内容紹介
本書は、人体の基本的構成単位である細胞から、組織 器官、そして、人体の機能とその異常を考えるという構成で編集されている。最近、多くの疾患が遺伝子の異常で説明できるようになってきており、人の体の生理機能とその異常は、遺伝子との関係から考えることが重要となりつつある。これまでは、人体機能の基本的な構成系(神経系、筋骨格系、心血管系、腎臓排泄系、消化吸収系、呼吸器系、内分泌系、生殖器系など)に関係している、器官、細胞の機能を説明するという順序で書かれている書が多数を占めている。本書は、遺伝学と発生学を基礎として、遺伝子、細胞レベルで各機能系を説明した後に、いわゆる各系の器官、組織、細胞の異常を、遺伝子レベルで説明、考察しており、これまでの生理学の教科書とは違った構成となっている。
目次
1章 ヒトの細胞と分子的基盤
I.概要
II.細胞の発生
臨床応用1.1:よくみられる異数体(染色対数的異常症)
臨床応用1.2:コルネリア・デ・ランゲ症候群
III.遺伝
臨床応用1.3:プラダー・ウィリ症候群,アンジェルマン症候群
IV.細胞シグナル伝達
V.転写と翻訳
VI.癌と遺伝子
臨床応用1.4:バーキットリンパ腫
臨床応用1.5:慢性骨髄性白血病
臨床応用1.6:網膜芽細胞腫
臨床応用1.7:家族性腫瘍性ポリポーシス
臨床応用1.8:遺伝性非ポリポーシス大腸癌
VII.テロメラーゼ活性
臨床応用1.9:リー・フラウメニ症候群
VIII.分子学的スクリーニングと検査
1章のまとめ
学習問題
2章 細胞学的・神経科学的側面からみたヒト生体系
I.概要
II.細胞学的観点からみたヒト生体系
III.神経伝達経路
IV.ヒト生体系の神経科学的側面
2章のまとめ
臨床応用2.1:褐色細胞腫(クロム親和性細胞腫)
学習問題
3章 筋骨格系
I.概要
II.筋骨格の発生学
III.骨
IV.関節と関節障害
V.骨格筋
VI.皮膚
VII.結合組織
3章のまとめ
臨床応用3.1:左膝における“不幸の三徴”
学習問題
4章 心血管系
I.概要
II.心臓
III.脈管構造
IV.微小循環
V.造血系
VI.リンパ系
4章のまとめ
臨床応用4.1:拡張型心筋症とうっ血性心不全
学習問題
5章 呼吸器系
I.概要
II.発生学
III.肺系統の一般的側面
IV.異常
VI.呼吸不全
5章のまとめ
臨床応用5.1:細菌性肺炎
学習問題
6章 腎臓系
I.概要
II.発生学
III.解剖学
IV.組織学
V.機能的側面
VI.排泄と排尿
VII.体液,電解質と酸塩基平衡調節
VIII.異常
IX.利尿薬
6章のまとめ
臨床応用6.1:糖尿病性腎症と慢性腎不全
学習問題
7章 消化器系および肝胆道系
I.概要
II.発生学
III.解剖学
V.組織と機能
VI.直腸と肛門
7章のまとめ
臨床応用7.1:結腸癌転移の1例
学習問題
8章 内分泌系
I.概要
II.一般原理
III.視床下部と下垂体
IV.甲状腺
VI.副腎
VII.膵内分泌
VIII.多発性内分泌腺障害
8章のまとめ
臨床応用8.1:甲状腺機能亢進症/グレーヴス病
学習問題
9章 生殖器系
I.概要
II.類似性と相違性
III.女性生殖器系
IV.男性生殖器系
V.生殖
9章のまとめ
臨床応用9.1:アンドロゲン不応症
学習問題
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