内容紹介
終戦直前、比ルソン島で散華した若原太八。しかし、その戦死の確かな状況は遺族にも長く不明のままだった。3つある戦没日の謎を解き、満州・撫順で太八が過ごした青春を掘り起こすノンフィクション戦記。
目次
はじめに/第1部 戦死の謎 <2年後に届いた「戦死公報」の謎 運命のツゲガラオ 川口大隊の陣地構築 バヨンボンとバガバッグの放棄 ファームスクールとサントドミンゴ峠の攻防戦 6月14日の日米交戦 斬り込みと太八の戦死 敗走と降伏の地キアンガン 森澤誠隊長の死 第1独立整備隊の誕生>/第2部 太八のファミリー・ヒストリー <遺品は語る〜徴兵から出征へ〜 貯金通帳と手紙 太八の誕生 若原家の生業 弟たちの誕生と祖父太郎吉の死 「組合立」大野尋常高等小学校 戦争と学校 太八はなぜ撫順を目指したのか>/第3部 撫順の青春 <石炭液化工場の夢 人造石油ブーム 太八の職場 松岡町の寮生活 東光塾と青年学校 消えた石炭液化油の夢>/おわりに/あとがき/参考文献