内容紹介
ガウス、リーマン、ヒルベルトなど、大数学者を数多く輩出し、数学研究の一大拠点を築いた国、ドイツ。本書は「数」の体系を基礎から体系づけることを目標として、現代ドイツの数学者たちが共同で構想を練って作り上げた数学読本。数はどこから? 数はどんなもの? 数の条件は? 数の未来は?こんな問いかけに、徹底的に考えるためのヒントがある。上巻では数学の歴史的背景をふまえ、自然数から複素数、p-進数までを解説、下巻では四元数などの多元的数の代数的理論を展開し、最後に超準解析やコンウェイの試みを紹介して将来を展望。
目次
第1部 自然数から複素数およびp-進数まで
第1章 自然数、整数および有理数
§1.歴史的背景
§2.自然数
§3.整数
§4.有理数
第2章 実数
§1.歴史的背景
§2.Dedekindの切断
§3.基本列
§4.区間縮小法
§5.実数の公理的記述
第3章 複素数
§1.複素数の起源
§2.複素数体C
§3.体Cの代数的性質
§4.体Cの幾何学的性質
§5.群O (C)およびSO(2)
§6.極座標とn乗根
第4章 代数学の基本定理
§1.基本定理の歴史
§2.Argand による基本定理の証明
§3.基本定理の応用
付録:Laplaceによる基本定理の証明
第5章 πとは何か?
§1.数πの歴史
§2.指数的準同型 exp : C→C×
§3.πの古典的な特徴づけ
§4.πの古典的諸公式
第6章 p-進法
§1.関数としての数
§2.p-進数の数論的意味
§3.p-進数の解析的性質
§4. p-進数