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社会の様々な問題解決に役立つ15分野からなる中項目事典『応用心理学事典』

日本応用心理学会 編
編集委員長 : 岡村一成(日本応用心理学会理事長)
発行:丸善出版株式会社
A5判・696頁 上製・函入 本体価格20,000円  ISBN 978-4-621-07807-5

細分化された現代心理学の諸分野の研究水準を浮き彫りにし、今後の研究活動に有効な情報を提供。心理学に関心を持つ人びとが心理学に対する偏った知識を無くし、心理学により興味を抱かれ、社会においてさまざまな問題解決に役立つ待望された読み物としても楽しめる中項目事典。執筆者は総勢で約240名。

 

【心理学に対する偏った知識を無くし、社会の様々な問題解決に役立つ15分野からなる中項目事典】
現代の心理学が多くの分野に分化し、応用され発展してきた内容をわかりやすく解説。
私たちの生活に密着した身近な学問として正しく理解するための事典。
細分化された現代心理学の諸分野の研究水準が浮き彫りにされ、今後の研究活動に役立つ情報を提供。
日本応用心理学会の役員および会員約240名による執筆。300項目を見開き2頁で解説。
心理学に関心を持つ人びとが偏った知識を無くし、心理学により興味を抱かれ、社会においてさまざまな問題解決に役立つ一冊。
付録には、文献ガイドや日本心理学諸学会連合加盟学会連絡先など役立つ情報を掲載。

 

刊行の言葉
2007年1月 人は人の「こころ」について大きな関心を寄せています。昔から「こころ」とはなにか、「精神」とはなんだろうという議論が盛んに行われていました。心理学の歴史をたどると、人間が地球上に現われたときにまでさかのぼってしまうほどです。
 近年、若い人たちの間で、「心理学」が大変ブームになっています。マスコミでも心理学に関したテーマがよく取り上げられています。好奇心の強い若者たちが「こころ」というテーマに深い関心を寄せていることがわかります。しかし、巷にはこころを探索するゲーム感覚の本や占い的な、興味本位のものが多く氾濫し、科学としての心理学に対する誤解を生じさせています。また、一般に心理学というと、カウンセリングなど心理臨床関係の研究や実践と思われるなど、心理学に対する関心に偏りもみられています。
 現代の心理学はその研究領域もきわめて広く、人間行動のあるところすべて心理学の研究分野であるというほど、私たちの生活に密着した学問になっています。そして、心理学の研究は社会の具体的な問題解決に大きな役割を担っているのです。
 我が国の応用心理学的研究活動は1920年頃からすでに芽生え始めておりましたが、心理学の学会は「日本心理学会」に限られていて、いわゆる実験・基礎の研究が中心でした。このような中で、心理学の研究が社会の具体的な問題解決に資することを目指して、広い専門領域の研究者を糾合して1936年に設立されたのが「日本応用心理学会」でした。第二次世界大戦中(1941年~1945年)はその活動を停滞していましたが、戦後1946年(昭和21年)に復興第1回大会が開催され、以来本格的な学会活動が展開されてきました。学会の復興当初は、その組織の中に、教育心理部会・臨床心理部会・産業心理部会・犯罪心理部会・相談部会など多岐にわたる部会を持っていましたが、やがて心理学が多くの分野に分化して発展するようになり、これらの部会はそれぞれ1つの学会として独立していきました。今日、心理学関連の学会はゆうに40を超え、心理学の研究は細分化の傾向を強めつつあります。
 このような状況にあっても、日本応用心理学会は、今もさまざまな領域の会員を擁し、学会の志と長い伝統を大切に実績をあげており、心理学界全体の発展にとってその役割はきわめて大きいものと思われます。
 そこで、日本応用心理学会では設立(復興)60周年を記念して、現代の心理学が多くの分野に分化し、応用され発展してきた内容を、わかりやすく解説し、身近な学問として正しく理解してもらうことを狙いとして、この『応用心理学事典』を企画いたしました。
 ここでは、現代心理学の代表的な応用領域を15分野で精選しました。心理学に興味を持ち、心理学の応用知識を得たい人や、ご自分の専門分野以外で知りたいことのある人が学びやすいように工夫されています。また、中項目主義をとっており、現代の応用心理全般を眺望できる読み物としても活用できるものです。
 この事典は、日本応用心理学会の役員によって各分野の重要な項目が選定され、約240名にわたる会員(一部非会員も含む)の協力を得て執筆されたもので、まさに本学会の英知の結集であります。本事典によって、細分化された現代心理学の諸分野の研究水準が浮き彫りにされ、今後の研究活動に有効な情報を提供することができたことと思います。また、心理学に関心を持つ人々が、心理学に対する偏った知識をなくし、心理学により興味を抱かれ、社会においてさまざまな問題解決に役立つことを期待しております。    2006年12月
日本応用心理学会理事長 岡村 一成

 

『応用心理学事典』編集委員一覧

 

【編集委員長】
岡村 一成 東京富士大学学長/日本応用心理学会理事長

【編集副委員長】
藤田 主一 日本体育大学体育学部教授

【編集幹事】(五十音順)
田中 真介 京都大学高等教育研究開発推進センター助教授
内藤 哲雄 信州大学人文学部教授
松浦 常夫 実践女子大学人間社会学部教授

【編集委員】(五十音順)
浮谷 秀一 東京富士大学短期大学部教授
大橋 信夫 日本福祉大学情報社会科学部教授
荻野 七重 白梅学園短期大学心理学科教授
川本利恵子 産業医科大学産業保健学部教授
大坊 郁夫 大阪大学大学院人間科学研究科教授
田之内厚三 麻布大学環境保健学部教授
玉井 寛 福島学院大学短期大学部教授
外島 裕 日本大学商学部教授
藤森 立男 横浜国立大学大学院国際社会科学研究科教授
細江 達郎 岩手県立大学社会福祉学部教授
松田 浩平 文京学院大学人間学部教授

 

【目 次】(本書で解説される見出し項目例)

 

1.認知心理学
認知心理学の展開/意識と感覚/注意と知覚/イメージの認知/シェマとスキーマ/記憶のメカニズム/意味記憶
2. 感情・欲求心理学
泣くから悲しい/悲しいから泣く/笑い/怒り/文化と感情表現/脳と感情/EQ/プルチックの感情の心理進化論
3. 発達心理学
胎児の知覚世界-胎生期の発達と発達保障/「9歳の壁」と教育の役割/発達障害をもつ子どもたち/親子関係
4. 教育心理学
学習意欲/進学熱と学習塾/キレる子ども/いじめ/不登校/体罰/スクールカウンセラー/教師の再教育/学力
5. パーソナリティ心理学
性格のタイプ/フロイトとユング/絵が表す性格/血液型と性格/ジェンダー/多重人格/きょうだいの性格
6. 臨床心理学
治療的人間関係/アセスメント/DSM/コンサルテーション/行動療法と認知療法/東洋的心理療法/ひきこもり
7. 健康心理学
健康維持の生理的メカニズム/疾病誘発パーソナリティ/ストレスコーピング/ダイエットと肥満/ロハス
8. 看護・医療心理学
患者心理とケア/ボディイメージの喪失/妊娠と不安/慢性病のケア/民間療法/医療倫理/医療情報の開示
9.福祉心理学
クオリティ・オブ・ライフ/社会福祉援助技術/障害児教育/老人ホーム/統合失調症患者の支援/虐待
10. 犯罪心理学
犯罪者像/企業犯罪と業務上犯罪/窃盗・強盗の発生過程/性犯罪/薬物犯罪/詐欺の心理/犯罪を誘発する環境
11. 社会心理学
自己の対人作用/認知的均衡モデル/化粧行動/対人関係の展開/社会的迷惑行動/リーダーシップ/異文化適応
12. 産業・組織心理学
組織行動/管理職の評価/能力開発/メンター/ワークモチベーション/過労死/産業カウンセリング/ヒット商品
13. 交通心理学
運転適性検査/交通事故の定義と交通事故統計の分析/歩行者行動と事故/航空事故と鉄道事故/初心運転者
14. 災害心理学
災害と情報/リスク認知/災害パニック/救援者の惨事ストレス/災害ボランティア/災害とマス・メディア
15. 芸術心理学
芸術療法/音楽と感情/美術造形の心理/芸術鑑賞行動/観客の心理/文芸心理学/瞑想と芸術/伝統芸術の心理
付録 : 心理学の歴史と理論/さらに学びたい人のための文献ガイド/日本心理学諸学会連合・加盟学会一覧

 

組見本

 

 

 

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