内容紹介
戦争には、武装し暴力を行使できる者とそうではない者が存在し、テロや人質殺害などの悲劇的状況においても、命の価値の極端な不均衡――「剥き出しの非対称性」が生じている。命の危機を目の前にした極限の状況で、「より少ない悪」を選ぶことは可能なのだろうか。本書では、戦闘用ドローンや子ども兵士など、現代に横たわる「戦争の悪」などについても取り上げる。思考と実践を繋ぐ応用倫理学の視点から、「悪」をどう考え、どう向き合うのか、平和に向けあらたな視座を提示する一冊。
目次
第1章 「戦争を考える」ということ
第2章 「平和」、「戦争」、「剥き出しの非対称性」
第3章 武力紛争の諸相
第4章 子ども兵士と「道徳的罠」
第5章 自殺攻撃の許容可能性
第6章 人質と殺害の暴力
第7章 ドローンと「倫理的」な攻撃
第8章 防衛産業と人々の保護
第9章 道徳的運と「より少ない悪」
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