内容紹介

数論は，数の間にある深く捉えがたい多くの性質を明らかにすることを目的とする，数学の一分野です．
この本では数論のいくつかの話題に関する詳細な探求を通じて，テーマ全般と分野全体での方法論を紹介します．

この本の目的は，数学的に考え，主体的な知的発見のスリルを体験できるよう読者を導くことです．
読者が自分で調査し，分析し，予想を立て，最後には自身で立てた美しい数論の結果を証明するよう励ましていきます．

この本を読むために事前に必要な知識はわずかです．
微積分の考え方について触れることはありますが，不可欠の方法としては使われません．
また，数論における概念や関係を理解し研究する手助けとして，コンピュータを使う練習問題や課題をたくさん用意してあります．

この本を通じて，読者は困難な主題を自分のものとし，知的発見の満足感を味わう能力があるということに気づくことでしょう．

目次

まえがき
訳者まえがき
第1章　数論とは何ものでしょう？
第2章　三平方の定理とピタゴラス数
第3章　ピタゴラス数と円周上の点
第4章　高い冪指数とフェルマーの最終定理
第5章　割り切れる関係――整除性と最大公約数
第6章　一次方程式と最大公約数
第7章　素因数分解と算術の基本定理
第8章　余りを調べる――合同式
第9章　合同式，冪乗，そしてフェルマーの小定理
第10章　合同式，冪乗，そしてオイラーの公式
第11章　オイラーのφ関数と中国の剰余定理
第12章　数の原子――素数
第13章　素数を数える
第14章　メルセンヌ神父の素数
第15章　メルセンヌ素数と完全数
第16章　平方を繰り返して法mの冪乗を計算する
第17章　法mでk乗根を計算する
第18章　冪乗，冪乗根，そして解読不能な暗号
第19章　素数判定テストとカーマイケル数
第20章　法pでの平方数
第21章　pを法として-1は平方数ですか？ 2はどうですか？
第22章　平方剰余の相互法則
第23章　平方剰余の相互法則の証明
第24章　どの素数が平方数2つの和となるのでしょう？
第25章　どの数が平方数2つの和となるのでしょう？
第26章　ワン，ツー，スリー，GO! ――数学的帰納法
第27章　オイラーのφ関数と約数の和
第28章　法pでの冪乗と原始根
第29章　数論世界の対数――原始根と指数
第30章　方程式X^4+Y^4=Z^4
第31章　平方数と三角数再び
第32章　ペルの方程式
第33章　有理数で実数を近似する――ディオファントス近似
第34章　ディオファントス近似とペル方程式
第35章　数論と虚数――人が生み出した数
第36章　ガウス整数と素因数分解の一意性
第37章　分数で表せない数――無理数と超越数
第38章　数を並べる法則――二項係数とパスカルの三角形
第39章　フィボナッチのウサギと線形回帰数列
第40章　おお，なんて美しい関数だこと
第41章　三次曲線と楕円曲線
第42章　有理点をほとんどもたない楕円曲線
第43章　pを法とする楕円曲線上の点
第44章　pを法とするねじれ点集合と悪い素数
第45章　p欠損の上限とモジュラー性のパターン
第46章　楕円曲線とフェルマーの最終定理
参考図書
索引
第47章　連分数のでんぐり返り世界（オンライン）
第48章　連分数，平方根，そしてペル方程式（オンライン）
第49章　数列を生む式――母関数（オンライン）
第50章　冪乗の和（オンライン）
付録A　小さな合成数の素因数分解（オンライン）
付録B　素数表（オンライン）

出版社からのメッセージ

本書は『はじめての数論 原著第3版』（2007年4月刊）の改訂版です。

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