薬物乱用・中毒百科

薬物乱用・中毒百科

覚醒剤から咳止めまで
著者名 内藤 裕史
発行元 丸善出版
発行年月日 2011年01月
判型 B5 257×182
ページ数 430ページ
ISBN 978-4-621-08325-3
Cコード 0047
NDCコード 493
ジャンル 医学・薬学 >  薬学 >  薬物学

内容紹介

本書では、覚醒剤、大麻、幻覚剤、興奮剤、麻薬、吸入物質から咳止めに至るまで、社会規範から外れた薬物の使用について、中毒症状、過去から現在までの乱用の実態(事例)と、将来への見通しを含めて記述。 特に新しい時代の乱用物質、デザイナー・ドラッグに注目。その多くは、麻薬、覚醒剤、幻覚剤とは別の「興奮剤」という新しい物質群を構成。また、興奮剤の概念、定義、覚醒剤・幻覚剤との関係について明らかにした。加えて、国により乱用物質の事情は大きく変わるため、日本の事例にも注目。日本で発生した事例が網羅され、事例集という性質も併せもち、全貌を捉えた上で、事例を検証する。 個々の物質の特徴を上げ、全体の物質の中での位置付けを示す。また、「国家による乱用」の視点から、阿片、コカイン、LSDを取り上げ、薬物乱用のもう一つの側面を解説。

目次

I 覚醒物質
 1.はじめに
 2.交感神経作動性アミンの構造と作用
 3.疫学 
 1章 メタンフェタミン
  1.1 覚醒剤の登場
  1.2 第一次乱用期
  1.3 第二次乱用期
  1.4 1995年以降
  1.5 密輸
  1.6 摂取方法と症状
  1.7 高熱と横紋筋融解,多臓器不全
  1.8 興奮性せん妄
  1.9 拘束性窒息死
  1.10 脳出血,脳梗塞,血管炎
  1.11 心臓
  1.12 感染
  1.13 胎児,新生児,小児
  1.14 壊死性腸炎
  1.15 神経毒性 
  1.16 覚醒剤精神病
  1.17 密造
  1.18 検査
  1.19 職場における覚醒剤検査
  1.20 致死濃度と中毒濃度
 2章 交感神経作動性アミン
  2.1 エフェドリン
  2.2 フェニルプロパノールアミン(ノルエフェドリン,オキシアンフェタミン)
  2.3 プソイドエフェドリン
  2.4 カート,カチノン
  2.5 メトカチノン
  2.6 ハロゲン化アンフェタミン
  2.7 オキサゾリン系覚醒剤
 3章 メチルフェニデート
  3.1 乱用
  3.2 多剤乱用からリタリン依存へ
  3.3  医原性依存症
  3.4 副作用による妄想・幻覚
  3.5 家族で乱用
  3.6 摂取方法と症状
  3.7 臓器障害
  3.8 代謝と血中濃度
  3.9 小児,新生児
  3.10 インターネットによる薬物入手
  3.11 作用機序
  3.12 乱用対策と依存の防止
 4章 コカイン
  4.1 日本におけるコカイン乱用
  4.2 急性中毒
  4.3 摂取方法と効果
  4.4 乱用例
  4.5 コカイン・ベビー
  4.6 依存と精神症状
  4.7 作用機序
  4.8 密輸
  4.9 国家による乱用 
 5章 咳止め((鎮咳去痰剤)
  5.1 ブロン
  5.2 メチルエフェドリン
  5.3 ジヒドロコデイン
  5.4 デキストロメトルファン
  5.5 ジペプロール
II 大麻
 概説  
 1.定義,成分,種類
 2.接種方法
 3.急性中毒
 4.健常者への投与実験
 5.乱用
 6.大麻精神病
 7.カンナビノイド受容体と内因性カンナビノイド
 8.医薬品と合成カンナビノイド
  8.1 医薬品
  8.2 合成カンナビノイド
  7.3 デザイナードラッグ
III 幻覚剤
 1章 アンフェタミン系幻覚剤
  1.1 種類、幻覚作用
  1.2 事例
 2章 フェニルエチルアミン系幻覚剤
  2.1 種類、幻覚作用
  2.2 事例
 3章 トリプタミン系幻覚剤
  3.1 動植物由来のトリプタミン系幻覚剤
  3.2 合成トリプタミン幻覚剤
 4章 LSD
  4.1 誕生
  4.2 乱用
  4.3 症状
  4.4 ヒルガオ科植物
  4.5 国家による乱用
IV 解離性麻酔剤
 1章 フェンシクリジン,シクロヘキサミン,ケタミン,チレタミン
  1.1 フェンシクリジン(PCP)
  1.2 シクロヘキサミン(PCE)
  1.3 ケタミン
  1.4 チレタミン
 2章 γ-ヒドロキシ酪酸,γ-ブチロラクトン,1,4-ブタンジオール
  2.1 γ-ヒドロキシ酪酸(GHB)
  2.2 γ-ブチロラクトン(GBL),1,4-ブタンジオール(BD)
  2.3 耐性,離脱
  2.4 血中濃度
 3章 その他の解離性麻酔剤
  3.1 アマンタジン
  3.2 メマンチン
  3.3 ジゾシルピン(MK-801)
  3.4 第二世代のNMDA受容体遮断薬
V 興奮剤
 1.特徴
 2.興奮剤と,覚醒剤,幻覚剤との関係
 3.誕生
 4.デザイナードラッグ
 5.その後の発展
 6.種類と作用
 7.事例
 8.精神神経毒性
 9.第二世代の興奮剤
 10.ナツメグ
VI 麻薬
 1.阿片-国家による乱用
 2.摂取と依存,離脱
 3.阿片癊者
 4.日本の阿片対策と国際条約
 5.熱河の阿片
 6.蒙疆の阿片
 7.阿片の影響
 8.国の関与
 9.イランの阿片
VII 吸入物質
 1章 有機溶剤,シンナー
  1.1 シンナーの成分
  1.2 乱用の実態
  1.3 病態と症状
 2章 燃料用ガス,噴射剤
  2.1 成分
  2.2 作用
  2.3 乱用死
  2.4 血中濃度,脳内濃度と死因
  2.5 引火爆発
  2.6 依存例

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