第四版 大学講義 技術者の倫理 入門

第四版 大学講義 技術者の倫理 入門

著者名 杉本 泰治
高城 重厚
発行元 丸善出版
発行年月日 2008年12月
判型 A5 210×148
ページ数 256ページ
ISBN 978-4-621-08029-0
Cコード 3050
NDCコード 507
ジャンル 人文科学

内容紹介

「技術者倫理」の基本的考え方を平易に解説した定番教科書。日米の様々な事例を取り上げながら、社会的条件の違い、組織と個人の関係における日本の実状をふまえ、理解できるよう工夫した。今改訂では技術者倫理についての考え方をより明確にし、大学での講義経験を活かして内容をわかりやすくするとともに、最新の技術倫理事例を盛り込んだ。技術者倫理を科学技術・法・倫理の三つの視点から捉える本書の考え方は、すべての技術者の参考になろう。

目次

第1章 モラルへのとびら
 1.1 倫理とは何か
 1.2 倫理遵守の仕組み
 1.3 モラル上の不一致
 1.4 技術者の倫理教育
 1.5 まとめ
第2章 技術者と倫理
 2.1 なぜ技術者の倫理か
 2.2 安全確保の潮流
 2.3 技術者倫理の特徴
 2.4 倫理規定を読む
 2.5 まとめ
第3章 組織のなかの一人の人の役割
 3.1 チャレンジャー号事件
 3.2 個人と法人
 3.3 組織の倫理問題
 3.4 個人尊重の倫理
 3.5 まとめ
第4章 モラル上の人間関係
 4.1 倫理が作用する限界
 4.2 コミュニティ
 4.3 私的な人間関係
 4.4 業務上の人間関係
 4.5 利益相反(利害関係の相反)
 4.6 公衆
 4.7 まとめ
第5章 技術者のアイデンティティ
 5.1 JCO臨界事故の見方
 5.2 科学技術とは何か
 5.3 科学技術をになう人々
 5.4 科学者の位置づけ
 5.5 科学技術のガバナンス
 5.6 まとめ
第6章 技術者の資格
 6.1 技術者資格の仕組み
 6.2 英米のプロフェッショナル・エンジニア
 6.3 技術業のその他の職業資格
 6.4 日本の技術士資格
 6.5 技術者資格の国際間相互承認
 6.6 まとめ
第7章 倫理実行の手法
 7.1 QCサークル活動は業務か
 7.2 争点を明らかにする
 7.3 モラルに従う判断の方法
 7.4 決疑論の方法
 7.5 日本の公務員倫理法
 7.6 まとめ
第8章 事故責任の法の仕組み
 8.1 注意・過失・欠陥
 8.2 職務と注意義務
 8.3 品質管理
 8.4 事故責任の法
 8.5 まとめ
第9章 法的責任とモラル責任
 9.1 カネミ油症事件
 9.2 法的責任
 9.3 法とモラルの境界域の責任
 9.4 合成化学物質の脅威
 9.5 まとめ
第10章 コンプライアンスと規制法令
 10.1 正直性・真実性・信頼性
 10.2 三菱自動車リコール・欠陥隠し
 10.3 規制法令
 10.4 コンプライアンス
 10.5 まとめ
第11章 説明責任
 11.1 遺伝子組換え作物
 11.2 説明責任と信頼関係
 11.3 立証責任
 11.4 情報開示
 11.5 まとめ
第12章 警笛鳴らし(または内部告発)
 12.1 富里病院医師解雇事件
 12.2 コミュニティ内部の人間関係
 12.3 法による救済の方法
 12.4 技術者の通報対策
 12.5 まとめ
第13章 環境と技術者
 13.1 持続可能な開発
 13.2 国・地方の環境問題
 13.3 地球規模の環境問題
 13.4 環境と世代間の倫理
 13.5 まとめ
第14章 技術者の財産的権利
 14.1 企業財産の持ち出し
 14.2 特許権収入
 14.3 起業の自由――会社法制
 14.4 まとめ
第15章 技術者の国際関係
 15.1 国際間の地域統合――EUを例に
 15.2 二国間・多国間の協定
 15.3 国際規格・規準
 15.4 国際化時代のコミュニケーション
 15.5 むすび――曽木発電所遺構のこと

出版社からのメッセージ

本書は『第三版 大学講義 技術者の倫理 入門』(2005年2月刊)の改訂版です。
本書は改訂版『第五版 大学講義 技術者の倫理 入門』(2016年1月刊)を刊行しています。

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定価:1,870円
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