内容紹介
量子力学的な粒子の運動を記述するシュレーディンガー作用素のスペクトルと、シュレーディンガー方程式の解の漸近的な振舞いを研究する散乱理論についての本格的な教科書。ワイルや小平邦彦、また池部晃生やファデーエフ等によって展開された固有関数展開定理が、今どのように結実しつつあるかを本書によってみることができる。
目次
第1章 自己共役作用素とスペクトル
始めに
自己共役性
スペクトル分解
スペクトルの分類
束縛状態と散乱状態
自己共役性の補足
Mourre 理論
Δ への応用
第2章 2 体問題
始めに
Mourre 理論の改良
なめらかな摂動
Enss の方法
Heisenberg 形式と波束の伝播
第3章 多体系の漸近完全性
始めに
原子のハミルトニアン
N 体Schrodinger 作用素
真性スペクトル
Mourre の不等式
凸関数と交換子
波束の伝播
漸近完全性
第4章 多体系のレゾルベント
始めに
L2-固有関数の減衰度
作用素の代数と交換子
Sommerfeld-Rellich 型の一意性定理
放射条件の一般化
レゾルベントの超局所評価
応用
Yafaev の関数
放射条件の精密化
第5章 3 体問題と固有関数展開
始めに
B - B* -空間
Fourier 変換の球面への制限
Ha に対するFourier 変換
Ha のレゾルベントの漸近展開
波動作用素
固有作用素展開
定常3 体問題の解の漸近挙動
S 行列の構造
第6章 補遺
Fourier 変換
補間定理
擬微分作用素
概解析接続
測度のLebesgue 分解
極限吸収,極限振幅
ヒルベルト空間のサンドイッチ
一般化された多体Schrodinger 作用素
定常位相の方法
第4 章定理3.6 の証明
特性曲線に沿う流れ
抽象放射条件
2 体問題に対する抽象定常理論
第5章定理2.6 の証明
レゾルベントの低エネルギーでの挙動
第5章(4.36)の証明
レゾルベントの各点評価
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