リスク学事典

リスク学事典

著者名 日本リスク研究学会
発行元 丸善出版
発行年月日 2019年06月
判型 A5 210×148
ページ数 832ページ
ISBN 978-4-621-30381-8
Cコード 3530
ジャンル 科学一般 >  科学_事典・便覧
環境科学・生活科学
社会科学 >  社会科学_総記・事典・便覧

内容紹介

人文科学、自然科学、社会科学など多様な分野のリスクに対峙してきたリスク学は、それぞれの学問分野ごとに独自のリスク概念が取り上げられてきた経緯から、これまで単一の学問体系は存在していなかった。しかし、世界の相互接続性、相互依存性の高まりから異なるリスク同士の結合も例外ではなく、それらを横断的に俯瞰できる試みが求められるようになってきた。

本事典は、中項目事典の体裁をとることで、それらリスク学を構成する各分野の相互連関性を分かりやすく把握できる。また、東日本大震災、リーマンショック、女性や性的マイノリティの社会的排除など、現代的な問題に起因するリスクも大々的に扱った章立てとなっている。

一人ひとりの市民が様々なリスクに直面する現代にあって、その把握し共生していくための必読書である。

目次

<第一部 リスク学の射程>
第1章 リスクを取り巻く環境変化
リスク学とは何か
リスク概念の展開と多様化
リスク学の歴史
私たちを取り巻くリスク(1):マクロ統計からみるリスク
私たちを取り巻くリスク(2):身近に隠れた日常生活リスク
リスクを俯瞰する試み
複合リスク
リスクの固定化と市民化
リスク学の社会実装(1):行政編
リスク学の社会実装(2):企業編
SDGs(持続可能な開発目標)とESG投資
5つの原発事故調査報告書と被ばく線量の安全基準値
世界金融危機の構造と監督当局の対応
3つのシステミックリスクからの示唆
新たな社会実装の試み(1):水害対策の先進事例
新たな社会実装の試み(2):保育園とアスベスト

<第二部 リスク学の基本>
第2章 リスク評価の手法:リスクを測る
リスク評価の目的
リスク評価の枠組み
リスクの定量化手法
社会経済分析
データの不確実性と信頼性評価
用量-反応関係の評価
曝露評価とシミュレーション技法
疫学研究のアプローチ
生態リスクの評価
工学システムのリスク評価
定性的リスク評価
原子力発電所の確率論的リスク評価
ITシステムのリスク評価
金融リスクの評価
気候変動リスクの評価
災害リスクの評価

第3章 リスク管理の手法:リスクを最適化する
リスクガバナンスの概念と枠組み
リスクマネジメント規格ISO31000の枠組み
工学システムにおけるリスク管理の国際規格
リスク管理の基準とリスク受容
基準値の役割とレギュラトリーサイエンス
リスク削減対策の多様なアプローチ
法律に組み込まれたリスク対応
合理的なリスク管理のための行政決定
裁判におけるリスクの取扱い
予防原則/事前警戒原則
予防原則の要件と適用
制度化された社会経済分析
消費者製品のリスク管理手法
リスク比較
リスクトレードオフ
リスクの相互依存と複合化への政策的対応
産業保安と事故調査制度
化学物質管理の国際規格と国際戦略
環境アセスメント
医薬品のガバナンスとレギュラトリーサイエンス
国際基準と国内基準の調和:放射線のリスクガバナンス
日本の危機管理体制
企業の危機管理とリスク対策

第4章 リスクコミュニケーション:リスクを対話する
東日本大震災とリスクコミュニケーション
リスクコミュニケーションの社会実装に向けて
リスクコミュニケーション
不確実性下における意思決定
リスク認知とヒューリスティクス
リスク認知とバイアス (1): 知識と欠如モデル
リスク認知とバイアス(2): 専門家と市民,専門家同士
リスクに関する対話とリテラシー
科学技術とコミュニケーション
リスクガバナンスにおける対話の発展
情報公開とリスク管理への参加
対話の技法:ファシリテーションテクニック
リスクの可視化と対話の共通言語
手続き的公正を満たす合意形成にむけたプロセスデザイン
対話とマスメディア
対話とソーシャルメディア

第5章 リスクファイナンス:リスクを移転する
リスクファイナンスと残余リスク
統合リスク管理と部門別資本配賦
事業継続マネジメント
リアルオプション
巨大地震と再保険制度
CATボンド
環境リスクファイナンス

<第三部 リスク学を構成する専門分野>
第6章 環境と健康のリスク
環境と健康
労働環境
放射線の健康リスク
放射線利用のリスク管理
電磁波のリスク
大気環境
室内環境における健康リスク
喫煙
上下水道・水環境の健康リスク
土壌汚染の健康リスク
重金属の健康リスク
農薬の環境・健康リスク
工業化学物質のリスク規制 (1): 歴史と国内動向
工業化学物質のリスク規制(2): 海外の動向
化学物質の安全学の考え方と過去の事例からの教訓
新たな感染症のリスク
ワクチンと公衆衛生
環境問題と健康リスク
化学物質による生態リスク
循環型社会におけるリスク制御

第7章 社会インフラのリスク
重要インフラストラクチャ―のリスクとレジリエンス
工学システムと安全目標
インフラの老朽化リスク
プラント保守におけるリスクベースメンテナンス
航空安全におけるリスク管理
海上交通におけるリスク
エネルギーシステムとセキュリティ
社会インフラとしての原子力発電システムのリスク
サプライチェーン途絶のリスク
災害の経済被害
ITリスク学
宇宙開発利用をめぐるリスク
安全保障(セキュリティ)リスク
核のリスク

第8章 気候変動と自然災害のリスク
大規模広域災害時における国と地域の連携
気候変動・自然災害リスクの概念と対策
気候変動に対する国際的な取り組み・ガバナンス
自然災害に対する国際的な取り組み・ガバナンス
気候変動に対する国内の取り組み・ガバナンス
自然災害に関する国内の取り組み・ガバナンス
気候変動の現状とその要因
気候変動によるハザードの変化
気候変動による大規模な変化
気候変動による生態リスク
気候変動による社会・人間系へのリスク
気候変動リスクへの対応:ネガティブエミッション技術の持続可能性評価
極端気象リスク
地震リスク
津波リスク
火山噴火リスク
地盤・斜面リスク
自然災害のマルチリスク
リスクとレジリエンス
残余のリスクと想定外への対応

第9章 食品のリスク
リスクアナリシス:リスクの概念とリスク低減の包括的枠組み
食品安全の国際的対応枠組み
主要国の食品安全行政と法
化学物質の包括的リスク管理
食品中の化学物質のリスク評価
微生物の包括的リスク管理
微生物学的リスク評価
ナノテクノロジーと遺伝子組換えを利用した食品の安全評価と規制措置
動物感染症と人獣共通感染症のリスクアナリシス
食品現場の衛生管理とリスクベースの行政コントロール
食品由来リスク知覚と双方向リスクコミュニケーション
食品トレーサビリティとリスク管理
緊急事態対応と危機管理
食品分野のレギュラトリーサイエンスと専門人材育成
食品摂取と健康リスク

第10章 共生社会のリスクガバナンス
共生社会を取り巻くリスク
社会的排除と貧困
女性の社会的排除と男女平等参画
子どもをもつ家庭の貧困と社会的排除
障害者との共生を阻むリスク
認知症高齢者の意思決定支援と権利擁護
性的マイノリティーの差別
定住外国人の社会的排除と多文化共生
雇用社会のリスク
消費生活のリスク
地域社会の崩壊と再生
高レベル放射性廃棄物処分:地域と世代を超えるリスクのガバナンス
リスクの地域的偏在:沖縄米軍基地
被災者と地域の自己決定:東京電力福島第一原子力発電所事故
疫学的照明とリスクガバナンス:水俣病事件

第11章 金融と保険のリスク
リスクの経済学の系譜
バブルの歴史とその生成の仕組み
金融・保険分野のリスクの概念とリスク管理 
価格変動リスクの評価
ヘッジと投機
信用リスクの評価
証券化とそのリスク
保険会社の健全性リスクの評価
モラル・ハザードと逆選択
金融監督の国際基準とガバナンス
フィンテックとインシュアテック

<第四部 リスク学の今後>
第12章 リスク教育と人材育成、国際潮流
リスクリテラシー向上のためのリスク教育
大学のリスク教育:食品
社会人を対象とするリスク教育
リスク管理のための人材育成
アジアの化学物質管理:規制協力と展望
アメリカにおける研究動向
国際機関, EUなどの国際的なリスク管理に関する研究動向

第13章 新しいリスクの台頭と社会の対応
新興リスクの特徴
新興リスクのためのガバナンス
グローバルリスクへの対応
ナショナルリスクアセスメント
ELSI(倫理的・法的・社会的課題/問題)とは何か
プライバシーリスクとプライバシー影響評価
リスクの分配的公平性
リスクと世代間の衡平性
リスク社会学
風評被害とは何か
バイオ技術のリスク
人工知能の普及に伴うリスクのガバナンス
再生医療と先端医療の光と影
ドローンの登場と社会の環境整備
生活支援ロボットと安全性の確保

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