創薬の分析化学

創薬の分析化学

開発タイムラインにそった全過程
著者名 日本分析化学会
中村 洋 編集委員長
今坂 藤太郎 編集幹事
加藤 信子 編集幹事
酒井 忠雄 編集幹事
発行元 丸善出版
発行年月日 2011年08月
判型 A5 210×148
ページ数 332ページ
ISBN 978-4-621-08423-6
Cコード 3347
NDCコード 499
ジャンル 化学・化学工学 >  分析化学 >  試料分析講座シリーズ
医学・薬学 >  薬学 >  薬学一般

内容紹介

世界の製薬企業は、多種多様の疾病に対する新薬開発に向けた創薬研究をグローバル規模で展開しているが、その一方、十数年に及ぶ開発期間と莫大な開発費の投資が必要とされ、新薬の承認件数が減少している。そのような厳しい環境、背景の中、新薬の早期開発に向けた製薬企業における新薬開発は、段階的なプロセスに基づき、各研究分野での活動が行われている。しかし、創薬研究の全体的な流れは、漠然と捉えられているにすぎず、十分理解されていないことが多い。 本書では、創薬研究での医薬品開発を「探求研究」、「開発研究」、「臨床研究」の3段階に分け、各研究段階での各研究分野で求められる多種多様の分析の意義と目的をまとめていて、医薬品の有用性を実証、検証するうえでの分析の重要性が理解できる。

目次

1 医薬品開発の創出の流れ
 1.1 探索研究段階における目的と概略
  1.1.1 合成研究
  1.1.2 物性研究
  1.1.3 薬効・薬理研究
  1.1.4 薬物動態研究
  1.1.5 安全性研究
 1.2 開発研究段階における目的と概略
  1.2.1 薬効・薬理研究
  1.2.2 薬物動態研究
  1.2.3 安全性研究
  1.2.4 合成研究
  1.2.5 製剤研究
 1.3 臨床研究段階における目的と概略
  1.3.1 物性研究
  1.3.2 薬効・薬理研究
  1.3.3 薬物動態研究
  1.3.4 安全性研究
  1.3.5 合成研究 
  1.3.6 製剤研究
 1.4 承認申請段階における目的と概略
2 探索研究段階における医薬品分析
 2.1 合成研究における分析
  2.1.1 概要と目的
  2.1.2 ドラッグデザインと合成
  2.1.3 構造解析
  2.1.4 構造解析の実例
  2.1.5 おわりに
 2.2 物性研究における分析
  2.2.1 概要と目的
  2.2.2 薬物分子の物性評価
  2.2.3 薬物の固体物性の評価
 2.3 薬効・薬理研究における分析
  2.3.1 概要と目的
  2.3.2 化合物スクリーニング
  2.3.3 薬効発現メカニズムの解明
 2.4 薬物動態研究における分析  
  2.4.1 概要と目的
  2.4.2 代謝物検索試験
  2.4.3 反応性代謝物の検出
  2.4.4 その他の試験
 2.5 安全性研究における分析
  2.5.1 概略と目的
  2.5.2 初期毒性試験におけるトキシコキネティクス
  2.5.2 理化学試験法および検体分析法の確立と簡易トキシコキネティクスバリデーション
3 開発研究段階における医薬品分析
 3.1 合成研究における分析
  3.1.1 概要と目的
  3.1.2 原薬合成ルートの構築および原薬の製造
  3.1.3 品質試験法の確立(試験項目,試験法および評価基準)
  3.1.4 原薬の安定性評価
 3.2 物性研究における分析
  2.3.1 概要と目的
  2.3.2 溶解度と膜透過性
  2.3.3 原薬物性の評価
  2.3.4 物性とPhI用製剤の設計
 3.3 薬効・薬理研究における分析
  3.3.1 概要と目的
  3.3.2 作用機序の解析
  3.3.3 病態モデル動物を用いた薬効評価
 3.4 薬物動態研究における分析
  3.4.1 概要と目的
  3.4.2 放射性同位体標識薬物を用いた薬物代謝分析
  3.4.3 薬物代謝予測
  3.4.4 バイオアナリシス
 3.5 安全性研究における分析
  3.5.1 概要と目的
  3.5.2 試験法バリデーション
  3.5.3 GLP理化学試験
  3.5.4 GLP検体分析
  3.5.5 GLP毒性試験におけるトキシコキネティクス
 3.6 製剤研究における分析
  3.6.1 概要と目的
  3.6.2 製剤設計の検討
  3.6.3 治験薬の製造法の検討
  3.6.4 治験薬の品質試験法の検討
  3.6.5 治験薬の包装(形態,材質)設計
  3.6.6 治験薬の製造
  3.6.7 治験薬の品質試験
  3.6.8 治験薬の安定性
4 臨床研究段階における医薬品分析
 4.1 薬効・薬理研究における分析
  4.1.1 概要と目的
  4.1.2 薬効・薬理解析パラメーター
  4.1.3 PK/PD解析
 4.2 薬物動態研究における分析
  4.2.1 概要と目的
  4.2.2 ヒト代謝物の安全性確保(MIST対応)
  4.2.3 ヒトPhI試験試料の代謝物検索
  4.2.4 ヒトhot-ADME試験試料の代謝物解析
  4.2.5 バイオアナリシス
 4.3 安全性研究における分析
  4.3.1 概要と目的
  4.3.2 臨床研究段階のGLP理化学試験
  4.3.3 GLP毒性試験におけるトキシコキネティクス
  4.3.4 その他(レギュレーション関連:GLP)
 4.4 合成研究における分析
  4.4.1 概要と目的
  4.4.2 原薬製造のスケールアップと商業生産
  4.4.3 原薬の品質評価の概要
  4.4.4 化学構造の証明および物理化学的性質の把握
  4.4.5 規格及び試験方法の設定
  4.4.6 安全性試験
 4.5 製剤研究における分析
  4.5.1 概要と目的
  4.5.2 製剤のスケールアップ製造法の確立
  4.5.3 商業生産の製造法の構築
  4.5.4 製造工程管理試験法の確立
  4.5.5 製造工程管理試験
  4.5.6 添加剤の品質試験法の確立
  4.5.7 添加剤の品質試験
  4.5.8 製剤の品質試験法の確立
  4.5.9 製剤の保存包装形態の設定
  4.5.10 製剤の品質試験
  4.5.11 製剤の申請用安定性試験
  4.5.12 製剤の規格の設定
  4.5.13 その他
 4.6 臨床における医薬品分析
  4.6.1 概要と目的
  4.6.2 臨床試験および日常診療における医薬品分析法
  4.6.3 検体の取扱い
  4.6.4 定量法
  4.6.5 おわりに
5 その他の基盤研究における分析
 5.1 概要と目的
 5.2 1細胞質量分析手法による医薬品開発
  5.2.1 細胞の培養
  5.2.2 薬物処理
  5.2.3 1生細胞ダイレクト質量分析
  5.2.4 データ解析
 5.3 マスイメージング手法
  5.3.1 概要
  5.3.2 手法
  5.3.3 凍結切片の調製
  5.3.4 MALDI法
  5.3.5 マトリックス添加法
  5.3.6 MSLDI質量分析装置
  5.3.7 マスイメージング測定
  5.3.8 今後の展望と課題
 5.4 LC‐NMRを用いた分析手法
  5.4.1 装置
  5.4.2 測定法
  5.4.3 HPLC移動相とシグナル消去
  5.4.4 HPLCの分離条件
  5.4.5 LC‐NMRと通常の試料管NMRの比較
  5.4.5 LC‐SPE‐NMR
付録 ガイドライン
 1 分析法バリデーション(ガイドライン)
  1.1 はじめに
  1.2 ICHガイドライン
  1.3 日本薬局方における分析法バリデーション
 2 安定性試験(ガイドライン)
  2.1 はじめに
  2.2 ICHガイドライン
 3 生物学的同等性試験
  3.1 後発医薬品における生物学的同等性試験
  3.2 医薬品開発(承認申請)における生物学的同等性試験

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