フェーズフィールド法入門

フェーズフィールド法入門

著者名 一般社団法人 日本計算工学会
小山 敏幸
高木 知弘
発行元 丸善出版
発行年月日 2013年04月
判型 A5 210×148
ページ数 140ページ
ISBN 978-4-621-08658-2
Cコード 3353
NDCコード 531
ジャンル 土木・建築 >  シリーズ土木・建築 >  計算力学レクチャーコース
機械・金属・材料 >  材料工学

内容紹介

フェーズフィールド法は、連続体モデルにもとづく材料組織形成過程の現象論的なシミュレーション手法である。近年は材料科学分野のみならず応力場や電磁場における組織形成やナノスケールにおけるモデル化など、マルチスケール・マルチフィジックスを対象とした種々の工学分野を横断的に進展している。 本書は、フェーズフィールド法の基礎理論から具体的な定式化と計算手法を解説し、演習を交えて種々の分野におけるシミュレーション例をまとめており、初学者が着実に学習できるつくりとなっている。また、ウェブ上よりC++のソースコードがダウンロードでき、例題を通して具体的なプログラム開発についても学ぶことができる。

目次

1 はじめに
 1.1 フェーズフィールド法の発展史
 1.2 「フェーズフィールド法」という用語の由来
 1.3 フェーズフィールド法を取り巻く最近の動向
 1.4 本書の構成
2 フェーズフィールド法
 2.1 フェーズフィールド法の概要
 2.2 秩序変数について
 2.3 移動する自由境界問題の代替法としてのフェーズフィールド法
 2.4 本質的に拡散界面を有する現象に対するフェーズフィールド法
 2.5 その他の注意点
3 フェーズフィールド法の理論式
 3.1 フェーズフィールド法の定式化(A‐B‐C3成分系におけるα相の相分離の計算)
  3.1.1 全自由エネルギーの定式化
  3.1.2 発展方程式(非線形拡散方程式)の計算式
 3.2 マルチフェーズフィールド法の定式化
  3.2.1 条件設定
  3.2.2 フェーズフィールド方程式
  3.2.3 拡散方程式
  3.2.4 パラメータ設定
 3.3 長距離相互作用の定式化
 3.4 発展方程式の無次元化と境界条件
4 フェーズフィールド法の演習
 4.1 計算環境の設定とプログラムの実行方法
  4.1.1 計算環境の構築
  4.1.2 プログラムのコンパイルおよび実行方法
 4.2 スピノーダル分解(A‐B‐C3成分系合金における拡散相分離)
  4.2.1 物質定数の設定と計算条件
  4.2.2 平衡状態図
  4.2.3 計算結果
  4.2.4 ソースコードにおけるプログラム説明例
  4.2.5 一連の計算手順の説明
  4.2.6 まとめ
 4.3 無拡散変態(形状記憶合金におけるマルテンサイト変態)
  4.3.1 計算手法
  4.3.2 物質定数の設定と計算条件
  4.3.3 計算結果
  4.3.4 まとめ
 4.4 規則‐不規則変態(逆位相境界のダイナミクス)
  4.4.1 計算方法
  4.4.2 物質定数の設定と計算条件
  4.4.3 計算結果
  4.4.4 まとめ
 4.5 凝固(純金属におけるデンドライト成長)
  4.5.1 計算手法
  4.5.2 物質定数の設定と計算条件
  4.5.3 計算結果
  4.5.4 まとめ
 4.6 多結晶粒組織ダイナミクス(多結晶粒組織生成・結晶粒成長)
  4.6.1 計算方法
  4.6.2 物質定数の設定と計算条件
  4.6.3 計算結果
  4.6.4 まとめ
 4.7 多結晶における相分離(多結晶における粒界析出現象)
  4.7.1 計算方法
  4.7.2 物質定数の設定と計算条件
  4.7.3 計算結果
  4.7.4 まとめ
 4.8 双極子‐双極子相互作用下におけるドメイン形成(誘電体におけるドメイン組織)
  4.8.1 計算方法
  4.8.2 物質定数の設定と計算条件
  4.8.3 計算結果
  4.8.4 まとめ
 5 フェーズフィールド法から力学特性計算へ
  5.1 フェーズフィールド微視的弾性論の基礎
  5.2 組織の作成(A‐B2成分系における相分離計算を利用)
  5.3 弾性場解析の理論式(フェーズフィールド微視的弾性論)
   5.3.1 組織の設定条件
   5.3.2 弾性場解析の理論式
  5.4 不均一組織内の弾性場の計算
  5.5 まとめ
付録A 複素フーリエ変換について
付録B 高速フーリエ変換と逆変換の呼び出し
付録C 高速フーリエ変換を用いた演算に関する注意点

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