内容紹介
エリザベス女王の在位60周年の祝典に沸き、ロンドンオリンピックを間近にひかえたイギリスに興味をいだく読者に向けて、「イギリス人には常識でも、日本人にはあまり知られていない話題」に重点をおきながら、イギリスの現代を活写する好読み物。 歴史や政治から、文学、音楽、映画、絵画などのカルチャー、移民問題、教育制度、日本との関係など「現代のイギリス」という壮大なモザイク社会を構成するあらゆる話題を取り上げ、様々なエピソードを紹介しながら興味深く解説する。各章独立した構成で、どの章からでも気軽に読み始められる。
目次
第1章 イギリス現代史I:一九○○〜一九四五年
1 二○世紀の幕開けのイギリス
2 第一次世界大戦期(一九一四〜一八年)のイギリス
3 一九二〇年代のイギリス
4 一九三〇年代のイギリス
5 第二次世界大戦期(一九三九〜四五年)のイギリス
第2章 イギリス現代史II:一九四五年〜現在
6 戦後の初のアトリー内閣
7 チャーチルの再登場、それ以降の保守党内閣
8 ウィルソン労働党内閣の誕生
9 ヒース保守党内閣とその後の労働党内閣
10 「鉄の女」サッチャー保守党政権の誕生
11 「ニューレーバー(新しい労働党)」ブレア政権の誕生
第3章 イギリス現代政治――政治の安定・信頼性、選挙制度、情報機関ほか
1 イギリスの現代政治――国会と選挙
2 情報機関
3 アイルランド問題
4 EU問題
5 エピローグ
第4章 イギリスの言語事情・移民事情
1 世界語への道――一七〜一九世紀
2 世界語への道――一二〇世紀
3 侵略の歴史と言語
4 ハイブリッド言語としての英語の歴史
5 移民事情
第5章 イギリス現代文学I――ファンタジーとミステリー
1 偉大なお父様(トールキン)の『指輪物語』と息子・娘の現代(モダン)ファンタジー
2 跡継ぎ娘が書いた『ハリー・ポッター』
3 現代の聖地巡礼――ファンタジーのミステリー・ツアー
4 イギリスの生んだ偉大な女性推理小説作家アガサ・クリスティ
5 サラ・ウォーターズとミシェル・スプリング――ミステリーに潜むフェミニズム
第6章 イギリス現代文学II――外国生まれのイギリス作家
1 外国生まれの作家の増加とその背景
2 カズオ・イシグロ――国を越えた普遍性
3 ヴィクラム・セイト――インドが舞台の小説に織り込まれたイギリス文学
4 ゼイディー・スミス――多文化共存を願って
第7章 イギリスの映画
1 英国俳優の出稼ぎ稼業を可能にするRADAという演劇学校
2 生き続けるオースティン作品
3 現代に生きるディケンズ
4 越境する映画
第8章 イギリスの近・現代音楽
1 前史
2 イギリス音楽の目覚め
3 第一次世界大戦以後
4 ブリテンの登場
5 ブリテン以後
第9章 イギリスのバレエ・トラッド・ロック
1 旅するバレエ――イギリスにおける展開
2 駆け抜ける恋人たち――ケネス・マクミラン振付《ロミオとジュリエット》
3 王子を救うお姫様――古典の新解釈《パゴダの王子》
4 トラッド
5 ロック
第10章 イギリスの現代アートシーンをめぐって
1 デミアン・ハースト――イギリス現代アート界のアイコン
2 YBA――若きアートの冒険者たち
3 現代アートの国民行事、ターナー賞
4 ミュージアムと文化政策
5 真のユートピアを求めて
第11章 「イギリス」の中のケルト世界――ウェールズの文化保護を中心に
1 「イギリス」と四つの国
2 ケルト人とウェールズ
3 ウェールズ語を救った信仰、愛国心、文化的関心、教育
4 二〇世紀のウェールズにおける言語・文化保護活動
5 不滅のウェールズ魂
第12章 フェミニズムの流れ
1 政治運動としての英国フェミニズム(1)――女性の抑圧
2 政治運動としての英国フェミニズム(2)――抑圧の解消へ
3 フェミニスト列伝(1)――キャロライン・ノートン、或いは不幸な母のフェミニズム
4 フェミニスト列伝(2)――フローレンス・ナイチンゲール、或いは新世界にたどりついた淑女
第13章 現代イギリスの教育
1 幼児教育
2 小・中等学校教育
3 公教育のゆくえ
4 大学教育
第14章 二〇世紀の日英交流――日英交流史I
1 日英同盟締結から失効まで
2 険悪化から戦争へ
3 日英関係修復の努力
4 交流深化・拡大の時代
5 エピローグ――軍事同盟からグリーン同盟へ
第15章 イギリスにわたった日本人先達たちの群像――日英交流史II
1 末松謙澄
2 南方熊楠
3 夏目漱石
4 エピローグ
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