日本政治史研究の諸相

日本政治史研究の諸相

総力戦・植民地・政軍関係
著者名 纐纈 厚
発行元 明治大学出版会
発行年月日 2019年01月
判型 A5 210×148
ページ数 436ページ
ISBN 978-4-906811-27-4
Cコード 0010

内容紹介

日本の戦後復興の担い手は戦前の植民地官僚たちだった。総力戦体制を支えてきたのはデモクラシーだった。日本人の歴史認識はいまだまったく改まっていない。政治学と歴史学を相互補完的に捉える視点から、総力戦研究・植民地研究・政軍関係研究をめぐって、著者が長年取り組んできた「政治史」研究の成果を1冊に集結。積み上げられた史料と研ぎ澄まされた理論を通して、日本の近現代政治史から来るべき日本の姿が浮かび上がる。

目次

まえがき

第I部 総力戦と官僚制
 第一章 戦時官僚論  植民地統治・総力戦・経済復興
 第二章 総力戦と日本の対応  日本型総力戦体制構築の実際と限界
 第三章 総力戦としての世界大戦  「総力戦大戦」の呼称をめぐって
 第四章 日米戦争期日本の政治体制  戦争指導体制の実際を中心にして
 第五章 アジア太平洋戦争試論
 第六章 蘇る戦前の象徴  岸信介を蘇生させる時代精神の危うさ

第II部 植民地と歴史認識
 第一章 植民地支配と強制連行  山口県朝鮮人強制連行の実態を一例として
 第二章 日本における朝鮮認識とその変容
 第三章 アジア太平洋戦争下の植民地支配  植民地主義から新植民地主義への転換のなかで
 第四章 日韓領土問題と戦後アジア秩序  太平洋地域における衝突と協力
 第五章 歴史認識と歴史和解  アジア平和共同体構築への展望
 第六章 植民地と戦争の記憶と忘却  歴史の「物語化」とナラティブ・アプローチへの接近

第III部 政軍関係と兵器生産
 第一章 政軍関係論から見た近代日本の政治と軍事  近代日本政軍関係史研究への適用の問題に関連して
 第二章 兵器生産をめぐる軍民の対立と妥協  軍需工業動員法制定過程の分析を中心に
 第三章 戦前日本の武器移転と武器輸出商社  泰平組合と昭和通商の役割を中心に

あとがき
索引

定価:5,720円
(本体5,200円+税10%)
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