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日本社会心理学会創立50周年記念出版『社会心理学事典』

日本社会心理学会 編
発行:丸善出版株式会社
A5判・706頁 上製・函入  本体価格20,000円
ISBN978-4-621-08107-5

編集委員長
大坊 郁夫(大阪大学大学院教授)

編集委員
安藤清志/池上知子/池田謙一/遠藤由美/大渕憲一/上瀬由美子/亀田達也/唐沢かおり/川浦康至/釘原直樹/工藤恵理子/サトウタツヤ/深田博己/堀毛一也/松井 豊/村田光二/山口裕幸/結城雅樹/吉田俊和

 

心と行動の不思議と仕組みについて考察

 

学会創立50周年記念出版

「社会」の中での人の行動について研究する学問──社会心理学。社会的状況における個人の行動、集団行動、組織における人間行動、ジェンダーや偏見など文化的・歴史的に規定された人間行動の研究やマスメディア研究など、幅広い研究領域を含むこの学問では、政治学・経済学、文化人類学、統計学、生物学、精神医学、コミュニケーション論、ネットワーク分析などの知識を援用しながら、日常生活の中で起こる人の心と行動の「不思議と仕組み」について考察する。様々な分野で注目され、活用されている社会心理学の研究最前線を解説する中項目事典。13分野・約300項目を収載。

 

『刊行にあたって』より
 社会心理学には多種多様な研究アプローチがある。それは、見方によれば、節操のなさに映るかも知れないが、そうではない。むしろ、多くの心理学との重なりからより総合的な理論や統一的な指針を提供できる土壌を持っていると考えていいであろう。それを成すには、広義のミクロ・マクロの相互作用的視点から問題を捉えることであろう。加えて、生活、人生という時間軸は変化を含む連続体であると考えることは欠かせない。
 本書は、「日本社会心理学会創立50周年記念」事業の大きな柱の一つと位置づけられ、日本社会心理学会会員の総力を結集し、関心の高いトピックスや最新研究成果も盛り込みながら、我が国の「社会心理学の歴史と現在」が眺望できる「中項目主義」事典である。
 なお、解説する見出しの項目数は、約300項目(2頁で一項目を解説)とし、図版を盛り込み、視覚的にも理解できるものを企画した。
 本事典の内容、そして取り上げられるテーマ(中項目)は、専門家のみならず、公共図書館・教育機関(図書室)などの利用者、さらには個人ユーザーにとっても、大変興味を持って頂けるものになるものと確信している。
編集委員長 第23,24期 日本社会心理学会会長 大坊 郁夫

 

執 筆 者

 

 

掲載項目

 

1 自 己
[担当委員] 池上 知子

● 自我と自己
● 自己概念・自己知識
● 自己知覚理論
● 自己知識システム
● 自己スキーマ
● 力動的自己概念
● 関係的自己
● 自己カテゴリー化
● 自伝的記憶
● 自己と動機
● 自己呈示
● 自己開示
● 自己と適応
● 自己中心性
● 自尊感情と自己評価
● 特性自尊心・状態自尊心
● 顕在的自尊心・潜在的自尊心
● 社会的比較
● 自己評価維持モデル
● 自己注目と自己意識
● セルフ・ディスクレパンシー理論
● 自己制御

2 社会的認知・態度
[担当委員] 

唐沢 かおり 工藤 恵理子
● 社会的情報処理の基本特性
● 動機や目標と社会的情報処理
● 自動的処理と統制的処理の基本特性
● 社会的行動の自動性
● ムード一致効果とAIM
● ムードと社会的情報処理
● 対人認知の古典的モデル
● 対応推論
● 対人認知の2過程モデル
● ステレオタイプの形成と変容
● 潜在ステレオタイプ
● ヒューリスティック
● 思考の影響
● 他者の心理の推測
● 社会的推論における主観性
● 原因帰属
● 態 度
● 態度と行動
● 態度変容の2過程モデル
● 潜在的態度とその測定
● 対人認知の正確さ

3 社会的動機・パーソナリティ
[担当委員] 遠藤 由美

● 人格の基本次元
● 人格の生物学的基礎
● 人格の一貫性
● 暗黙の人格理論
● 性役割
● 価値体系
● 親和動機
● 達成動機
● 楽観主義・悲観主義
● 学習性無力感と絶望
● 統制感の錯覚
● 対人不安
● シャイネス
● 自己防衛
● ナルシシズム
● 権威主義的パーソナリティ
● 愛他主義と向社会的行動
● 基本欲求と動機
● 所属欲求
● 受容と排斥
● 存在脅威管理理論

4 健 康
[担当委員] 堀毛 一也

● 健康行動のモデル
● 健康度・健康観のアセスメント
● ストレスの概念と生起モデル
● コーピング
● ソーシャル・サポート
● ポジティブ心理学の動向
● 主観的ウェル・ビーイングとQOL
● ヒューマン・ストレングス
● 精神的回復力
● エモーショナル・インテリジェンス
● 抑うつと対人関係
● バーンアウト
● 自殺の社会心理
● 精神神経免疫学
● 自己効力感
● セルフ・コントロールと健康
● 宗教と癒し
● ヘルスケア・システム
● コミュニティ・ヘルスケア
● ヘルスプロモーション

5 親密な対人関係
[担当委員] 

松井  豊 上瀬 由美子
● 対人魅力の状況的要因
● 外見・身体的魅力
● 性格と対人魅力
● 友人関係の展開
● 親密な対人関係
● 孤独感
● 友情と恋愛
● 恋愛の類型論
● 恋愛に関わる規範
● 恋愛をめぐる感情 
● 愛着理論からみた親密な対人関係 
● ジェンダー・ジェンダー化 
● セクシズム
● 結婚満足感
● 親子関係
● 対人葛藤
● 失 恋
● 喪 失

6 対人的影響
[担当委員] 

吉田 俊和 村田 光二
● 社会的促進
● 情動感染
● 援助行動
● 責任の分散
● 社会的インパクト理論
● 攻撃行動
● モデリング
● 社会規範
● 社会的迷惑
● 規範的行為の焦点理論
● 社会的証明の原理
● 没個性化
● 社会的交換
● 衡平理論
● 相互依存性
● 社会的勢力
● 社会的スキル
● 対人関係の認知

7 コミュニケーション
[担当委員]

川浦 康至 深田 博己
● コミュニケーション
● コミュニケーションの機能と効用
● 言語コミュニケーション
● 非言語コミュニケーション
● ボディランゲージ
● パーソナル・スペース
● 化粧と被服
● メディアコミュニケーション
● アサーションとスキル
● 対人コミュニケーション
● 集団コミュニケーション
● 組織コミュニケーション
● 異文化コミュニケーション
● 説 得
● 説得の理論
● 説得への抵抗
● 依頼と応諾
● 欺 瞞
● リスク・コミュニケーション
● ペットやロボットとの相互作用
● 健康・安全とコミュニケーション

 

8 集団過程
[担当委員] 亀田 達也

● 同調・服従
● 集合的無知
● 社会規範と罰行動
● 多数派・少数派
● ゲーム
● 協 力
● 互恵性
● 公 正
● 交渉・取引
● 集団間関係
● 社会的アイデンティティ理論
● 集団問題解決
● 集団意思決定
● 集団極化

9 集団と組織
[担当委員] 

山口 裕幸 釘原 直樹
● 集団心と集団錯誤
● 集団力学と場の理論
● 集団の構造
● 集団の効果性と創造性
● グループシンク
● 集団凝集性と集団発達
● 集団とそれを取り巻く環境
● 競争と協同
● リーダーシップ
● チームワークと共有メンタルモデル
● 職務動機づけとコンピテンシー
● キャリア・デベロップメント
● 組織コミットメント
● 組織内葛藤のマネジメント
● 組織のナレッジ・マネジメント
● 組織の安全管理・リスク管理
● 家族集団の特性
● 職場集団の特性
● 学級集団の特性

10 大衆現象・犯罪
[担当委員] 安藤 清志

● 観光行動
● 余暇・レジャー
● ボランティア
● 高齢化社会
● 痩身願望とダイエット
● 嗜癖行動
● 宗教とカルト
● マインド・コントロール
● いじめ
● 社会的排斥
● 引きこもり
● 虐待・DV
● 少年非行
● 暴力犯罪
● セクシュアル・ハラスメント、ストーキング
● 犯罪者プロファイリング
● 犯罪・非行とラベリング理論
● 加害者と被害者の対話 (修復的司法)
● 裁判と心理学
● 取り調べと自白

11  集合現象
[担当委員] 池田 謙一

● 世 論
● 社会参加
● 政治参加
● 環境配慮行動
● 寛容性
● ソーシャル・キャピタル
● 対人的信頼
● 制度への信頼
● 評 判
● ソーシャル・ネットワーク
● 社会的現実
● 予言の自己成就
● 流 言
● マスメディア
● マスコミュニケーションの効果
● デジタルデバイド
● 普及過程
● 消費者行動
● 広 告
● 流 行
● 群 衆
● スポーツ心理学/ファンの心理

12 文 化
[担当委員] 

大渕 憲一 結城 雅樹
● 文化心理学
● 文化的自己観
● 文化と自尊心
● 表情と文化
● 文化的ステレオタイプ
● 民族紛争
● 国民性
● 人間関係と文化
● 社会的価値感
● 個人主義と集団主義
● 文化と集団行動
● 公正と文化
● 葛藤解決と文化
● 思考スタイル
● 文化と適応
● 異文化葛藤と共生
● 異文化適応
● 社会化
● 文化研究の方法
● 固有文化心理学

13 原理・方法
[担当委員] サトウ タツヤ

● 世界の社会心理学史
● 行動主義と社会的学習
● 認知革命と認知社会心理学
● 精神分析
● 行動計量の理論と数理的アプローチ
● 進化理論
● 社会構成主義
● 実験室実験とフィールド実験
● 観察とフィールドワーク、エスノグラフィー
● 相関モデルと因果モデル
● 尺度構成法   
● 社会調査
● 事例研究法
● 面接法
● 研究倫理と説明責任
● 日本の社会心理学史
● レヴィン、ミルグラム、ジンバルド
  ──社会心理学の巨人 1
● アッシュ、ハイダー、フェスティンガー
  ──社会心理学の巨人 2
● ジェームズ、ミード、オルポート、アーガイル
  ──社会心理学の巨人 3

付 録
● 社会心理学と周辺分野

● 日本社会心理学会の活動と展望
● 日本社会心理学会年表

引用文献リスト
事項索引 (和文・英文)
人名索引 (和文・英文)

 

組 見 本

 

 

 

 

 

 

 

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