社会福祉学事典

社会福祉学事典

著者名 日本社会福祉学会 事典編集委員会
白澤 政和 編集委員長
発行元 丸善出版
発行年月日 2014年05月
判型 A5 210×148
ページ数 812ページ
ISBN 978-4-621-08814-2
Cコード 3536
NDCコード 369
ジャンル 社会科学 >  社会科学_総記・事典・便覧
社会科学 >  社会福祉

内容紹介

社会福祉という領域は、超「少子高齢社会」の現代日本では、市場の関心も高く、教育や保健医療などと並んで、脱工業社会時代のリーディング・インダストリーとしてその存在意義をますます大きくしている。 本書は、この社会福祉を実際に手がけていく上で必要な予備知識や方法上のガイドライン、イシュー(論点・争点)までを網羅し、実務レベルでさまざまに社会福祉に関わる人びとが、現場に即して活用できるように構成された中項目事典。

目次

第I部 基礎編
 1章 原理・思想
  〈社会福祉の基本原理・思想〉
    貧困/ソーシャル・ニーズ/利他主義/互助・互酬/福祉の権利/ノーマライゼーション/自立支援/社会正義/社会連帯/公共性
  〈政策に関わる原理・思想〉
    劣等処遇/ナショナル・ミニマム/社会的包摂
  〈援助に関わる原理・思想〉
    援助関係/エンパワメント/自己決定/利用者主体
 2章 歴史
  〈総論〉
    福祉史の特質と課題/時代・時期区分/理論・学説史/政策史・実践史
  〈前近代・近代の救済〉
    前近代の救済の諸相/近代の救済思想/近代国家の救済策/慈善事業の諸相
  〈20世紀以降―戦前〉
    社会事業の思想/社会事業の諸政策/民間の社会事業/戦時下の社会事業
  〈20世紀以降―戦後〉
    被占領下の社会福祉/経済成長と社会福祉/「福祉見直し」のはじまり/転換期の社会福祉
  〈海外からの影響〉
    海外関係史――イギリス/海外関係史――アメリカ/海外関係史――ドイツ
 3章 方法1(政策と運営)
  〈福祉国家機構の基本体系〉
    福祉国家の体系/再分配機能/社会保険と税/資源供給方策の組み合わせ・連携/国と地方の関係
  〈福祉資源運用の基準と方法〉
    最低保証・基準/福祉多元主義/選別的普遍主義/現金・現物・サービス給付/費用/裁量/割当/福祉計画
  〈福祉改革のパラダイム〉
    パブリック・マネジメント/準市場/民営化/利用契約制度/私的扶養と社会福祉
  〈サービス提供主体の運営〉 
    公的機関/事業経営/社会福祉法人/NPO/民間営利部門
 4章 方法2(ソーシャルワーク)
  〈歴史的展開〉
    ソーシャルワークの制度/問題解決アプローチと課題中心アプローチ/ソーシャルワークの統合化
  〈ソーシャルワークの価値と論理〉
    ソーシャルワーク実践の価値と倫理/倫理的ジレンマ/ソーシャルワークと多様性
  〈ソーシャルワークの過程〉
    ソーシャルワークの過程/アセスメントとプランニング/ソーシャルワークの評価
  〈ソーシャルワークの機能と方法〉
    ソーシャルワークの機能/ソーシャルワークの面接/アウトリーチ/アドボカシー/チームアプローチと連携・協働/ソーシャルワークにおける媒介概念/ソーシャルワークとネットワーキング/ソーシャルワークにける社会資源/ケアマネジメントとソーシャルワーク/ソーシャルアクション/スーパービジョンとコンサルテーション
  〈ソーシャルワークを支える理論〉
    システム論とエコロジカル・ソーシャルワーク/エンパワメントとストレングス/モダンとポストモダンのソーシャルワークへの影響/ナラティブ・アプローチ
  〈現代のソーシャルワークの動向〉
    施設ソーシャルワーク/ジェネラリスト・ソーシャルワーク/地域を基盤としたソーシャルワーク/災害ソーシャルワーク/国際ソーシャルワークの展開
第II部 応用編
 1章 生計を支える
  〈貧困の諸相〉
    貧困の実態/貧困とスティグマ/貧困と社会的孤立/子ども・若者の貧困/ホームレスと貧困
  〈所得補償の理念と体系〉
    貧困と自立/ベーシックインカム/わが国における貧困対策の体系/外国における公的扶助
  〈生計を支える諸制度:所得補償・低所得対策〉
    児童手当(社会手当)のあり方/ひとり親世帯の貧困と児童扶養手当/高齢者の医療・介護における保険料・利用者負担/障害年金と福祉サービスの利用者負担のあり方/若者・稼働層の生活保護・第二のセーフティネット/貧困・低所得者と貸付/日本における高齢期の貧困と年金制度/外国における年金制度
  〈生活保護制度の動向〉
    生活保護改革/生活保護の実施機関/地域の拠点としての保護施設/生活保護と争訟権
  〈貧困・低所得をめぐる動向〉
    ホームレス対策/貧困とソーシャルワーク/貧困と運動(反貧困運動)/災害と貧困/貧困ビジネス
 2章 健康を支える
  〈精度・政策・社会〉
    国民皆保険制度の特徴と課題/国民医療費の構造と論点/患者負担軽減の諸制度と医療扶助の課題/診療報酬制度の変遷と特徴/日本の医療提供体制の特徴と課題/日本の精神科医療・精神保健福祉の特徴/介護保険制度の変遷と課題/障害者支援の諸法と課題/健康格差/障害の構造とICF,QOL
  〈実践基盤〉
    保健・医療分野におけるソーシャルワーカー/疾病・障害に伴う生活課題とソーシャルワーク/保険医療と社会福祉の連携
  〈当事者理解〉
    障害受容/グリーフケアとソーシャルワーク
  〈患者・家族の支援〉
    認知症ケアとソーシャルワーク/ターミナルケアとソーシャルワーク/精神疾患・障害とソーシャルワーク/制度の谷間にある疾病・障害とソーシャルワーク/災害医療とソーシャルワーク
  〈地域生活と健康〉
    退院支援・地域生活移行とコミュニティケア/高齢者の健康維持・介護予防/介護・介護負担tソーシャルワーク
 3章 働く・社会参加を支える
  〈就労支援をめぐる動向〉
    ワークフェア/ソーシャル・エンタープライズ/就労支援NPO/公的扶助と就労支援
  〈女性を支える〉
    女性の就労と自立/ジェンダー指標と女性の地位/育児休業制度と就労
  〈若者を支える〉
    閉じこもり・ひきこもり/若年無業者支援/地域若者サポートステーション
  〈高齢者を支える〉
    高齢者と就労/高齢者の社会活動支援/ワーカーズコープと就労支援
  〈障害者を支える〉
    障害者総合支援法と就労支援/就労移行支援/就労継続支援/障害者権利条約と雇用・就労法制/障害者のための効果的就労支援モデル/障害者所得保障と就労/障害者の社会活動支援
  〈海外からの影響〉
    被災地復興と就労保障
  〈被災地を支える〉
 4章 育ちを支える
  〈総論〉
    子ども観の変遷と子どもの権利条約/親権と子どもの人権/少子化・次世代育成への計画的取り組み/子ども家庭相談の体系/子ども家庭福祉における自立支援の意義と展開/子ども家庭福祉の今日的課題
  〈社会的養護〉
    社会的養護改革/家庭養護の推進/子ども虐待への対応/地域における子ども虐待対応支援/社会的養護における自立支援の実践と課題/母子自立支援政策の展開と課題/学校教育が抱える課題
  〈地域子育て支援と保育・教育〉
    子どもの健全育成施策の展開と課題/子どもの放課後問題/地域子育て支援の展開と課題/就学前保育・教育施策の展開と課題/生涯学習社会と福祉教育
  〈障害のある子どもの支援〉
    発達障害のある子どもへの支援/障害のある子どもの育ちと支援1――地域における支援/障害のある子どもの育ちと支援――障害児福祉施設における支援/障害等の特別な配慮を要する子どもの学校教育の展開
  〈ソーシャルワーク実践〉
    子ども家庭福祉とファミリーソーシャルワーク/保育ソーシャルワークの意義と必要性/スクール(学校)ソーシャルワークの機能と実施状況
 5章 住まうを支える
  〈居住支援の基礎理論〉
    公共政策としての住宅政策/空間としての住まい/コミュニティの居住環境
  〈居住型施設と住宅・ケア〉
    施設に住まう/施設の住宅化/ケア付き居住型ホーム/グループホーム/バリアフリー住宅/ユニバーサルデザイン/LSA(Life Support Adviser)
  〈居住支援の政策と実践〉
    中山間地域の居住環境/災害と住宅/ホームレスと住まい/高齢者の居住の安定確保に関する法律/家賃補助と保証人制度/緊急避難所(シェルター)/リバース・モーゲージ
 6章 人権を支える
  〈社会福祉と人権を支えるための理論〉
    権利保障の方法/ソーシャルワークと人権保障/権利譲渡の理念と実践/国際福祉と人権/代行決定と自己決定
  〈社会福祉と人権を支えるための制度〉
    福祉サービスの利用者と人権――実定法の解釈と運用/人権と社会保障裁判/権利擁護の法制度
  〈社会福祉と人権をめぐる諸問題〉
    多文化共生と人権保障支援/ジェンダーに関わる人権問題/司法福祉と権利擁護/障害者支援と権利擁護システム/障害者の生活支援と権利擁護/精神障害者を支える実践と権利擁護/高齢者の人権を支える実践活動の意義と課題/高齢者虐待防止に関わる権利擁護/子どもの人権の制度的保障/被害者の人権を支える実践/同和問題と社会福祉/差別と医療福祉の関わり
 7章 家族・地域を支える
  〈家族を支える〉
    家族への支援とファミリーソーシャルワーク/家族の養育機能の変化と養育制度/家族の介護機能の変化と介護制度/ひとり親家族への支援/多問題家族
  〈地域を支える〉
  
    コミュニティケアの理念と展開方法/まちづくりとソーシャルワーク/地域のネットワークづくり/地域包括ケアの考え方と方法/地域の福祉力の育成/ソーシャルキャピタルの開発と活用/地域再生とコミュニティビジネス/コミュニティ・ガバナンスと住民自治/地域福祉基金と寄付文化/限界集落における地域生活支援/社会的孤立と地域での支え合い/災害時の地域生活支援/防災・減災のためのコミュニティづくり
  〈家族・地域を支える機関と専門職〉
    社会福祉協議会の役割と課題/地域包括支援センターの役割と課題/相談支援事業所の役割と課題/福祉NPOの役割と課題/介護支援専門員・相談支援専門員のソーシャルワーク/コミュニティソーシャルワーカー(CSW)の活動/民生・児童委員の地域活動/ボランティア活動と住民参加/セルフヘルプグループ/レスパイトサービス/地域移行支援
第III部 研究・教育編
 1章 研究方法
  〈総論〉
    社会福祉研究の社会的,実践的意義/社会的福祉研究と倫理/エビデンスに基づく実践(EBP)とソーシャルワーク/研究課題の設定と研究デザインの選択
  〈社会福祉研究デザイン〉
    質的研究方法論の発展――到達点と課題/量的研究方法論の発展――到達点と課題/介入評価研究法の発展――到達点と課題/プログラム評価研究法の発展――到達点と課題/事例評価研究法の発展――到達点と課題/理論研究方法論の発展――到達点と課題/社会福祉政策研究方法論の発展――到達点と課題/歴史研究方法論の発展――到達点と課題/国際比較研究方法論の発展――到達点と課題
  〈研究資料の収集方法・分析方法〉
    社会福祉調査法の発展――到達点と課題/社会福祉学研究におけるデータ分析手法の発展――到達点と課題/テキストマイニングの発展――到達点と課題/文献レビュー,系統的レビューの発展と課題/メタ分析
  〈研究成果の公表〉
    論文執筆・投稿ガイドライン 
 2章 教育 
  〈社会福祉専門教育の現状と課題〉
    社会福祉専門教育の変遷―日本/プロフェッショナルソーシャルワーカー教育の変遷――国際/日本の社会福祉専門職養成の現状と課題/福祉系高等学校の役割と教育への期待/専門職養成とリベラルアーツ教育/ソーシャルワーク実習教育の課題と展望/IPE(多職種連携教育)の実際
  〈大学院教育と高度専門職養成・研修〉
    大学院教育における研究者養成/大学院教育における高度専門職教育/高度専門職の認定資格の意義と現状/ソーシャルワーカーの生涯研修プログラム
  〈海外のソーシャルワーク教育と資格〉
    ソーシャルワークの資格と養成教育――アメリカ/ソーシャルワークの資格と養成教育――カナダ/ソーシャルワークの資格と養成教育――イギリス/ソーシャルワークの資格と養成教育――スウェーデン/ソーシャルワークの資格と養成教育――韓国/ソーシャルワークの資格と養成教育――中国
  〈社会福祉教育の新潮流〉
    多文化ソーシャルワーク教育の実際/地域福祉の推進と福祉教育/サービス・ラーニングの動向と課題/持続可能な開発のための教育(ESD)の動向と課題/遠隔教育(通信・e-learning)の現状と課題/ボランティアコーディネーター養成の現状と課題/災害ソーシャルワーク教育の創出
 3章 マンパワー・人材
  〈総論〉 
    マンパワー・人材養成確保の体系と課題/社会福祉専門職の制度・施策/福祉人材確保施策の動向/福祉の専門職性と資格/職能団体と社会活動/社会福祉教育団体と専門職養成/日本学術会議等の資格制度の提言/福祉人材の研修システム/当事者活動・住民自治における福祉人材
  〈領域別のマンパワー人材の現状と課題〉
    福祉サービスの運営管理者/高齢者福祉における福祉人材/障害者福祉における福祉人材/児童・家庭福祉における福祉人材/貧困者支援における福祉人材/地域福祉における福祉人材/司法福祉における福祉人材/福祉相談機関における福祉人材/医療福祉における福祉人材/精神保健福祉における福祉人材/権利擁護における福祉人材/災害時の生活支援における福祉人材/まちづくり・地域再生における福祉人材/地域ケアにおける専門職連携/外国人介護労働者

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