スケールアップの化学工学

スケールアップの化学工学

ものづくりの課題解決に向けて
著者名 山口 由岐夫
化学工学会
発行元 丸善出版
発行年月日 2019年04月
判型 A5 210×148
ページ数 180ページ
ISBN 978-4-621-30387-0
Cコード 3058
NDCコード 571
ジャンル 化学・化学工学
化学・化学工学 >  化学工学一般

内容紹介

”ものづくり”で悩んでいませんか?

機能材料などの“ものづくり”では、望みの性能を実現するために、材料の構造をプロセスにより細かく制御する必要がある。しかし、材料に求められる微細構造は、ラボ実験スケールからスケールアップしたとたんに制御が難しくなる。スケールアップに伴う課題の多くは、非線形性や非平衡性に依存しており、古典的な化学工学だけでは解決できない。

 本書では、スケールアップの課題に立ち向かうために重要な構造形成の学理を、古典的な化学工学が前提としてきた平衡論や速度論に加えて、非平衡相変化の視点から丁寧に解説した。さらに、演習問題を活用することで、より実践的に学ぶことができる。

 “ものづくり”で悩む技術者や研究者、“ものづくり”の道を目指す学生にぜひとも役立てていただきたい。

目次

第1章 現代的スケールアップ  
 1.1 化学工学体系とスケールアップ  
 1.2 時空間のスケールアップ   
第2章 材料の構造形成  
 2.1 相分離と相転移  
 2.2 熱力学的非平衡相転移
 2.3 流体力学的非平衡相転移
 2.4 スケールアップのアプローチ
第3章 律速過程
 3.1 反応・拡散過程の律速
 3.2 乾燥過程の律速
 3.3 析出過程の律速
第4章 非平衡性と非線形性
 4.1 非平衡系 
 4.2 非線形性 
 4.3 特異点 
 4.4 ヒステリシス
 4.5 インキュベーション
 4.6 自励振動
 4.7 非線形系のスケールアップ
第5章 流動特性
 5.1 層流と乱流
 5.2 混相系の流動特性
 5.3 粉体の流動特性
 5.4 紡糸の細線化流動
第6章 反応プロセス
 6.1 反応器モデル
 6.2 不均一系反応器
 6.3 微粒子合成反応器
 6.4 固相反応器
 6.5 ゾル‐ゲル法反応器
第7章 析出プロセス  
 7.1 析出特性  
 7.2 二段核発生説 
 7.3 核成長とオストワルドライプニング  
 7.4 晶析プロセス 
第8章 分散プロセス  
 8.1 熱力学的分散  
 8.2 流体力学的分散  
 8.3 凝集構造と性能 
 8.4 分散プロセスのスケールアップ  
第9章 混錬プロセス  
 9.1 材料とレオロジー特性 
 9.2 混錬のダイナミクス  
 9.3 混錬の効果  
 9.4 混錬プロセスのスケールアップ  
第10章 塗布プロセス  
 10.1 塗布方式  
 10.2 塗布流動 
 10.3 塗布欠陥  
 10.4 スケールアップ 
第11章 乾燥プロセス  
 11.1 乾燥特性と律速過程  
 11.2 乾燥特性の予測  
 11.3 噴霧乾燥  
 11.4 乾燥欠陥  
 11.5 乾燥シミュレーション  
 11.6 乾燥による構造形成  
 11.7 乾燥プロセスのスケールアップ 
第12章 気相薄膜プロセス  
 12.1 気相薄膜の構造形成  
 12.2 CVD  
 12.3 pCVD  
 12.4 スパッタ 
 12.5 蒸着  
 12.6 気相薄膜プロセスのスケールアップ  
第13章 スケールアップのまとめ  
 13.1 スケールアップの評価指標  
 13.2 材料・プロセスの構造形成  
 13.3 スケールアップ則のまとめ  
 13.4 スケールアップの課題  
 13.5 おわりに 

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