気候変動と乾燥地

気候変動と乾燥地

研究の最前線から
著者名 鳥取大学乾燥地研究センター 監修
坪 充
黒崎 泰典
衣笠 利彦
発行元 丸善出版
発行年月日 2022年03月
判型 A5 210×148
ページ数 160ページ
ISBN 978-4-621-30710-6
Cコード 3044
NDCコード 454
ジャンル 化学・化学工学 >  化学一般・基礎化学 >  環境・グリーンケミストリー
天文・地学 >  地球科学

内容紹介

1988年、ジェームス・ハンセン博士が「検出された地球の温室効果は、我々の気候を変化させ、熱波や干ばつの発生の可能性を高める」と結論付けた。あれから30年以上が経ち、まさに人為的な気候変動が世界各地で起きている。特に乾燥地では、水が少ないという限界条件に加え、多くを占める開発途上国に災害対策のための資金や技術が不足しており、気候危機に直面している。

本書では、乾燥地における気候変動とその影響・対策について紹介。第1章では、地球規模の気候変動とその影響、気候変動へのわが国の適応策、国際社会の動向を紹介。第2章では、乾燥地の重要性、資源および将来気候について理解の深耕を促す。第3章ではモンゴルを中心に乾燥地の放牧地生態系における気候変動に関する研究について、第4章では乾燥地農業に及ぼす温暖化の影響および気候変動への対応についてスーダンの事例を含め解説する。

目次

第1章 地球規模の気候変動
1-1 気候変動とその影響
1-1-1 地球温暖化
1-1-2 極端気象と暮らしへの影響
コラム1:熱中症と感染症
1-2 気候変動への適応
1-2-1 気候変動適応策
コラム2:RCPシナリオ(代表的濃度シナリオ)
1-2-2 我が国における気候変動適応策
1-3 国際社会の動向
1-3-1 リオ3条約:UNFCCC・CBD・UNCCD
1-3-2  IPCC特別報告書「気候変動と土地」
コラム3:鳥取大学と国連砂漠化対処条約(UNCCD)
第2章 乾燥地の課題と気候変動
2-1 乾燥地の重要性
2-1-1 乾燥地の定義
2-1-2 乾燥地の4つのサブタイプ
2-1-3 日本とつながる乾燥地の環境問題・食糧問題
コラム4:乾燥地研究センター(山中)
2-2 乾燥地の資源
2-2-1 水資源(4p 清水, 現:5 Pages 28 Lines)
コラム5:アラル海の死
2-2-2 土壌資源(4p 黒崎, 現:4 Pages 20 Lines)
コラム6:ゴビ砂漠における黄砂観測(黒崎)
2−2−3 生物資源 (4p 衣笠, 現:4 Pages 23 Lines)
コラム7:草原の植生調査
2-3 乾燥地の将来気候
2-3-1 将来気候予測とその信頼度、課題(三上)
コラム8:IPCC第6次評価報告書(AR6) (三上)
2-3-2 地球システムモデル(ESM)による将来気候・陸域植生予測 (10p 立入)
2-3-3  サヘル
コラム9:スパコン GCM シミュレーション
コラム10:乾燥地×温暖化プロジェクト 三上・黒崎
第3章 乾燥地の放牧地生態系
3−1 放牧地における温暖化の影響
3−1−1 放牧地生態系とは  
3−1−2 家畜が放牧地生態系に与える影響
3−1−3 モンゴル草原:乾燥地の放牧地生態系研究のモデル地域
3-2 モンゴルの草原と気候変動
3-2-1 モンゴルの気候変動 
3-2-2 気候変動と草原植生
コラム11:野外操作実験
3-2-3 牧畜に対する気候変動の影響
コラム12:放牧馬の暑熱対策
3-3 放牧地生態系の気候変動適応策
3-3-1 ゾド
3-3-2 早期警戒システム
コラム13:遊牧はなぜ数千年も続いてきたか
第4章 乾燥地農業
4-1 耕作地における温暖化影響
4-1-1 過去の作物生産
4-1-2 将来気候下の作物生産
4-2 スーダンの灌漑コムギと気候変動
4-2-1 灌漑コムギの栽培・育種
コラム14:鳥取大学とスーダン農業研究機構の共同研究
4-2-2 気候変動影響
コラム15:作物モデルシミュレーション
4-3 気候変動適応に向けて
4-3-1 乾燥地における作物生産
4-3-2 干ばつ災害管理
4-3-3 気候リスクに対するレジリエンス
コラム16:作物モニタリング
コラム17:農家支援スマホアプリ

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