終末期医療を考えるために

終末期医療を考えるために

検証 オランダの安楽死から
著者名 盛永 審一郎
ベイツ 裕子 編集協力
発行元 丸善出版
発行年月日 2016年12月
判型 四六 188×128
ページ数 176ページ
ISBN 978-4-621-30114-2
Cコード 0047
NDCコード 492
ジャンル 医学・薬学 >  医学一般 >  医療倫理

内容紹介

オランダとベルギーでは、2012年に前後してに安楽死法を施行し、オランダでは2015年に5,516件、ベルギーでは、2,021件の安楽死の届け出があった。安楽死を考えるということは、苦痛の中で苦しむ末期がん患者のケースだけではなく、「生きるのに疲れた」という患者にとっての実存的苦悩をも考える対象とすることではないだろうか。本書は、オランダで耳鳴りによる耐えがたい苦痛から、安楽死を望み永眠した女性のケースを取り上げ、患者の死ぬ権利、医師の側における死の介助を拒否する権利など、さまざまな見地から検討されてきたオランダの安楽死法制定に至る背景を検証した。そしてまた、生命終結のありかたをめぐる、日本における終末期医療のあるべき姿について考えるために書かれた一冊でもある。

目次

プロローグ  
第1章 オランダ安楽死の現状――二つの委員会報告
 1・1 医療上の生命終結の三つのタイプ
 1・2 レメリンク委員会報告
 1・3 安楽死審査委員会(RTE)報告
 1・4 オランダ安楽死の最近の動向と現状のまとめ
第2章 オランダ安楽死法の原理
 2・1 「注意深さの要件」
 2・2 思いやり・ケアリング 
第3章 安楽死審査委員会
 3・1 安楽死審査委員会(RTE)――透明性
 3・2 安楽死後の手順
 3・3 『実施手引書』(Code of Practice 2015)
第4章 家庭医制度――信頼性と安楽死クリニック
 4・1 家庭医と信頼性
 4・2 安楽死クリニック(SLK)
第5章 オランダにおける現在の課題
 5・1 認知症/精神疾患のケース
 5・2 安楽死の宣言書
第6章  耳鳴りのケースの裁定 
 6・1 耐え難い苦痛の問題
 6・2 耳鳴りのケース
第7章 「華ちゃんのケース」との比較
 7・1 華ちゃんのケース
 7・2 尊厳死と安楽死
 7・3 究極の問い
エピローグ――「人生の終焉」法
おわりに
資料
 資料/A―1〜A―6 レメリンク委員会
 資料/B―1〜B―7 安楽死審査委員会(RTE)
 資料/C―1〜C―5 安楽死クリニック(SLK)
 資料/D―1 著者作成資料
付録〈1〉裁定
 ケース2014―05 ケース2015―64
 ケース2012―06 ケース2013―11
付録〈2〉関連用語集

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