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『臨床工学技士のための 臨床実習が楽しくなる本』まえがきより

臨床実習が楽しくなる本

『臨床工学技士のための 臨床実習が楽しくなる本』

髙橋純子 編著 本体価格1,800円 A5判 / 並製 160ページ

 

はじめに


 臨床工学技士を目指す学生のみなさん。本書を手に取ったあなたは、おそらく臨床実習が近づいてきている、もしくは実習真っただ中という感じでしょうか。

 筆者は、現在大学で臨床工学技士養成校の教員をしています。過去には、看護師として、また臨床工学技士としての勤務経験があります。みなさんと同じように、看護養成校にも行き、臨床工学技士養成校でも学び、資格を取得しました。また、教える立場として双方の臨床実習指導も行ってきました。

 みなさんもご存知のとおり、この二つの臨床実習の内容は異なります。看護師の実習は、患者さんの日常の世話を中心に診療の補助を行うので、その役割に即した実習内容となります。そのため、半年の時間をかけてさまざまな診療部門・病棟で実習を行います。出会う実習指導者も患者さんも診療部門・病棟ごとに変わりますので、多くの対人関係が築かれます。また、原則的に臨床現場に学校の教員が毎日、始業から終業まで一緒にいるので、学生‒教員‒実習指導者の3者の連携は必然的にはかられ、受け持ち患者さんに対する看護計画(どうすれば患者さんはよくなり、苦痛が取れ、社会に戻してあげることができるのか)について日々カンファレンスが実施されます。

 一方、臨床工学技士の実習は、生命維持管理装置の操作や保守・点検が中心の実習なので実習期間は看護師よりは短く、患者さんとの接点も少ないですが、看護師同様にさまざまな診療部門で医療機器の操作を中心とした実習を経験します。しかし、教員は毎日臨床の現場にいることはありません。タイミングをみて様子を伺い、実習の進度を確認することになります。不公平な感じもしますね。学生からすれば、臨床実習先はいうなれば完全アウェー。唯一学生のことを理解してくれる教員がそばにいないのは心細いし、不安にもなりますね。

 本書を執筆したきっかけは、このような状況から臨床工学技士を目指す学生の不安を少しでも軽減することができればという思いと、学生の視点から感じた身近で些細な疑問、教科書には掲載されていない、どちらかというとノンテクニカルな対人関係を中心に執筆された書籍がこれまでなかったということが背景にあります。

 実習先が決まり、実習指導者や患者さんとの出会い、実習中の教員との関係性など、実習の一連の流れに沿って、学生が困ったり、つまづきそうな部分について、わかりやすく丁寧に解説しました。執筆には養成校をはじめ、臨床や研究機関、職能団体で活躍している先生など多くの方に助けていただきました。また、筆者の大学に所属する学生にも、まだ見ぬ臨床現場をイメージしてもらいながらイラストを描いてもらいました。日本全国には、同時期に臨床実習をしている仲間がいるということを、このイラストを見ながら、何かしら励みになればと思い協力いただきました。

 本書は、臨床実習指導を担当される方にもぜひご一読いただければと思っています。臨床実習は学びの場なので本書タイトル『臨床工学技士のための 臨床実習が楽しくなる本』に少しくだけたイメージをお持ちになるかもしれませんが、実習指導を担当される方には、ご自身が学生であった頃を本書で思い出していただき、そのとき抱いた不安を払拭し、学生が毎日“明るく”“楽しく”“主体的”に実習するにはどうすればよいか、学生、教員とともに考えていただければ幸いです。また、実習生の態度やふるまいで困ったことがある実習指導者もいらっしゃることでしょう。本書はその部分もカバーできるものと自負しております。 さぁ、学生のみなさん。実習指導者や関係者、患者さん、教員とよい人間関係を構築し、有意義に臨床実習期間を過ごしてください。困ったことがあれば本書を読んでください。無事に有資格者となれば、みなさんを待っている患者さんがたくさんいます。医療を必要としている人のために、これまで培った学びを臨床実習でさらに深めてください。一歩踏み出して、行ってらっしゃい! 

2018 年 盛 夏

北陸大学医療保健学部  髙 橋 純 子

 

 

『臨床工学技士のための 臨床実習が楽しくなる本』まえがきより

続きは本書をご覧ください。

 

 

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