内容紹介
一般相対性理論と量子力学という現代の物理学の基本となる理論を統一するといわれている超弦理論の研究は、Ｍ理論の提唱とＤブレインの発見という２つの成果（1995年）によって、新たな革命期を迎えている。Ｍ理論は、何種類もある超弦理論を統一し、重力を含む現実世界のいろいろな現象をもっともよく記述する理論と考えられる。またＤブレインによってＭ理論や超弦理論のさまざまな解析が可能となっている。本書は、超弦理論のこの近年の発展に焦点を当て、その基本をわかりやすく説明する。
目次
第１章 はじめに
１．１ 超弦理論の意義
１．２ 超弦理論の最近の発展
１．３ 素粒子論，超弦理論からM理論へ
１．３．１ 弦理論の誕生期
１．３．２ 弦理論の雌伏の時代
１．３．３ 超弦理論の第１革命期
１．３．４ 超弦理論の第２革命期
１．３．５ 数学など他分野への影響
１．４ 本書の内容，本書でカバーできなかった話題
１．５ M理論とは何か？
第２章 超相対性
２．１ 超相対性・・・場の理論の例
２．２ 超相対性の表現
２．２．１ massless表現
２．２．２ massive表現
２．３ Ｄ次元のスピノール
２．４ 時間方向が２つある場合のスピノール
２．５ SO(n) のスピノール
２．６ スピノールの積と分解
２．７ 高次元の超重力理論
第３章 超弦理論
３．１ ボソン弦理論の正準量子化
３．１．１ 弦の作用
３．１．２ 閉弦理論
３．１．３ 開弦理論
３．２ 超共形代数
３．３ R とNS 部分
３．３．１ 開弦理論の場合
３．３．２ 閉弦理論の場合
３．４ ボソン化，スピン場とゴースト
３．５ 物理的状態
３．５．１ 開弦理論
３．５．２ 閉弦理論
３．６ II型超弦と開超弦
３．６．１ II型超弦と０型弦
３．６．２ I型超弦理論
３．７ヘテロ型超弦理論
３．７．１ 理論の概要
３．７．２ ゼロ点エネルギーの計算・・・切片
３．７．３ 理論のスペクトル
第４章 Ｄブレイン
４．１ II型超弦理論のＴデュアリティ
４．２ 開弦理論におけるＴデュアリティとＤブレイン
４．３ 向きづけのない弦のＴデュアリティ
４．４ I型弦理論のＴデュアリティ
４．５ Ｄブレインチャージ
４．５．１ 開弦チャンネルでの計算
４．５．２ 閉弦チャンネルでの計算とＲ-Ｒチャージ
４．５．３ Ｄｐブレインの張力
４．６ Ｄブレインの相互作用とブレインの生成
４．６．１ 超対称性
４．６．２ 傾いた２つのＤ４ブレインの相互作用
４．６．３ ブレインの生成
４．６．４ ＤｐブレインとＤｌブレインの間のポテンシャル
４．７ ♯ＮＤ＝４の系
第５章 超弦理論の低エネルギー有効理論とブレイン解
５．１ II型超重力理論とデュアリティ
５．２ ブレイン解
５．２．１ 背景場
５．２．２ 場の方程式の解
５．２．３ ＭＡＢと交差規則
５．３ ブラックホールとしてのブレイン解
５．４ 超弦理論のブレイン解
５．４．１ 次元縮小と束縛状態
５．４．２ Ｔデュアリティの下での変換
５．５ 超対称性
５．６ ブラックホールの量子力学
５．６．１ ブレインチャージとブレインの枚数
５．６．２ Ｄ１―Ｄ５と波の系のエントロピー
第６章 Ｍ理論による統一
６．１ II型超弦理論とＭ理論
６．２ SO(32) とＥ８×Ｅ８ ヘテロ型超弦理論
６．２．１ ボソン場による構成とモジュライ空間
６．２．２ 背景場の中の弦理論
６．２．３ SO(32)理論とＥ８×Ｅ８ 理論の関係
６．３ Ｎ = 1 SO(32) 超弦理論とヘテロ型超弦理論
６．４ Ｅ８×Ｅ８ ヘテロ型超弦理論とＭ理論
６．５ 行列理論
付録Ａ BRST演算子
Ａ．１ ボソン弦
Ａ．２ 超弦理論
付録Ｂ 非ゴースト定理
付録Ｃ 弦理論から得られる非可換時空の場の理論
付録Ｄ 文献解説
出版社からのメッセージ
本書は、2002年５月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。
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本書は、少部数印刷にて重版が可能です。
在庫僅少の場合でもご注文いただけますので、お問い合わせください。
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