内容紹介
体を作り維持していくのに食べものは欠かせないが、それは同時に、病気の予防や治療に対しても不可欠である。中国には、食べものは空腹のときは「食」となり、病気のときは「薬」となるという「薬食同源」の思想が昔からあった。しかし、これは人間の生存にとって当然のことであったから、中国固有のものではなく世界各地に共通して認められる。各地の伝統栄養学は地域性を保ちながら互いに影響しあって発展してきたが、本書では「薬食同源」を切り口にそれぞれの伝統栄養学を身近な食品を通して興味深く解説する。
目次
I. 薬食の森
1 コンブ往来
2 薬草の母・ヨモギ
3 トウガラシとキムチ文化
4 窮極の飲みもの・茶
5 世界のミルクロード
6 マメで達者
7 肉食願望と薬喰い
8 生命の色を食べる
9 桃の文化史
II. 薬食の経
10 加薬のすすめ
11 西洋食医学の伝統
12 石薬から草根木皮へ
13 アルコールと醫の誕生
14 食医と伝統栄養学
15 食治療書の系譜
16 薬膳の方法
あとがき