内容紹介
からだの中で起こる現象と化学を結びつけた内容となっており、初学者も興味を持って面白く学習できるよう工夫がされている。主な対象読者は栄養系の学生であるが、看護系の学生も使える内容である。図が多いことも、大きな特徴となる。近年、大学で専門分野を学ぶのに化学の知識が必要でも、高校でしっかり学ばなかった入学者が増加している。しかし、化学の全分野を学ぶことは難しいため、本書は専門学習において、理解しておいてほしい最低限の知識をまとめてある。また、講義を受けたあと、自主学習ができるように非常に丁寧な説明がされている。
目次
序 からだの不思議――もう一つの目次
1 なぜ食べるのか:理由・その1 代謝・同化
1.1 なぜ,何のために食べるのか
1.2 からだの構成と元素・原子・分子:からだの階層構造
1.3 からだはざまざまな元素の原子からできている
1.4 イオン:物質の第二の構成要素
1.5 分子:物質の第三の構成要素
1.6 タンパク質・アミノ酸,脂質,糖質,からだの構成成分
2 なぜ食べるのか:理由・その2 代謝・異化 酸化還元と食物の熱量・エネルギー
2.1 なぜ,食べても,食べた物の重さだけ体重が増えないのか
2.2 呼吸とは何か,なぜ呼吸するのか
2.3 なぜ水を飲むのか,なぜ排尿するのか:からだの中での水の役割――運搬と排泄
2.4 化学反応と反応熱・熱化学方程式:食物の熱量は食物の燃焼熱
2.5 ヘスの法則(総熱量保存則):食物の燃焼熱から、体内における食物代謝の熱量計算ができる理由,熱量計算の原理
2.6 反応熱の実体は何か:反応熱と結合エネルギー
2.7 エネルギー保存則とエネルギーの相互変換
3 消化・吸収・運搬・代謝:からだの中の酸と塩基,水と油,気体,代謝反応
3.1 からだの中の酸と塩基,中和反応
3.2 からだの中の水と油:溶液と溶質の性質
3.3 酸素と二酸化炭素の交換と輸送:呼吸の仕組み
3.4 食べた物はどのように変化するのか
4 からだの恒常性(ホメオスタシス)
4.1 血液のpHはなぜ一定か
4.2 ヒトは食塩がなくてはなぜ生きられないのか
4.3 体温はなぜ一定か:恒温動物と変温動物――反応速度と反応速度定数
5 情報伝達:神経・ホルモン・免疫・遺伝と化学の原理――電池,分子間力
5.1 神経情報の伝達はどのように行われるのか:からだの中には電池がある?
5.2 ホルモンによるからだの制御と化学の原理
5.3 免疫:抗原抗体反応,免疫と分子間相互作用
5.4 遺伝情報はいかにして伝達されるのか:子が親に似る仕組みと水素結合
付録1 モル,モル濃度,中和滴定,密度,さまざまなパーセント濃度,希釈
6.1 物質量・モルとモル濃度,モル計算
6.2 中和反応:中和滴定と濃度計算
6.3 密度:密度(比重)と体積
6.4 さまざまなパーセント濃度
6.5 溶液の希釈
付録2 有機化合物の性質を理解するための基礎概念:化学結合,分子間相互作用,立体異性体
7.1 原子の電子配置とイオンの生成,共有結合と配位結合
7.2 共有結合の極性と電気陰性度
7.3 分子間相互作用・分子間力
7.4 立体異性体
関連商品
▼ 関連記事
- 立屋敷先生のYouTubeチャンネル開設!「タッチーの納得!化学解説」2020.05.11
- 学生必見!立屋敷 哲先生(女子栄養大学名誉教授)著の化学テキスト活用事例2020.01.16
- 【2017年3月】新刊案内・一覧注文書2017.03.01