計算力学の常識
いまさら聞けない

計算力学の常識

著者名 社団法人土木学会 応用力学委員会 計算力学小委員会
発行元 丸善出版
発行年月日 2008年11月
判型 A5 210×148
ページ数 378ページ
ISBN 978-4-621-08022-1
Cコード 3353
NDCコード 501
ジャンル 数学・統計学 >  数値解析
数学・統計学 >  応用数学
土木・建築 >  土木 >  構造力学・地盤工学

内容紹介

CAE、計算力学について、専門家の頭の中にある隠れた常識をなぜそのように考えるのかという理由からていねいに解説した書籍。具体的な事例から理論の要点を押さえてあるので、手元においておくと便利な一冊。CAE、計算力学では実際に何度か経験していく間に身にしみてわかる常識が多い。場合に応じたメッシュの切り方、要素の選択、境界条件の処理のしかた、計算方法の選択等、これらをパターン別に背景も含めて知っておくことが一人前の技術者の前提条件。本書は、プロなら誰でも身につけている隠れた常識を、惜しげもなく全力を投じて一冊にまとめ上げたものである。

目次

第1話 計算力学と離散化解析手法
 1.1 計算力学とは?
 1.2 計算力学の生い立ち
 1.3 計算力学における離散化解析手法
第2話 要素やメッシュで答えが変わる!
 2.1 「要素」や「メッシュ」に依存する有限要素解
 2.2 有限要素解析におけるメッシュ細分化の応用
 2.3 まとめ
第3話 要素の“からくり”!
 3.1 関数近似―単純な関数の重ね合わせで表現
 3.2 要素内の関数近似
 3.3 要素形状の「ゆがみ」と近似制度
 3.4 まとめ
第4話 ロッキングとその逃れ方
 4.1 ロッキング現象とその発生メカニズム
 4.2 ロッキングからの逃れ方
 4.3 体積およびせん断ロッキング現象の数値実験
 4.4 まとめ
第5話 知ってそうで知らない境界条件処理のいろいろ
 5.1 等分布荷重は均等にした集中荷重と同じでいいの?
 5.2 無限・半無限弾性領域解析の落とし穴
 5.3 点支持・点載荷の落とし穴
 5.4 対称条件は使える?使えない?
第6話 材料モデルと材料パラメータの正しい決め方の極意
 6.1 代表的な材料モデル
 6.2 材料パラメータの同定方法
 6.3 材料パラメータ同定の実例
 6.4 材料マラメータ同定の留意点
第7話 固体の非線形解析って何?
 7.1 何が非線形なんですか?
 7.2 材料非線形とは?
 7.3 幾何学的非線形性とは?
 7.4 境界の非線形性とは?
第8話 固体の非線形問題,どう解くの?
 8.1 増分解法って何ですか?なぜ必要なのですか?
 8.2 反復解法って何ですか?
 8.3 収束判定:残差が小さいってどのくらい?
 8.4 制御とは?
 8.5 経路はいつも1つ?
第9話 固体の非線形解析における2つの論点
 9.1 “速度形”の正体
 9.2 トータルラグランジュと更新ラグランジュは何が違うのか?
第10話 破壊現象の数値解析の罠
 10.1 破壊現象の数理問題の特長
 10.2 弾塑性解析のメッシュ依存性
 10.3 弾塑性解析の解の唯一性の喪失
 10.4 木列先端の特異性
 10.5 個別要素法による連続体体積の落とし穴
第11話 動的解析における時間発展のとらえ方
 11.1 時間積分
 11.2 陰解法と陽解法 
 11.3 時間積分の数値特性
 11.4 保存性 
第12話 周波数領域からながめた動的問題
 12.1 時間領域と周波数領域
 12.2 離散フーリエ変換
 12.3 因果性
 12.4 無限領域
 12.5 レイリー減衰
第13話 FEM流体解析の登竜門
 13.1 偏微分方程式の型とその特徴を知る
 13.2 移流計算の難しさ
 13.3 定常問題における安定化手法
 13.4 非定常問題における安定化手法
第14話 FEMによるナビエ‐ストークス流れへのいざない
 14.1 ナビエ‐ストークス流れの特徴
 14.2 数値不安定性とその回避
 14.3 直接法と分離型解法による離散化
第15話 流れ解析における要素選択とメッシュ分割の心得
 15.1 要素の違いが解におよぼす影響を理解しよう
 15.2 メッシュ分割の留意点
 15.3 解析領域の設定をしよう
 15.4 まとめ
第16話 なぜ必要?乱流モデル
 16.1 計算流体力学(CFD)手法とは?
 16.2 直接数値シミュレーション(DNS)はなぜ困難?
 16.3 乱流モデルを導入しよう
 16.4 RANSモデルとLES(SGSモデル)の利点・欠点は?
第17話 ラグランジュ的かオイラー的か?自由表面流れ問題
 17.1 自由表面流れ問題の解析手法
 17.2 界面追跡法と界面補足法の特徴と課題
 17.3 まとめ
第18話 連成シミュレーションの世界へ
 18.1 連成問題における因果関係とそれに基づく分類
 18.2 各連成因子に対する連成解析の概要
 18.3 さまざまな連成解析手法 
 18.4 連成解析における注意点
第19話 比べてみよう 有限差分法と有限体積法
 19.1 有限差分法と有限体積法の基礎となる考え方を知ろう 
 19.2 有限差分法による離散式を導出してみよう
 19.3 有限体積法による離散式を導出してみようお
 19.4 有限差分法と有限体積法の利点・欠点をまとめよう
第20話 知っていますか? 境界要素法
 20.1 なぜ境界上の離散化だけで問題が解けるのか
 20.2 境界要素法における離散化手法の特徴と注意点
 20.3 「境界だけの離散化で効率的」なのは本当なの?
 20.4 境界要素法が得意とする問題
第21話 連立一次方程式ソルバーに関する豆知識
 21.1 直接法と反復法の違い
 21.2 非定常型反復解法のチューニング技術(前処理)
 21.3 検証! 非定常型反復解法の定説
 21.4 ソルバー選択に関する総括
第22話 並列計算の“こつ”
 22.1 並列計算機の仕組みと並列化のポイント
 22.2 連立一次方程式ソルバーの並列化 
 22.3 並列計算導入のガイド
第23話 プリプロセスの勘所
 23.1 人に聞けないプリプロセスにかかわる用語の意味
 23.2 いまさら聞けないプリプロセスの疑問点
 23.3 プリプロセッサ導入へのガイド
 23.4 実用化されているメッシュ生成手法
 23.5 まとめ

定価:3,520円
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