内容紹介
有機半導体から有機金属までの有機導電体の基礎から応用までを解説した専門書。有機導電体は、物性化学や物性物理の基礎学問からも、また、実用面からも、分子性物質開拓の研究の中でもっとも先端的な材料の一つである。詳しい物性研究により、新しい伝導輸送現象が現在も発見され続けている。本書では、物質およびその作成法、導電性の開発設計指針、キャラクタリゼーション、導電体の例題、導電体と超伝導体の接続、超伝導など、有機導電体のすべてが記されている。有機物質になじみのない読者でも理解できるように章立てを考慮。本分野を学ぶ者にとって必読の座右の書。
目次
Chapter1 序
Chapter2 有機金属の探索と単一成分有機物
Chapter3 電荷移動錯体とドナー,アクセプター
Chapter4 錯体成分の合成と精製
Chapter5 錯体の作成と単結晶の育成
Chapter6 有機金属の設計条件(1):電子間クーロン反発エネルギーと分極率
Chapter7 有機金属の設計条件(2):イオン性と交互積層型錯体
Chapter8 有機金属の設計条件(3):分離積層型錯体の導電性と金属状態の設計
Chapter9 有機導電体の組成,電荷移動量,バンド充填
Chapter10 有機導電体の結晶構造,電子構造,物性
Chapter11 π分子錯体,電荷移動錯体の例
Chapter12 分子性金属から超伝導体へ
Chapter13 格子振動
Chapter14 超伝導
Chapter15 有機超伝導体