内容紹介
明治・大正時代の史論家である山路愛山は、植民地主義が支配する世界の中で日本教育と学問を批判的に考察し、忘れられていた沖縄、海民、女性の歴史を通して、新しい日本の発展の道を示そうとした。こうした戦前の日本の歩みを「価値のないもの」とする戦後の言論界の傾向を、本書が少しでも見直す手掛かりとなれば幸いである。
目次
第一章 日本国民性論によって日本をできるのか?/第二章 ドイツ教育学は近代日本の国家主義教育を助長したのか?/第三章 自己犠牲としての武士道とは何だったのか?/第四章 天照大神信仰は建国以来不変だったのか?/第五章 沖縄と日本史の接点としての源為朝渡溜伝説/第六章 沖縄にはわすれられた日本が残っているのか?/第七章 日本は海で囲まれた孤立した島国だったのか?/第八章 沖縄から見える新しい日本の「女の歴史」