内容紹介
『赤毛のアン』から『タイタニック』、J・ミッチェルからシルク・ドゥ・ソレイユまで、多文化主義を掲げるカナダ文化を初めて包括的に捉えた注目の書。想像力豊かなカナダ文化の精神的特色は、「サバイバル」にあった!
目次
第1部 サバイバル/ 第1章 M・アトウッドのサバイバル論――犠牲者の四つの態度/ 第2章 『タイタニック』/ 第3章 『赤毛のアン』――イギリス系のサバイバル/ 第4章 『マリア・シャプドレーヌ』――フランス系のサバイバル/ 第5章 『三十アルパン』――忍び寄る近代化/ 第6章 『アガグック物語』――イヌイットのサバイバル/ 第7章 『束の間の幸福』――サバイバルから現実へ/ 第8章 『赤毛のアン』と『束の間の幸福』の比較――キッチュの可能性//第2部 ありのままの現実・見えにくい現実/ 第1章 アメリカ化しないカナダ――『炎と水』/第2章 フランコフォンの変容/ 第3章 現実と向き合う歌/ 第4章 抑圧への反抗――『石の天使』と『やあ、ガラルノ―』/ 第5章 近代化への警告――フレデリック・バック/ 第6章 日系作家のカムアウト/ 第7章 移民作家の見る現実/ 第8章 ケベックにおける舞台芸術の隆盛/ 結論にかえて