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心理臨床研究の最前線が見渡せる中項目事典『心理臨床学事典』

日本心理臨床学会 編
A5判・774頁 本体価格15,000円 ISBN978-4-621-08408-3

発 行:丸善出版株式会社


今日の心理臨床研究の最前線が見渡せる中項目事典

1項目、2ページ/4ページで解説する「中項目主義」
豊富な図表や写真などを用いて、わかりやすく解説
専門家はもちろん、学生・現場の方々にも大変役立つ内容

 

[編集委員長]
 鶴  光代
 日本心理臨床学会理事長 跡見学園女子大学文学部
[副編集委員長]
 岡田 康伸
 京都文教大学臨床心理学部
[編集幹事]
 小川 俊樹
 筑波大学大学院人間総合科学研究科
 
 堀越  勝
 国立精神神経医療研究センターCBTセンター
 
 溝口 純二
 東京国際大学人間社会学部
[編集委員]
 青木紀久代
 お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科
 
 一丸藤太郎
 広島国際大学大学院心理科学研究科
 
 奥村茉莉子
 帝京平成大学健康メディカル学部
 
 川嵜 克哲
 学習院大学文学部
 
 永井  撤
 首都大学東京大学院人文科学研究科
 
 野村 俊明
 日本医科大学医学部
 
 野村 晴夫
 奈良女子大学大学院人間文化研究科
 
 馬場 禮子
 山梨英和大学大学院人間文化研究科
 
 針塚  進
 九州大学大学院人間環境学研究院
 
 深津千賀子
 大妻女子大学大学院人間文化研究科
 
 藤原 勝紀
 京都大学名誉教授
 
 松本真理子
 名古屋大学発達心理精神科学教育研究センター
 
 森谷 寛之
 京都文教大学臨床心理学部

 

刊行にあたって (抜粋)

 1982年に我が国で「心理臨床学」という新たな名称のもと、心理臨床の研究と実践への取り組みを始めて30年を経ました。その間、心理臨床関係の研究と実践活動は格段の進歩と拡がりを見せています。その背景には、社会からの強い関心と要請があったことが挙げられます。
 学校では不登校に続くいじめの問題、エイズやがんへの新たな心理的対応、被害や被災への心理的支援等々において、社会への貢献が求められるようになりました。また、こうした諸問題への対応だけではなく、より健やかで生き甲斐のある人生への心理支援の要請もあり、子育て支援やストレスマネージメント教育、高齢者健康心理支援など多彩な心理臨床活動が活発になっています。こうした社会的要請のなか、心理臨床学界のみならず心理学界の実践家および研究者の多くがそれらに応えるべく精力的に活動して、今日の発展の姿があるといえます。
 本事典は、心理臨床学を中核に隣接領域や関連領域をもカバーしながら、その内容を大きく10の大項目に分け、さらに「資料」を加えた構成となっています。大項目は、「心理臨床とは」、「教育」、「医療」、「福祉」、「司法・矯正」、「産業」、「地域・文化」、「家族」、「被害者支援」、「研究」の10分野にわたっています。この大項目の下に、基礎基本となるテーマや最新研究成果、関心の高いトピックス等に言及した内容を、1項目、2ページで解説する「中項目主義」のスタイルを基本としました。本事典の各項目とその内容は、専門家のみならず、学生や一般の方々にも大変興味深くかつ理解しやすいものとなっています。本事典が今後長年にわたって価値あるものとして、多くの人に活用されることを願っています。
 日本心理臨床学会は、1982年3月22日に、‘心理臨床に関して専門的な科学的研究を行うこと’を目的として設立されましたが、2009年4月1日に、それを引き継いで、「一般社団法人日本心理臨床学会」として新たにスタートしました。現在、一般社団法人としての3年目に入っていますが、‘心理臨床学の進歩普及を図り、わが国の学術の発展に寄与する’という本会の目的は、ますます大きくなっているところです。『心理臨床学事典』の刊行は学会の使命の一つの体現でありますが、これを機に、心理臨床学の研究が多様性を持ちながらより深まり、その実践が社会的にさらに意義あるものに発展していくことを願うばかりです。
2011年7月

一般社団法人日本心理臨床学会 理事長 鶴 光代

 

 

目 次

1.心理臨床とは
心理臨床学とは/科学史における心理学の登場/心理臨床研究の独自性/心理臨床とは/学派とその流れ/日本の臨床心理学の歴史/フロイトとその学説の展開/ユングとその学説の展開/ロジャースとその学説の展開/臨床心理学における原理/意識,前意識,無意識—精神力動論/対象関係論/認知行動理論/夢の理論/発達臨床の理論/精神分析/分析的心理療法/クライエント中心療法/フォーカシング/人生哲学感情心理療法/認知療法/エクスポージャー療法/応用行動分析学・機能分析/現存在分析/ゲシュタルト療法/交流分析のパーソナリティ理論/遊戯療法/集団療法/イメージ療法/箱庭治療/絵画療法/コラージュ療法/音楽療法/ナラティブ/統合的心理療法/催眠療法/自律訓練法/森田療法/内観療法/臨床動作法/ムーブメントセラピー/SST/アセスメントの目的と理論/アセスメント面接/認知行動アセスメント/質問紙法検査/投影法心理検査/作業検査法/知能検査/ロールシャッハ法/TAT/描画法/風景構成法/発達障害のアセスメント/認知症のアセスメント/インテーク面接/ロールプレイング/スーパーヴィジョン/教育分析/心理臨床家の倫理/法律と心理臨床/文化と心理臨床/芸術と心理臨床/宗教と心理臨床

2.教育
教育と心理臨床/乳幼児の心理的課題と問題/児童期の心理的課題と問題/思春期の心理的課題と問題/青年期の心理的課題と問題/発達障害/AD/HD/LD(学習障害)/広汎性発達障害/アスペルガー障害(症候群)/不登校/いじめ/ひきこもり/学級崩壊/IT・ゲーム依存/教育場面での心理査定/保育臨床相談/特別支援教育/性教育/自立支援教育/親支援/学校・教師への支援/スクールカウンセラー/教育相談センター/学生相談/大学期の発達障害/大学での問題行動—薬物依存—/大学期におけるハラスメント/学校での心理診療/ストレスマネジメント教育/心理臨床家の養成教育

3.医療
医療と心理臨床/精神病理学/力動精神医学/精神医学と心身医学/診断基準/DSMとICD/精神症状/脳器質性精神障害/身体疾患による精神障害/老年精神医学/認知症/物質関連障害/アルコール依存/神経症と精神病(I)/神経症と精神病(II)/重症神経症/重症神経症/統合失調症/統合失調症周辺の精神障害/気分障害/うつ病性障害/不安障害/パニック障害/PTSD//身体表現性障害/強迫性障害/転換性障害/解離性障害/虚偽性障害/思春期危機/性同一性障害/摂食障害/睡眠障害/パーソナリティ障害/境界性パーソナリティ障害/成人期の発達障害/知的障害(精神遅滞)/遺伝カウンセリング/周産期の心理臨床/女性の精神障害/子どもの心理療法—遊戯療法—/子どもの神経性習癖/虐待(DVと子ども虐待)/小児科における心理臨床/コンサルテーション・リエゾン/チーム医療/HIVカウンセリング/慢性疾患の心理的ケア/リハビリテーション/地域精神医療/緩和ケア/危機介入/自殺/薬物療法/身体療法/脳死と臓器移植/精神保健福祉法

4.福祉
福祉と心理臨床/生活保護/ノーマライゼーション/家族支援/地域援助活動/社会福祉の機関/福祉の人材/福祉職員のメンタルヘルス/福祉の法規および制度/児童福祉/子どもの権利擁護/子ども虐待/被虐待児の心理療法/虐待する親/世代間伝達/家庭内暴力(DV)/児童相談書/児童養護施設/情緒障害児短期治療施設/子育て支援/里親/障害児・者福祉/精神保健福祉/高齢者福祉/子どものQOL/介護/高齢者施設/ターミナル・ケア/高齢者虐待

5.司法・矯正
司法・矯正と心理臨床/少年非行/少年法/家庭裁判所/少年鑑別所/少年院/矯正教育/保護観察/児童自立支援施設/行為障害/サイコパス/刑事施設/官民協働刑務所(PFI刑務所)/医療観察法性非行・性犯罪/修復的司法/精神鑑定/リスクアセスメント/非行カウンセリング/薬物事犯者/裁判員制度

6.産業
産業保健心理学の動向/メンタルヘルス関連の法令,制度/産業メンタルヘルス関連理論/産業におけるメンタルヘルス査定/過労死/作業関連疾患/ハラスメント/働く人のメンタルケア/若者への就労・自立支援/職場不適応/職場のうつ病/職場復帰/産業における心理的介入/産業における心理相談(個別介入)/産業における組織的な心理介入/産業臨床を担うスタッフ/キャリア発達/退職/教師へのメンタルヘルスケア—職場支援復帰―/自衛隊のメンタルヘルスケア

7.地域・文化
コミュニティ援助の発想/地域精神保健/エンパワメント/コラボレーション/コミュニティ感覚/アドヴォカシー(権利擁護)/社会変革/コミュニティ援助の方略/危機介入/コンサルテーション/心理教育/セルフヘルプ・グループ/ウェルビーイングとQOL/プログラムの立案と実践の評価/ロジックモデル/ニーズ・アセスメント/プログラム評価モデル/コミュニティ援助の実際/地域における子どもの虐待防止/自殺予防/地域子育て支援/日本の文化的特質と心理臨床/異文化適応/インターネット/カウンセリングによる多文化主義/多文化(間)カウンセリング/留学生カウンセリング/ニューカマー/インターネット/カルト/ゲイ・レズビアン

8.家族
家族と心理臨床/家族ライフサイクル/家族の時代的な変遷/子どもの発達と家族/子育て支援と心理臨床/家族アセスメント/家族療法の理論/家族療法の技法/家族療法の実際/親—乳幼児心理療法/夫婦療法/家族心理教育/不妊カウンセリング/子ども虐待と家族支援/家庭内暴力と家族支援/ひきこもり・ニートと家族支援/高齢者と家族支援/家族の死と心理臨床/家族ロマンス親殺しと子殺し/夫婦アセスメント/同胞葛藤/離婚/介護者のメンタルヘルス

9.被害者支援
被害者学/サバイバー/心的外傷/喪失体験/被害のアセスメント/災害被害者支援/家庭内暴力(DV)/犯罪被害者支援/静的被害/いじめ/ハラスメント/DVと虐待の支援/二次被害/報道被害/回復過程/PSTD/外傷性症状/被害者支援の方法/ストレスマネジメント/危機介入/アウトリーチ/シェルター/学校コミュニティの緊急支援/被害者支援関連法規/被害者支援・当事者関連団体

10.研究
心理臨床の研究/心理臨床における質的研究/心理臨床における量的研究/心理臨床における実験的研究/研究方法としての臨床法/臨床心理学における発達研究法/効果研究とプロセス研究/調査研究とサンプリング/尺度作成と測定/エビデンス・アプローチ/ナラティブ・アプローチ/アナログ研究とメタ分析/心理臨床学とコンピュータ/心理臨床におけるコンピュータの活用/心理臨床における研究倫理/隣接分野とのインタフェース

11.資料
心理臨床における倫理綱領/心理臨床のウェブ・ソース/(海外)論文の読み方/アブリビエーション(略称)のリスト/国内・海外の主な心理学会(HP)/心理検査の診療保険点数表/震災における心理臨床活動例/日本の心理臨床研究年表/学会年表

 

 

組見本

写真や図表を多く盛り込み、見やすく、わかりやすく編集

 

 

 

 

 

 

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