1 安全
2 滅菌と消毒
3 器具
4 試薬類
第I部 基本操作
3 除タンパク質,濃縮,緩衝液交換
1 水飽和フェノールの作り方
2 フェノール・クロロホルム抽出
3 エタノール・イソプロパノール沈殿
4 その他の濃縮法
5 ゲル濾過法
6 透析
4 電気泳動
1 アガロースゲル電気泳動
2 ポリアクリルアミド電気泳動
3 ゲルからのDNAの抽出
5 核酸(DNA及びRNA)の定量法
1 光学的方法(核酸の紫外吸収を利用したもの)
2 電気泳動で調べる方法
3 液滴中の拡散を定量する方法
6 分子生物学における酵素の使い方
1 酵素の種類と使用上の注意
2 酵素反応
7 大腸菌の取り扱い方
1 遺伝子型(genotype)の読み方
2 培養
3 保存と輸送
4 大腸菌の遺伝子導入
8 酵母の扱い方
1 基礎的知識
2 培養方法
3 DNA形質転換法
9 動物細胞の扱い方
1 培地作成
2 細胞培養
第2部 組換えDNA技術・基礎編
10 プラスミドDNAの調製
1 プラスミドの少量調製
2 プラスミドの大量調製
3 キットを用いる方法
11 λファージDNAの調製
1 ファージtiterの測定法(ファージの滴定)
2 ファージDNAの少量調製
3 ファージDNAの大量調製
4 キットを用いたファージDNAの調製
12 核酸の標識法
1 マルチプライム法
2 末端の標識
3 ゲル濾過
4 非RI標識を用いる方法
13 ゲノムDNAの調製法とサザンハイブリダイゼーション
1 ゲノムDNAの調製法
2 サザンハイブリダイゼーション
14 巨大DNA断片の解析法(パルスフィールド電気泳動法)
1 サンプルの調製
2 レアーカッター制限酵素処理
3 パルスフィールドゲル電気泳動法による解析
15 PCR法の原理と基本操作
16 RNAの調製
1 チオシアン酸グアニジン・セシウム塩遠心法
2 AGPC法
3 キットを用いる方法
17 特異的RNAの検出と定量
1 ノーザンブロット
2 RNaseプロテクションアッセイ
3 RT―PCR法
4 定量リアルタイムPCR
18 cDNAライブラリーの作製とcDNAクローニング
1 オリゴ(dT)セルロースカラムによるポリ(A)+RNAの調製
2 ショ糖密度勾配遠心による分画
3 cDNAの合成
4 クローン化されたDNAプローブによるλgt10cDNAライブラリーのスクリーニング
5 RT―PCRによるクローニング
19 ゲノムDNAのクローニング
1 PCRを用いクローニング
2 ファージベクター
20 サブクローニング
1 ベクターの調製
2 挿入DNAの調製
3 ベクター・挿入DNAのライゲーション,トランスフォーメーション
4 スクリーニング
21 DNAシークエンスの原理と方法
1 原理
2 方法
22 タンパク質の電気泳動
1 SDS―ポリアクリルアミド電気泳動とウェスタンブロット法
2 二次元電気泳動法とプロテオーム解析
第III部 組換えDNA技術・応用編
23 in vitro転写系
1 HeLa細胞粗抽出液の調製
2 組織からの核抽出液の調製
3 in vitro転写反応と反応物の検出
24 ゲルシフト分析
1 少量の細胞からの核抽出液の調製
2 アッセイ法
25 クロマチン免疫沈降(ChIP)法
26 DNA導入による遺伝子機能の解析
1 DNA導入の方法
2 レポーターアッセイ
3 安定トランスフォーマントの作製
27 アンチセンスオリゴヌクレオチド及びRNAi(siRNA)による遺伝子機能の解析
1 アンチセンスオリゴヌクレオチド(アンチセンスオリゴ)
2 siRNA
28 動物細胞での発現遺伝子抗原の確認
1 キャリアータンパク質・タグ分子の選択
2 細胞内分子の検出
3 細胞膜表面分子の検出
29 人工変異導入法
1 はじめに
2 オリゴヌクレオチド指定変異法(Kunkel法)
3 SOE法
4 キット類
30 特異的なDNA―タンパク質間の相互作用を利用したDNA結合タンパク質の精製法
1 DNAの調製
2 CNBr活性化SepharoseへのDNAの結合
3 カラムを用いたタンパク質の精製
31 大腸菌でのンパク質の大量発現とその精製法
1 発現ベクターの作成
2 グリセロールストックの作成
3 パイロット実験
4 発現・精製
5 6×Hisの切断分離
6 実験例
32 タンパク質間結合の検出法
1 GST―プルダウン法
2 免疫沈降法
33 酵母を利用した特異タンパク質のクローニング
1 two―hybrid法
2 one―hybrid法
3 プラスミド回収法
34 DNA多型と遺伝子変異の検出法
1 DNA多型の意義
2 データベース上での多型の検索方法
3 DNA変異の検出
4 DNAフィンガープリント法
5 Taqman法
6 インベーダ法
7 パイロシークエンシング法
35 DNAマイクロアレイを用いた発現解析
1 cDNAマイクロアレイとオリゴヌクレオチドアレイ
2 cDNAマイクロアレイを用いた実験例
36 遺伝子工学におけるコンピュータの利用
1 分子生物学,分子医学におけるコンピュータとネットワークの利用
2 コンピュータを利用した遺伝子解析
付録(タグ一覧表/文部科学省組換えDNA実験指針とその例/実験室の安全)