内容紹介
いまだ多くの謎に包まれている宇宙。 そのなかでも「ブラックホール」は最もミステリアスな存在のひとつとして、 天文学者の研究対象としてのみならず、私たち一般読者にとっても 魅力的で興味を引かれる存在である。 ブラックホールとは何か? ブラックホールの大きさは? 宇宙にブラックホールはどのくらいある? ブラックホールにはどんな種類がある? 巨大ブラックホールはどうやってできる? 銀河の進化との深い関係とは? 巨大ブラックホールは将来どうなっていく? 意外と知らないブラックホールのことを、たくさんの図、写真、観測結果を引用して 基本的な内容から少し高度なところまで掘り下げて解説する。 宇宙は銀河であふれており、銀河には巨大ブラックホールがある。 つまり、宇宙は巨大ブラックホールであふれているのだ。 宇宙にすむ隣人として、まずはブラックホールを理解することからはじめよう。
目次
第1 章 ブラックホールの世界
1-1 ブラックホールの基本
黒い色
ブラックホールの黒
脱出速度
コラム1:他の脱出速度
1-2 ブラックホールの基本―サイズ
シュバルツシルド半径
事象の地平線
1-3 ブラックホールの基本
コラム2:関連する物理量の値
1-4 ブラックホールの基本
1-5 ブラックホールの基本
1-6 ブラックホールの熱力学
1-7 ブラックホールの蒸発
ブラックホールの温度
ブラックホールの蒸発
第2 章 宇宙にあるブラックホール
2-1 星から生まれたブラックホール
2-2 銀河系にあるブラックホール
はくちょう座X-1
コラム4:天文学における距離の単位:光年とパーセク
2-3 銀河系にある中性子星
中性子星
磁場の強さ
中 性 子
パルサー
かに星雲のパルサー
マグネタ-
コラム3:白色矮星
コラム5:天体の等級について
コラム6:ハイパーノヴァ(極超新星)
相対論的ビーミング
コラム7:ガンマ線バースト
2-4 銀河系の中心にあるブラックホール
銀河系の中心
赤外線で見る
電波で見る
X 線で見る
巨大ブラックホールの証拠
2-5 銀河系以外の銀河中心にあるブラックホール
第3 章 活動銀河核
3-1 活動銀河核の発見
3C 273 の同定
3-2 活動銀河核の種類
3-3 活動銀河核の分類
3-4 巨大ブラックホールエンジン
巨大ブラックホールへの質量降着
3-5 セイファート銀河の秘密
電離ガスーBLR とNLR
1 型と2 型を統一する
3-6 トーラス:隠された広輝線領域
トーラスの証拠
3-7 活動銀河核の統一的理解
3-8 トーラスの「真」の姿
3-9 ガスは降着するのか?
3-10 厄介な電波銀河
NGC 6251
第4 章 活動銀河核のでき方
4-1 クェーサーの姿
クェーサーの前駆体(プリカーサー)
4-2 メジャー・マージャー:2 重合体
多重合体
多重合体のシミュレーション
4-3 セイファート銀河の出現メカニズム
4-4 マイナー・マージャー
4-5 活動銀河核の合体統一モデル
第5 章 巨大ブラックホール連星
5-1 巨大ブラックホール連星:その証拠
5-2 周期的な光度変化
OJ 287
3C 273
5-3 ジェットの歳差運動
5-4 ダブル広輝線領域(BLR)
5-5 軌道運動
電波銀河3C 66B の巨大ブラックホール連星
相対VLBI
5-6 さらなる証拠
M87 の巨大ブラックホールは銀河中心にない?
NGC 6240 の場合
アンドロメダ銀河の場合も?
5-7 巨大ブラックホール連星の寿命
5-8 軌道周期
5-9 重力パチンコ効果
第6 章 巨大ブラックホールと銀河の共進化
6-1 マゴリアン関係
6-2 アンドロメダ銀河の中心にあるブラックホール
6-3 宇宙の歴史
無
6-4 宇宙の一番星(初代星)
6-5 宇宙の一番ブラックホール
6-6 共進化への道
6-7 フィードバック
コラム ガスの電離
2 種類のAGN フィードバック
第7 章 宇宙における巨大ブラックホールの進化
7-1 巨大ブラックホールはいつできたか?
最遠のクェーサーを探す
最遠のクェーサー
CFHQS J2329-0301 のホスト銀河
モンスター銀河
原始クェーサー
7-2 巨大ブラックホールのでき方
リース・ダイアグラム
7-3 ドカンとできた?
7-4 星団からの進化
球状星団と散開星団
スーパー星団
7-5 中質量ブラックホール
ULX
スターバースト
ケンブリッジにて
7-6 中質量ブラックホールから
巨大ブラックホールへの道
7-7 初代星の残骸から
巨大ブラックホールへの道
宇宙年齢8 億歳までにクェーサーをつくれるか?
7-8 意外な伏兵―ダーク・スター
7-9 巨大ブラックホールは死なない
7-10 謎はさらに深まる
7-11 巨大ブラックホールをさがせ!
7-12 10 の100 乗年後の世界
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▼ 補足資料
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